民法択一 物権 占有権 占有権の消滅と準占有

・占有権は占有者が占有物の所有を失うことによって消滅するのであり、ただ、占有者は、同条のただし書きにより、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその物の占有を回復したときは、現実に占有しなかった間も占有を失わず、占有が継続していたものと擬制される!!

・賃貸人が自己の所有する物を賃貸し、賃借人が占有している場合、賃貸借契約が終了しても、代理占有関係は消滅しない!!=代理権の消滅のみによっては消滅しない。

・代理占有が消滅する場合
本人が代理人に占有させる意思を放棄したこと(204条1項1号)
代理人が本人に対して以後自己または第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと(204条1項2号)
代理人が占有物の所持を失ったこと(204条1項3号)


民法択一 物権 占有権 占有権の効力


・占有訴権は占有権の効果として認められるところ、占有権を取得するためには目的物を所持することが必要であり(180条)、子の所持は独立したものでなければならない。そのため、他人の手足として補助的に物を支配しているにすぎない占有補助者は、占有権を取得することはできない!!→占有補助者である家事使用人は、占有回収の訴え(200条1項)を提起することはできない!!!!

・法人の機関等には、独立の所持が認められず、本人のために事実上物を保持するものにすぎない。←占有補助者(占有機関)だから
→法人の機関には占有訴権の原告適格は認められない!

・占有保持の訴えは、妨害の存する間又は消滅した後1年以内に提起しなければならない(201条本文)

・占有訴権の要件比較
占有保持の訴え=占有者の占有が妨害されているとき
占有保全の訴え=占有を妨害されるおそれがあるとき
占有回収の訴え=占有者の占有が奪われたとき

・占有保持の訴え(198条)を提起するための要件として、占有妨害の客観的事実があればよく、妨害者の故意または過失は不要!!

・占有者が妨害者に対して、妨害を除去し、原状回復を求める場合、その費用は妨害者が負担する!!←占有保持の訴え(198条)における「妨害の停止」とは、妨害者の費用で妨害を排除し、原状回復させることである。

・占有者がその占有を妨害されるおそれがある場合、占有保全の訴えによって、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる!!←いずれかの請求により目的が達成されるから!

・占有者がその占有を奪われた場合、占有回収の訴えを提起することができる(200条1項)。占有の侵奪とは、占有者が意思に基づかずにその所有を奪われることである!!!→賃借人が、占有権限を失った後に(賃貸借契約の終了など)占有を継続していても、賃貸人の占有を奪ったことにはならないので、占有回収の訴えを適することはできない!!!!!注!

・占有回収の訴えは、占有者のみならず、一般に所有の意思を有しない他人のために占有する者も提起することができる(197条後段)!!ヘー

・占有者は、その占有を奪われた場合、その占有が正当な権原に基づかないとしても、占有回収の訴え(200条1項)により損害賠償請求が認められる!!!!(占有侵害の事実があれば足りる!)

・詐取された場合は「占有を奪われたとき」(200条1項)に当たらない!!→占有回収の訴えは提起できない。

・遺失の場合も占有回収の訴えを提起できない←占有者の意思に反して奪われていないから!

・占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りではない(200条2項)

・侵奪物の占有がいったん善意の特定承継人に移転すれば、その後の特定承継人がたまたま占有侵奪の事実につき知っているとしても、そのものに対し占有回収の訴えを提起することはできない!!

・不法に他人の占有を侵奪した者がその目的物を他人に貸与したとしても借受人は貸主のために代理占有(181条)しているので、貸主である侵奪者は、目的物を占有しており、被侵奪者は侵奪者に対して占有回収の訴え(200条1項)を提起することができる。

・寄託を受けた者は特定承継人に当たる!!→寄託を受けた者が侵奪の事実に悪意の場合は、この者に対して占有回収の訴えを提起できる!

・占有回収の訴えは占有を奪われた時から(×知った時から)1年以内に提起しなければならない(201条3項)!!!!

占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることはできない(202条2項)!!!→裁判所は、占有回収の訴えに対して原告が係争物について所有権を有しないことを理由に請求を棄却することはできない!!!

・占有の訴に対し防御方法として本権の主張をなすことは許されないが、これに対し本権に基づく反訴を提起することは許される。

・占有者が占有物のうえに行使する権利はこれを適法に有するものと推定される以上(188条)、譲受人たる占有取得者がそのように信じることについて過失のないものと推定される。

・他人の所有地上の建物に居住している者がその敷地を占有する正権原があると主張するときには、占有者がその正権原の立証責任を負う!!=188条を援用して自己の正権原を所有者に対抗することはできない!!

・189条1項の「善意の占有者」とは、所有権、賃借権等の本権がないのにそれがあると確信して占有する者をいう!悪意の占有者とは、本権がないことを知り、又はその有無につき疑いを持ちながら占有する者をいう!!→土地の占有者が、その土地につき果実収取権をともなった本権を自身が有するかどうかについて疑いを抱いている場合には、善意の占有者による果実の取得を規定した189条1項の「善意の占有者」にはあたらない。

・善意の占有者が本件の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から(×判決の確定時)悪意の占有者とみなされる(189条2項)!!!

・占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって損傷した場合に、その回復者に対し、善意の自主占有者が負う賠償義務の範囲はその損傷によって現に利益を受けている限度に限定される(191条)。←占有の特殊性に着目して不法行為、不当利得等の特則として、善意の自主占有者を保護し、その賠償義務の範囲を制限する趣旨!

・占有者が占有物を返還する場合、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は占有者の負担に帰する(196条1項ただし書き)。固定資産税は、甲建物の保管に通常必要となる費用であり、通常の必要費に当たる!
→善意の占有者は、甲建物を占有したことによって得た利益(使用利益)を取得する(189条1項)から、占有期間中の固定資産税を負担しなければならない!!


民法択一 物権 占有権 占有の態様・種類


・占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有するものと推定する(×みなされる)(186条1項)

・占有における所有の意思の有無は、占有取得の原因たる事実によって外形的客観的に定められるべきものである!!!→賃貸借により取得した占有は、たとえ所有の意思があっても、他主占有であるというべき!!!

・権原の性質上、占有者に所有の意思表示がないものとされる場合において、占有者が新たな権原によりさらに所有の意思をもって占有を始めた場合、その占有の性質は、所有の意思をもってする占有に変更される(185条)!!!←永続した事実状態の尊重という時効制度の趣旨の貫徹と、所有の意思の表示や新権原を要求することで真の権利者に時効中断の機会を与えて保護する点との調和を図るため。フム

・相続人は、原則として被相続人の財産に属する権利義務を包括承継する(806条本文)→占有権も承継

・占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を合わせて主張することができる(187条1項)。
+187条1項は相続のごとき包括承継の場合にも適用され、相続人は必ずしも被相続人の占有についての善意・悪意の地位をそのまま承継するものではない!

・相続人が被相続人の死亡により相続財産の占有を承継したばかりでなく、新たに相続財産を事実上支配することによって占有を開始しその占有に所有の意思があると認められる場合には、被相続人の占有が他主占有であったときにも相続人は185条にいう「新たな権原」により所有の意思をもって占有を始めたものというべきである!!!!!
+相続人が、自己の占有が独自に要件を充たすことを主張立証する!

・相続人の占有の性質は被相続人の占有の性質から決定されるから、被相続人の占有が自主占有であることに対する相続人の知不知にかかわらず、相続開始と同時に所有の意思をもっての占有(被相続人が所有の意思をもって占有していた場合)となる。

・売買契約に基づいて開始される占有は、解除条件が付されている場合であっても、162条にいう所有の意思をもってする占有であるというを妨げず、かつ、現に解除条件が成就して当該売買契約が失効しても、それだけでは、この占有が所有の意思をもってする占有でなくなるというものではない!!!!!

・共同相続人の1人が単独に相続したものと信じて相続開始とともに相続財産を現実に占有し管理使用を専行(←自分の判断で行うこと=独断専行ナド)し、公租公課も支払っていたなどの事情があり、他の相続人が何ら関心をもたず意義も述べなかった場合、相続人は相続の時から相続財産につき単独所有者としての自主占有を取得する。


民法択一 物権 占有権 占有とは


・占有改定(183条)の要件
①前所有者の元所有 ②目的物の占有権の譲渡の合意 ③目的物を以後譲受人のために占有する意思表示
+所有権に基づく動産引渡請求の請求原因の中で、目的物の占有権の譲渡の合意があったことは主張されるので、再抗弁の中で原告が主張すべきなのは、①前所持者の元占有、③目的物を以後原告のために占有する意思表示だけでよい!!!!!!!
(被告の抗弁は対抗要件の抗弁)

・代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する(183条、占有改定)個々での意思表示は、特別なものが必要ではなく、賃貸借契約を締結することでもよい
→建物の売買契約が締結された後、引渡しがなされる前に、引き続き売主が当該建物に住み続けたいと考え、買主との間で当該建物について賃貸借契約が締結された場合、買主が当該建物について占有権を取得するのに、さらに特別の意思表示は必要ではない!!!!!

・占有権は代理人によって取得できる(181条)!!
+代理人の占有=直接占有
本人の占有=間接占有

・本人が代理人によって物を占有する場合、占有者の善意悪意は、現実に物を支配する代理人によって定まる!!←101条類推


民法択一 物権 物権変動 公信の原則


・取得時効が成立するためには有効な取引行為があることが必要(192条)!未成年者の法律行為であることを理由として取り消された場合は、遡及的に無効になるから(121条本文)、有効な取引行為が存在しないことになる。→Dが甲を買い受けてから2年が過ぎていても、193条の規定とは無関係に、所有権を即時取得することはできない!!

・強迫を受けてした動産売買契約を取り消した売主は、取消し前に買主から当該動産を善意無過失で買い受けた者に対して、所有権に基づいて、当該動産の返還を求めることができない。←即時取得

・道路運送車両法による登録を受けている自動車については、民法192条の適用はない。

・即時取得の要件として、取引行為に基づき当該動産の引渡しを受けたことが必要(192条)→売買契約に基づいて引渡しがあったことを主張立証

・執行債務者の所有に属さない動産が強制競売に付された場合でも、競落人は、192条の要件を具備するときは、192条によって動産の所有権を取得できる!!

・不動産の一部を組成する物を事実上の行為により動産としてその占有を取得した場合、192条の適用ない。=不動産の一部である立木を善意無過失で伐採しその占有を取得した場合、当該立木を即時取得することはできない!!!!

・無権代理行為は、本人の追認がない限り無効であるから、相手方は即時取得することはできない!!!=代理人Bが代理権なく本人Aを代理して相手方CにA所有の動産を譲渡した場合、CはBが代理権を有していないことについて善意無過失であっても、当該動産を即時取得できない。

・192条の「動産について行使する権利」は、前主が真の所有者であったならば取引の性質上取得すべき権利をいう!→抵当権の効力が及ぶことにつき善意無過失であることによって、抵当権の負担のない所有権を取得する!!

・無権利者からの取得であることは、即時取得(192条)を主張する者が積極的に主張立証する要件ではない。

・即時取得(192条)の適用においては前主が無権利者又は無権限者であることを要する。→動産の売買で売主の錯誤によって売買契約が無効なため、前主が無権利者である場合、その者からの譲受人は、前主が無権利者であることについて善意無過失であり、平穏公然に動産の占有を始めたときは、動産の所有権を即時取得する。

・占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ公然と占有するものと推定される(186条1項)ため、「善意」「平穏」「公然」については主張立証責任が転換されている。

・占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定される(188条)から、処分権があると称して取引をする動産の占有者に、その処分権があるものと推定される結果、上記占有者から譲り受けた者は、前占有者に処分権があると信じることについて過失がないものと推定される!!

・占有改定による即時取得は認められない。←192条の「占有を始めた」といえるためには、一般外観上従来の占有状態に変更を生ずるような占有取得であることが必要である!
→動産を所有者から賃借していたものがその動産を第三者に譲渡した後、なお譲渡人が、その動産を譲受人から賃借している場合、譲受人は、その動産の所有権を即時取得することはできない!(占有改定だから・・・。)

・指図による占有移転(184条)による即時取得は認められる。←占有改定の場合とは異なり、客観的に認識することが可能であって、取引の安全を害しない・・・。

・即時取得の規定は、不動産賃貸の先取特権(312条、313条)について準用される!!!→賃貸不動産に備え付けられた第三者の動産を賃借人の所有物であると信じ、かつ、そう信じることにつき過失がなかったときは、その動産の上に先取特権が成立する!!!!!

・即時取得の目的物が盗品である場合は、被害者は、盗難の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる(193条)。

・193条にいう「被害者」には動産の賃借人、受寄者のみならず、所有者も含まれる!!

・回復請求をする場合、占有者が、盗品を競売若しくは公の市場において又はその物と同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合は、被害者は占有者が支払った代価を弁済しなければそのものを回復することはできない(194条)=無職の者から個人的に買い受けた場合は代価弁済不要

・占有者が盗難の時から2年以内に被害者から回復請求を受けないときに初めて占有者はそのものについての権利を取得する!!!!!!=盗難の時から2年間は所有権は被害者に帰属したまま!!

・193条は、詐欺のように占有の移転が占有を喪失した者の意思に反するとはいえない場合には適用されない!!!ナント→即時取得された動産が、所有者が詐欺により占有を喪失した物であった場合、被害者・遺失者は、占有を喪失した時から2年間、占有者に対してその動産の回復を請求することができない!

・占有物が横領された物である場合には、193条は適用されない(笑)→Aの所有する動産をBが横領し、その後、Cが当該動産をBから買い受けた場合、Cがその動産について即時取得の要件を満たしたとき、Aは横領の時から2年間でもCに対して返還を請求することはできない!!

・192条にいう善意無過失の意義=動産の占有を始めた者において、取引の相手方がその動産につき無権利者でないと誤信し、またそのように信ずるにつき過失のなかったことを意味する。半信半疑の状態は善意の場合には当たらない!!!!


民法択一 物権 物権変動 明認方法


・土地が二重譲渡された場合に、未登記の第1譲受人がその土地上に立木を植栽した後、第2譲受人が土地の移転登記を具備した場合は、第1譲受人は立木所有権を公示する対抗要件を具備しなければ、自己が植栽した立木の所有権を第2譲受人に対抗することはできない。←242条ただし書きの類推適用により、譲渡人以外の地盤所有者に対する関係では立木の地盤への付合は遡って否定されるとしながらも、立木が地盤に付合したまま移転する本来の物権変動の効果を立木について制限することとなるから、その物権的効果を第三者に対抗するためには、少なくとも立木所有権を公示する対抗要件を必要とする!!!

++立木は独立した物権の客体になるのか?
立木は土地の定着物(86条1項)であり、しかも、取引通念上建物のような土地とは別個の不動産というよりも、土地の土砂や岩石のように土地の完全な構成部分に近いものと考えられる。そこで、立木は原則として土地に「付合」し、独立した物権の客体とはならないと解する。もっとも立木のみを取引の対象とする慣行が存在するのであり、その場合などには立木を独立の経済的価値を有する物権の客体として取り扱う必要がある。そこで、「権原」によって植栽した場合等には、立木は例外的に土地とは独立した物権の客体になる!

+なぜ242条の類推か?→「権原」とは他人の土地を利用する権利をいうところ、登記の対抗力は遡及しないので(=対抗力はあくまでも登記がなされた時点で発生し、物権変動の時まで遡及するものではない)、立木を植栽した時点で土地所有権者であったAには直接適用することはできないから。

+しかし、Cが出現するまでは、Aは土地の利用権以上の権利である所有権を有していたのに、Aが保護されないのは不都合。また、Cが登記を備えればそれ以後はAは対抗力を失うところ(177条)、これは他人の土地を利用していたのと同じ状況にあるといえる。そこで、Aは242条を類推適用により立木所有権を留保できる。

・当事者間の合意で立木の所有権を留保した場合は、立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが、留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから、この場合には立木につき立木法による登記をするか又はその留保を公示するに足る明認方法を施さない限り、立木所有権の留保をもってその地盤である土地の権利を取得した第三者に対抗しえない。!!!

・明認方法は、登記に代わるものとして第三者が容易に所有権を認識することができる手段で、しかも、第三者が利害関係を取得する当時にもそれだけの効果をもって存在するものでなければならない!!!


民法択一 物権 物権変動 契約による動産物権変動

・占有改定も178条の「引渡し」にあたる!!!!!→動産の譲受人は、占有改定を受けることにより、その所有権の取得を第三者に対抗することができる。

・指図による占有移転(184条)も178条の「引渡し」に当たる!!→動産の寄託者がこれを譲渡した場合、寄託者が受寄者に対し以後譲受人のためにその動産を占有することを命じ、譲受人がこれを承諾した場合は、譲受人は、その所有権の取得を第三者に対抗することができる!!

・動産の二重譲渡がなされた場合、動産を占有しているYがXからの引き渡しを求める請求の棄却判決を得るためには、
①対抗要件の抗弁
②対抗要件具備による所有権喪失の抗弁
が考えられる。

・その際Yは、自己が甲動産をAから譲り受けたという事実に加えて、対抗要件を具備するまではXの所有権主張を認めないという主張、又は、AがAY間の売買契約に基づいて甲動産をYに引き渡したことを主張立証する必要がある。


民法択一 物権 物権変動 不動産物権変動における対抗要件主義


・不動産の取得については、当該不動産が未登記であっても177条の適用があり、取得者はその旨の登記を経なければ、取得後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、自己の権利の取得を対抗できない!→AB売買、BがB名義の所有権保存登記をしたうえで、Cにこれを売却し登記をした場合・・・。

・建物が減失した後、その跡地に同様の建物が新築された場合は、旧建物の既存の登記を新建物の保存登記に流用することは許されない!!!!このように流用された登記は新建物の登記としては無効!!

・取消し(詐欺など)の意思表示により土地所有権は元の所有者に復帰し、取消後の買受人とは177条により対抗関係となる。

・仮装の売買契約に基づくもので登記当時には実体的権利関係が欠けているから無効であったが、その後有効に買い受けてその所有権を取得した場合、その時以後当該登記は現在の実体的権利関係と合致するに至ったのであるから有効となり、以後所有権を第三者に対抗できる!!!

・94条2項を根拠に取消後の第三者を保護する見解は、詐欺にかかる法律行為を取消した場合、取消の効力が遡及することを根拠とする!=復帰的物権変動を根拠としない!

・時効取得者は、登記を経由していなくても時効取得を時効完成前の第三者に対抗することができる。

・不動産の取得時効完成後に第三者に譲渡された場合、時効取得者は、登記を経由しなければ時効取得を時効完成後の第三者に対抗することができない。
+なお引き続き時効取得に要する期間占有を継続した場合には、登記なくして対抗できる。

・共有権に対する妨害排除として登記を実体的権利関係に合致させるために請求できるのは、持分についてのみの一部抹消(更正)登記手続きである!!!→被相続人Aから甲不動産をBと共に共同相続したXは、Bが単独相続した旨の登記をしたうえでYに売却し、Yが所有権移転登記を備えた場合、Yに対し、この所有権移転登記の全部抹消を求めることはできない。

・相続放棄の効力は絶対的で、何人に対しても登記なくしてその効力を生ずる。

・遺産の分割は第三者に対する関係においては、相続人が相続によりいったん取得した権利につき分割時に新たな変更を生ずるのと実質上異ならないものであるから、不動産に対する相続人の共有持分の遺産分割による得喪変更については、177条の適用があり、分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なければ、分割後の第三者に対し、自己の権利の取得を対抗することができない。

・特定の財産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言は、特段の事情がない限り、遺産分割方法の指定(908条)であり、当該遺産を相続開始時に直ちに当該相続人に帰属させるものであることを前提に、これによる権利の移転は法定相続分又は指定相続分の相続の場合と本質的に異ならないため、登記なくして第三者に対抗できる!!!!!!!→「甲不動産はXに相続させる」旨の遺言により、Aの死亡時にXが所有権を取得した甲につき、共同相続人Bの債権者YがBに代位してB及びXの法定相続分により共同相続登記をしたうえでBの持分を差し押さえた場合、Xは、甲の所有権取得をYに対抗することができる。

・特定遺贈には177条の適用がある。→被相続人が生前に不動産を推定相続人に贈与したが、その登記未了の間に他の推定相続人に当該不動産を遺贈し、その後相続が開始された場合、贈与と遺贈の物権変動の優劣は、登記の前後で決定される。
+包括遺贈=遺産の全部・全体に対する配分割合を示す
+特定遺贈=遺産のうち特定の財産を示す

・競売の申立てをした相続人の債権者は、相続人の不動産持分に対する差押債権者として177条条にいう第三者に該当し、受遺者は登記がなければ自己の所有権取得をもって相続人の債権者に対抗できない!!→被相続人から不動産の特定遺贈を受けた者が、被相続人が死亡した後、所有権移転登記を備えない間に相続人の債権者が当該不動産について相続人を代位して相続による持分取得の登記をし、強制競売の申立てをした場合、受遺者は、登記なくして相続人の債権者に対抗することはできない!!

・177条の規定は、登記を第三者に対する権利得喪変更の対抗要件としたものであり、権利取得原因が通常の売買である場合と競落手続による場合とを問わず適用される。

・177条にいう「第三者」とは、当事者もしくはその包括承継人以外の者で、不動産に関する物権の得喪及び変更の登記欠缺を主張する正当の利益を有する者をいう。→Aの包括承継人たるCは「第三者」にあたらない。BはCに対し所有権移転登記なくして所有権を主張することができる。

・前主・後主の関係にあった場合も「第三者」に当たらない。→YAXと順次譲渡された場合、XがYに対して土地の引き渡しを請求した場合、Xが所有権移転登記を備えていなくとも、Yは引渡しを拒絶することはできない。

・被相続人が不動産を譲渡した場合、その相続人から当該不動産の譲渡を受けた者は、177条の規定する「第三者」にあたる。

・建物賃貸借契約が合意解除されたにもかかわらず何らの権原もなく家屋を占有する不法占有者は、177条にいう「第三者」には当たらない。→建物所有権を譲り受けるとともに建物賃貸借契約を承継した建物譲受人は、当該賃貸借契約が合意解除されたにもかかわらず、その後も変わらず家屋を占拠し続けている賃借人に対して、登記がなくとも明渡しを求め、損害賠償を請求することができる!。

・いったん登記簿に登記された以上、登記簿が減失し回復登記申請期間を徒過したとしても、これによって過去にさかのぼって未登記の状態になったものと同視しなければならないわけではなく、譲受人は登記の時点で完全に所有権を取得するから、無権利者たる譲渡人から譲り受けた第三者は177条の「第三者」には当たらない!!!!!!→登記なくして対抗できる。

・Aがその不動産にBのために抵当権を設定し、その後AがCに同一不動産を譲渡した場合、Bはその抵当権設定の登記がなければその抵当権取得をCに対抗することができない。←Cは、Bの抵当権取得について当事者もしくはその包括承継人以外の者であって、Bの抵当権が設定された不動産の所有権を正当に取得しているので、Bの抵当権の取得について登記欠缺を主張する正当な利益を有するものとして「第三者」(177条)にあたる。

・背信的悪意者故に「第三者」(177条)に当たらない場合であっても、譲渡人と背信的悪意者の間の売買自体の無効をきたすものではないので、背信的悪意者は無権利者ではない!!→背信的悪意者は無権利であるがゆえに登記の欠缺を主張する正当な利益を有しないわけではない。

・実体的物権変動があった事実を知る者において物権変動についての登記の欠缺を主張することが信義に反するものと認められる事情がある場合には、このような背信的悪意者は、登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有しないものであって、「第三者」(177条)に当たらない。=XはYA間の売買を知る者であり、Yの代理人であったことから背信的悪意者にあたる。

・背信的悪意者に当たるかどうかは当事者ごとに相対的に評価する!!→背信的悪意者からの転得者は、転得者自身が第一譲受人との関係で背信的悪意者と評価されるのでない限り、所有権取得を第一譲受人に対抗できる!!

・通行地役権の承役地が譲渡された場合においても、譲渡の時に承役地が要役地の所有者によって継続的に通路として使用されていることがその位置、形状、構造等の物理的状況から客観的に明らかであり、かつ、譲受人がそのことを認識していたか又は認識することが可能であったときは、承役地の譲受人がそのことを知らなかったとしても特段の事情がない限り、通行地役権者は、登記なくして通行地役権を承役地の譲受人に対抗することができる。
←承役地の譲受人は、地役権登記の欠缺を主張するにおいて正当な利益を有する「第三者」に当たらない!!!
通行地役権の特殊性から、悪意者でない者でも登記の欠缺を主張することが信義に反する場合があると判断したものと解されている。

・取得時効の場合には、(背信的悪意の)悪意の要件が緩和され、時効完成に必要なすべての事実を認識している必要はなく、多年にわたる占有の認識の事実で足りる!!!!!
→時効取得した不動産について、取得時効完成後に当該不動産を譲り受けて所有権移転登記を具備した者が背信的悪意者に当たるというためには、譲渡を受けた時点において、譲受人が多年にわたり当該不動産が占有されている事実を認識しており、登記の欠缺を主張することが信義に反するものといえる事情が存在することが必要である。


民法択一 物権 物権変動 不動産登記


・仮登記は本登記の順位保全効があるにとどまり仮登記のままで本登記を経由したのと同一の効力があるとはいえない。→本登記手続きが終わるまでは、第三者は仮登記権利者の本登記の欠缺を主張し得る第三者に該当し、仮登記権利者は第三者に対し所有権の取得を対抗しえない。

・代物弁済の予約の仮登記を経由した場合に、債権者が所有権を取得するのは予約完結の意思表示をした時(×仮登記を経由したとき)である!!!

・登記手続き請求権の累計 3種類!
物権的登記手続請求権:所有権に基づく移転登記請求
債権的登記手続請求:契約に基づき賃借権設定登記手続き請求
物権変動的登記手続き請求:ABCと順次譲渡された場合、BがAに対して物権変動家庭に沿って登記手続きを請求する場合

・不動産につき贈与を原因とする所有権移転仮登記がなされているにとどまるときは、仮登記権利者が当該不動産の所有権を取得したことはもとより、当該不動産の贈与を受けた事実についても、仮登記の存在のみによってこれを推定することはできない。

・登記の存在により権利の所在が法律上推定されるか?→事実上の推定の効力のみ!!!

・物権的登記手続請求権の請求原因として、自己が所有権を有することを立証することが必要。当該事実について争いがある場合は、原告の現在の所有は立証できなくても、元所有を立証できれば足りる!!

・不動産の買主は、不動産を転売して所有権を喪失した後は、物権的登記手続請求権は失うが、売主に対して、甲土地の債権的登記手続請求権を有している。売買契約に基づく債権的登記手続請求権も時効にかかっている場合、物権変動的登記手続請求権により所有権移転登記手続を請求することもできる。→ABCと順次譲渡され、登記がいまだAにある場合、BはAに対して、自己の下に所有権移転登記手続を請求できる。

・、一種の中間省略登記を認めることになるとも思われるが、判例は、真正な登記名義の回復を原因とする抹消に代わる所有権移転登記請求を認めている!→XがABに土地を二重譲渡、Bが登記。AはBへの所有権移転登記の抹消登記手続きを求めることができるが、BからAへ直接所有権移転登記手続きを請求することもできる。

・真実の権利関係に合致しない登記があるときは、その登記の当事者の一方は他の当事者に対し、登記を真実に合致させることを内容とする登記請求権を有する=他の当事者は登記請求に応じて登記を真実に合致させることに協力する義務を負う。→契約の解除の場合登記の抹消を求めることができる。

・不動産の所有権者でない者が所有権保存登記手続きをして登記記録上所有名義人となった場合、真正の所有権者は、この名義人に対し直接自己への所有権移転登記手続きを求めることができる。

・実体的な権利変動の過程と異なる移転登記を請求する権利は、当然には発生しない!!→ABCとと順に所有権が移転した場合で登記が依然としてAにある場合、現に所有権を有するCは、Aに対して直接自己に移転登記すべき旨を請求することは許されない!!!

・登記の現状が実質的権利関係に合致する場合、登記の抹消を訴求するについての法律上の利益がない者については、中間省略登記の抹消登記手続きは認められない!!!・・・同意なくされた中間省略登記であっっても・・・。(同意していた場合は有効、同意がなくても正当な理由を有するときにしか抹消登記はできないよってこと)

・では、どんな時に中間省略登記の抹消がみ認められるのか?
BCが売買→通常、代金支払いと登記移転は同時履行の関係→Bが代金の支払いを受けていないのにAからCに中間省略登記がなされている場合には、Bがその抹消を求めることができないとすると、Bは同時履行の抗弁権を失うことになる。コンナバアイニミトメラレル。


民法択一 物権 物権変動 契約による物権変動


・特定物売買における所有権移転時期=特約がない限り、契約時に直ちに移転する!

・特定物の売買契約において、特定の日時までに買主が代金を支払わないときには契約が当然に失効する旨の解除条件の特約を当事者間でしていた場合、契約により所有権は当然買主には移転しない!!=解除条件が成立した時に売主に復帰するものでもない。

・物権行為の独自性を認める立場によると、一筆の土地を贈与する契約において、2つの法律行為が存在する。=物権行為をするという債権が発生する債権契約+物件移転そのものに向けられた当事者の合意(物件契約)

・不特定物売買については、原則として目的物が特定した時に(×契約の成立時)(401条2項参照)所有権は当然買主に移転する!!!

・不動産所有権の譲渡をもってする代物弁済による債務消滅の効果は、単に当事者がその意思表示をするだけでは足りず、登記その他引渡行為を完了し、第三者に対する対抗要件を具備したときでなければ生じない!!

・そのことは、代物弁済による所有権移転の効果が、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずるものを妨げるものではない!!!→不動産を目的物とする代物弁済契約による債務の消滅時期と所有権の移転時期は同一とはならない!

・公信の原則=物権変動が存在しないにもかかわらず、真の権利関係と異なる公示が存在する場合、その公示を信頼して取引に入った者に対し、公示どおりの権利関係があったと同様の保護を与える原則。

・公示の原則=物権変動があった場合、その存在を外界から認識し得るものを要求する原則。