刑法94条 中立命令違反

刑法94条 中立命令違反

(中立命令違反)
第九十四条  外国が交戦している際に、局外中立に関する命令に違反した者は、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

・国際紛争の原因を作り、我が国の国際関係的地位を危うくすることを禁止する規定。

・本条は、現行刑法典唯一の白地刑罰法規である。
どのような行為が中立命令違反となるかは、その行為時に発令されている局外中立命令の内容次第である。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法93条 私戦予備及び陰謀

刑法93条 私戦予備及び陰謀

(私戦予備及び陰謀)
第九十三条  外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する。ただし、自首した者は、その刑を免除する。

・本条は目的犯である。

・私的に外国に武力を行使することにより、我が国の外交関係を悪化させたり、我が国の国際関係上の地位や国家の存立を危うくすることを禁止する規定。

・現行刑法は、私戦予備・陰謀だけを処罰対象としており、それが実行に移された場合(=私戦の未遂既遂)につき、規定はない。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法92条 外国国章損壊等

刑法92条 外国国章損壊等

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

(外国国章損壊等)
第九十二条  外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。

・国家の外交作用を保護法益としている。

・本条は目的犯である。

・「損壊」とは
国章自体を破壊または毀損する方法によって、外国の威信尊厳表徴の効用を減失または減少せしめること

・「除去」とは
国章自体を損壊することなく場所的に移転する場合のほか
一時的のものでない遮蔽等の方法により、国章が現に所在する場所において果たしている威信尊厳表徴の効用を減失または減少せしめることをいう。

・「汚損」とは
人に嫌悪の感を抱かせる物を付着または付置して国章自体に対して嫌悪の感を抱かせる方法により、上記効用を減失または減少させることをいう。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法88条 予備及び陰謀

刑法88条 予備及び陰謀

(予備及び陰謀)
第八十八条  第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

・外患誘致罪の予備・陰謀は、武力を誘致するために、通謀に先立つ準備行為をし、または、謀議画策をすることにより成立する。

・外患援助罪の予備陰謀は、軍事的援助をするための準備行為をし、又は、通謀画策することにより成立する。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法87条 未遂罪

刑法87条 未遂罪

(未遂罪)
第八十七条  第八十一条及び第八十二条の罪の未遂は、罰する。

・外患誘致罪(81条)、外患援助罪(82条)の未遂を処罰する。

・外患誘致罪の未遂は、通謀行為に着手したが、武力行使には至らなかった場合に成立する。

・外患援助罪の未遂は、軍事上の利益を供与しようとしたが、供与するに至らなかった場合に成立する。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法82条 外患援助

刑法82条 外患援助

(外患援助)
第八十二条  日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

・「これに加担して」とは、武力行使をしている外国に、加担し協力することをいう。
結果的に、その外国の利益になったというだけでは足りない。

・「その軍務に服し」とは、外国の軍隊の指揮命令系統に服して活動することをいう。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法81条 外患誘致

刑法81条 外患誘致

(外患誘致)
第八十一条  外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

・法定刑として死刑のみが規定されている。
66条ないし67条による減軽の余地は当然ある。

・「外国」とは、外国の政府、軍隊等の国家機関を意味する。

・「通謀」とは、意思の連絡であり、合意の成立を意味する。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法80条 自首による刑の免除

刑法80条 自主による刑の免除

(自首による刑の免除)
第八十条  前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。

・内乱の実行行為である暴動に至る前に自首した者に対して、必要的な刑の免除を認める規定。

・総則における自首減軽の規定(42条1号)の特則。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法79条 内乱等幇助

刑法79条 内乱等幇助

(内乱等幇助)
第七十九条  兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

・内乱及び内乱予備・陰謀に対する集団外からの幇助行為を特別の構成要件として規定した。

・本来幇助行為とは、被幇助者の実行を容易にする一切の援助行為を指すと解されるが、品上は例示をしていることから、「その他の行為」もこれに準ずるものに限られる。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

刑法78条 予備及び陰謀

刑法78条 予備及び陰謀

(予備及び陰謀)
第七十八条  内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

・内乱の予備とは、内乱罪の実行を目的とする準備行為であり、武器や資金の調達、参加者を集めるなどの行為がこれに当たる。

・内乱の陰謀とは、内乱罪の実行について、2人以上の者が計画し、合意に達することであり、予備に先行する心理的な通謀の段階を意味する。
単なる抽象的・一般的な合意では足りない。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});