・相続開始前に相続の承認・放棄の意思表示をしても、その意思表示は無効である。
・相続人は、承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる(915条2項)。
・熟慮期間中の相続人は、その固有の財産におけるのと同一の注意をもって(×善管注意義務)、相続財産を管理しなければならない(918条1項本文)。
・相続の承認及び放棄は、915条の期間内(熟慮期間=自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内)でも、撤回することができない(919条1項)
時事法律問題を考える
・相続開始前に相続の承認・放棄の意思表示をしても、その意思表示は無効である。
・相続人は、承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる(915条2項)。
・熟慮期間中の相続人は、その固有の財産におけるのと同一の注意をもって(×善管注意義務)、相続財産を管理しなければならない(918条1項本文)。
・相続の承認及び放棄は、915条の期間内(熟慮期間=自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内)でも、撤回することができない(919条1項)
・共同相続人のうちの1人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について、表見相続人として真正共同相続人の相続権を否定し、自己の相続持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合、884条の規定(相続回復請求権)の適用がある。
・相続回復請求権の消滅時効を援用しようとする者は、真正共同相続人の相続権を侵害している共同相続人が、相続権侵害の開始時点において、谷共同相続人がいることを知らず、かつ、これを知らなかったことに合理的な理由があったことを主張立証しなければならない!!!
・表見相続人が、相続財産である不動産について、他の共同相続人に対して相続回復請求権の消滅時効を援用することができない場合、表見相続人から譲り受けた第三者も消滅時効を援用することはできない。!!
・884条後段の消滅時効の起算点は、相続権の侵害が相続開始後20年の期間内に行われた場合であるか、20年の期間後に行われた場合であるかにかかわらず、相続開始時から起算(×知った時)される。+なお知った時からは5年
・表見相続人からの相続不動産の譲受人は、相続回復請求権の消滅時効の進行中であっても、自己の占有に合わせて前主である表見相続人の占有を主張し、当該不動産の取得時効を援用することができる。!!←家督相続人が家督相続の回復をなしうる間は、表見相続人が相続不動産時効取得することはできないとしつつ、占有者が表見相続人であるという事実は187条2項の規定する瑕疵に包含されないとしている。!!!
・相続回復請求権は相続人の一身に専属する権利であり、相続回復請求権をしないで死亡した者の相続人は、被相続人の相続回復請求権を行使することができない!!!
・連帯債務者の1人が死亡した場合、その相続人らは、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲において、本来の債務者とともに連帯債務者となる。
・被相続人が不動産を相手方に譲渡する義務を負担した場合に、数人の相続人が遺産相続しその債務を承継した時は、各遺産相続人は不可分債務を負担し、相手方は遺産相続人の1人に対し全部の履行を求めることができる。=いずれの相続人も当該不動産の引渡し義務を負う。
・共同相続人は、908条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる(907条1項)
・遺産の分割は、相続開始時に遡ってその効力を生ずる(909条本文)=遺産分割の効力発生日は相続開始時!
・被相続人は、遺産分割方法の指定又は遺産分割の禁止(相続開始から5年を超えない期間)をすることができるが、それらは遺言によってなされなければならない(908条)!
・被相続人は、相続分の指定をすることもできるが、それらも遺言によってなされなければならない(902条1項)。ヘー
・相続人が被相続人から生前贈与や遺贈を受けていた場合は、特別受益として相続分から控除されることになる。
・養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又は死亡保険金は、原則として特別受益とならない。=保険金受取人である相続人とその他共同相続人との間に生ずる不公平が、903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段な事情が存する場合を除き、実質的に保険契約者又は被保険者の財産に属していたものとみることはできない。=特別受益には当たらない。
・被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定めることを第三者に委託することができる(908条)。
・家庭裁判所による遺産分割は、協議が調わないとき、又は協議をすることができないときに、各共同相続人が、家庭裁判所に請求することができる。=各相続人は、他の相続人全員を被告として遺産分割の訴えを提起できるわけではない。!
・遺産分割協議は、相続の開始により共同相続人の共有となった相続財産の全部または一部を各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移させることによって相続財産の帰属を確定させるから、その性質上、財産権を目的とする法律行為ということができ、詐害行為取消権の対象となる。
・各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う(911条)。
・共同相続人間で遺産分割協議が成立した場合に、相続人の1人が協議において負担した債務を履行しない場合であっても、その債務を有する相続人は、民法541条に基づいて当該協議を解除することはできない!!!
・相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人がすでにその分割その他の処分をしたときは、価格のみによる支払いの請求権を有する(910条)。=そのものを含めて改めて遺産分割協議をしなければならないわけではない!!
・共同相続人間における遺産分割の審判が確定した後に、被相続人をちちとする認知の判決が確定し被認知者が相続人となった場合、遺産分割の審判の効力は失われない。
・不法行為時から20年を経過する前6か月以内に被害者が心神喪失の状況にあるのに法定代理人を有しない場合、その後後見開始の審判を受け、成年後見人に就職した者が、就職から6か月以内に権利を行使した場合は、158条の法意により、724条後段の効果は生じない。
(なお724条後段は除斥期間)
・停止条件付売買契約において、条件の成否が確定する前に故意に目的物を毀損した売主は、期待権を侵害された買主に対して、損害賠償責任を負う。
・条件が成就することによって不利益を受ける者が故意に条件の成就を妨げた場合には、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる(130条)。(当然にみなされるわけではない。みなすことができる。)
・条件の成就によって利益を受ける者が故意に条件を成就した場合、130条の類推適用により条件が成就していないものとみなすことができる。
・婚姻、縁組、認知及び相続の承認・放棄には条件を付けることはできない。!!
・条件が法律行為時に成就していた場合には、その条件が停止条件であれば無条件のものとなる(131条1項)。
・条件が法律行為時に成就しないことが確定していた場合は、その条件が停止条件であればその法律行為は無効となる(131条2項)。
・条件が成就しないことが法律行為時に確定していた場合、解除条件であれば、無条件のものとなる。
・停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみにかかるときは無効とする(134条)。!!!
・不法な条件を付した法律行為は、条件のみが無効となるのではなく、その法律行為全体が無効となる(132条前段)。
・期限の利益の放棄の効力は将来に向かって発生する。(遡及しない)
・委任状の受任者名義が白地である白紙委任状が、直接交付を受けた者から更に交付を受けた第三者により濫用された場合には、原則として代理権授与表示による表見代理(109条)は成立しない。
しかし、白紙委任状を何人において行使しても差支えない趣旨で交付した場合には、本人は、契約上の責任を負うことがある。
・第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その他人が無権代理人であることについて第三者が知っていることまたは知りえたことを立証しなければ 、その表示した代理権の範囲内で、その他人が第三者との間でした代理行為の責任を負う。
・単なる事実行為をなす権限は基本代理権足りえない。預金の外交員が単に勧誘行為を委託したのみでは110条の基本代理権とはならない。!!
・約束手形が代理人によりその権限をゆ越して振り出された場合、110条によりこれを有効とするには、受取人が代理人に振り出し権限のあるものと信ずべき正当な理由がある場合に限る。その後の手形所持人が、代理人にこのような権限があるものと信ずべき正当な理由を有していたとしても、110条を類推適用して、所持人に対し振出人をして手形上の責任を負担させることはできない。!
・契約の相手方が110条により有効に権利を取得した後に、転得者がその権利を承継取得した場合、取引の安定のため、転得者は悪意であっても当該権利を取得する。
・代理人が代理権限を逸脱する行為を本人名義で行った場合は110条は適用されない。相手方がこの者を本人であると信じたことに正当な理由があった場合は110条が類推適用される。
・代理権を有する者が行った権限外の行為が、その代理権と何らの関係のない場合であっても、110条の適用がある。
・養子の養子縁組前の子は、養親の直系卑属とはならず、代襲相続人とはならない。
・配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2、直系尊属の相続分は3分の1となる(900条2号)。
・配偶者及び兄弟姉妹が相続人である場合は、配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1である(900条3号)。
・特別受益者の受益額が相続分を超える場合、特別受益者は、その相続分を受けることができない(903条2項)。⇔その超過分を返還することを求めていない!!!!!!
・被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした相続人のあるときは、相続時に残存する相続財産の額から、寄与分を控除した額をみなし相続財産とし、これをもとに算出した相続分に寄与分を加えた額を、寄与した者の相続分とする(904条の2)
(2100万ー300万)÷3+300万
・寄与分を主張できる者は、共同相続人に限られる(904条の2)。→被相続人の長男の妻は、被相続人の療養看護をしたとしても、寄与分の主張はできない。
・共同相続人の1人が遺産の分割前に、その相続分を第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は、その価格及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる(905条1項)。!!!←相続人以外の者を加えて行う遺産分割は順調に行えないおそれがあるから・・・。ホントニソウカナ(笑)
・相続人が数人ある場合において、その相続財産中に可分債権がある場合は、その債権は法律上当然に分割され、各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継する。=3000万円の貸金債権とかは可分債権
・遺産である不動産につき、各相続人は自己の持分を処分することができる。←相続財産の共有は、249条以下に規定する共有とその性質を異にするものではないから!!
・相続財産を構成する金銭は遺産分割の対象となる。=当然分割されるわけではない。
・遺産分割による相続財産中の不動産に対する共有持分につき、法定相続分と異なる権利を取得した相続人は、その旨の登記を経なければ、分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対して、自己の権利の取得を主張することはできない。←第三者に関する関係においては、相続人が相続につきいったん取得した権利につき分割時に新たな変更を生ずるのと実質上異ならないから、不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による特捜変更については、177条の適用がある。
・賃貸借契約における保証人の相続人は、相続開始後に生じた賃料債務についても当然にその債務を負担する。
・生活保護法に基づく保護受給権は、被保護者自身の最低限度の生活を維持するために当該個人に与えられえた一身専属の権利であって、相続の対象とならない。
+生存中の扶助のうちすでに遅滞にあるものも、被保護者の死亡によって消滅し、相続の対象にならない!!!
・被相続人が、公営住宅の賃借権を有していた場合、相続人は、その賃借権を承継しない!!←公営住宅法は、住宅に困窮する低額所得者に、低廉な家賃で住居を賃貸することを目的とするものであって、その規定の趣旨は、入居機会の公平を確保することにあるから。
・被相続人が、民法上の組合の組合員であった場合、相続人は、その地位を相続しない。←組合は一身専属制を有し、組合員の死亡によってその組合員は脱退となる(679条1号)
・被相続人が、使用貸借の借主たる地位を有していた場合、相続人はその地位を承継しない!!←使用貸借は借主の死亡によって終了する(599条)。
・系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべきものが承継する(897条1項本文)。
・本人は相続により無権代理人の債務を承継する(117条1項)。
・無権代理の相手方は本人の追認以前に限り、無権代理行為を取り消すことができる(115条本文)。
・上記取消しは本人・無権代理人のいずれに対してなされてもよい。 !
・ 無権代理行為の相手方は、本人が追認しない間でも、無権代理人に代理権がないことについて悪意の場合は契約を取り消すことはできない(115条但し書き)。
・他人の物を自己のものとして処分した場合、真実の権利者が追認した時は、116条の類推適用により、処分の時に遡って効果を生じる。!!
・上記の場合、 追認後も他人物売主と買主が契約の当事者であるため、真の権利者は、相手方(買主)に対して売買契約に基づく債務の履行を求めることはできない。
・116条但し書きは無権代理行為の相手方の取得した権利と第三者の取得した権利とが、ともに特段の対抗要件を要しないで排他的な主張ができる場合にのみ適用される。!!!
・114条の催告の期間内に本人の確答がない場合は、追認拒絶が擬制され、契約は無効なものとして確定する。
・無権代理における本人の追認(113条1項、116条本文)は、代理権の欠缺を補充するにすぎないから、無権代理人の法律行為に錯誤や虚偽表示などの無効原因がある場合、本人は、無効を主張できる。ヘー
・取消しうべき行為についての法定追認(125条)は、無権代理行為の追認には類推適用されない。→代金受領したことのみをもって、契約成立の効果を主張することはできない。
・成年後見人がその就職前に成年被後見人の無権代理人によって締結された契約の追認を拒絶することは、当該契約の内容・性質、双方の経済的利害損失、交渉の経緯、自己の関与した行為の程度など諸般の事情に照らし、正義の観念に反するような例外的な場合でない限り、信義則に反するとは言えない。!
・表見代理は相手方保護の制度であるから、無権代理人が表見代理の成立要件を主張立証して自己の責任を免れることは、制度本来の趣旨に反する。フム
・無権代理人が自己に代理権が存するとして土地を売却し、その後、無権代理人が真実の権利者から当該土地を買い受けた場合において、無権代理人の相手方が履行を請求した時は、無権代理人と第三者との間に当該土地の売買契約が成立したのと同様の効果が生じる。!
・無権代理人の117条1項による損害賠償責任は、信頼利益損害の賠償にとどまるものではない。なぜなら、履行に代わるべき損害の賠償責任だから。
・代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示であっても、代理人が本人のためにすることを相手方において知ることができた場合には、意思表示は本人に帰属する(100条但し書き、99条1項)
・法人の代表機関が代理人により取引をした場合、192条の善意無過失はその代理人について判断する。(101条の趣旨から)!
・ 法人の使用人が法人の目的の範囲外の行為を行い、法人に不当利得が生じたとしても、使用人に法人を代理する権限はないことから、使用人の悪意をもって法人の悪意(704)とすることはできない。!!
・特定の法律行為を委託された場合において、代理人が本人の指示に従ってその行為をしたとき、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することはできない(101条2項前段)。!
・代理人は行為能力者であることを要しない(102条)(未成年者OK)。!!
・制限行為能力者の代理行為を、行為能力の制限を理由に取り消すことはできない。