民法817条の9 実方と親族関係の終了

民法817条の9 実方と親族関係の終了

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(実方との親族関係の終了)
第八百十七条の九  養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。

・特別養子と実父母(養父母)及びその血族との親族関係が終了する。
=特別養子は実父母の相続人となる資格を失う!!

・近親婚禁止の規定は親族関係が終了した後も適用される(734条2項、735条後段)

・親族関係終了の効果は、特別養子縁組成立の時(審判確定の時)から生ずる。
=出生時に遡及しない。

・特別養子縁組の審判が確定した場合、その子の血縁上の父による、子と戸籍上の父との間の親子関係不存在確認の訴えの利益は消滅する!
しかし、右審判に準再審の事由があるときは訴えの利益は消滅しない!!
+判例(H7.7.14)
理由
 上告代理人安部洋介の上告理由について
 子の血縁上の父は、戸籍上の父と子との間に親子関係が存在しないことの確認を求める訴えの利益を有するものと解されるところ、その子を第三者の特別養子とする審判が確定した場合においては、原則として右訴えの利益は消滅するが、右審判に準再審の事由があると認められるときは、将来、子を認知することが可能になるのであるから、右の訴えの利益は失われないものと解するのが相当である。
 これを本件についてみると、記録によれば、被上告人AをB、同Cの特別養子とする審判(以下「本件審判」という。)が確定していることは明らかであるが、上告人は、被上告人Aが出生したことを知った直後から自分が被上告人Aの血縁上の父であると主張し、同被上告人を認知するために調停の申立てを行い、次いで本件訴えを提起していた上、本件審判を行った福島家庭裁判所郡山支部審判官も、上告人の上申を受けるなどしてこのことを知っていたなどの事情があることがうかがわれる。右のような事情がある場合においては、上告人について民法八一七条の六ただし書に該当する事由が認められるなどの特段の事情のない限り、特別養子縁組を成立させる審判の申立てについて審理を担当する審判官が、本件訴えの帰すうが定まらないにもかかわらず、被上告人Aを特別養子とする審判をすることは許されないものと解されるなぜならば、仮に、上告人が被上告人Aの血縁上の父であったとしても、被上告人Aを特別養子とする審判がされたならば、被上告人Aを認知する権利は消滅するものと解さざるを得ないところ(民法八一七条の九)、上告人が、被上告人Aを認知する権利を現実に行使するためとして本件訴えを提起しているにもかかわらず、右の特段の事情も認められないのに、裁判所が上告人の意思に反して被上告人Aを特別養子とする審判をすることによって、上告人が主張する権利の実現のみちを閉ざすことは、著しく手続的正義に反するものといわざるを得ないからである。
 そして、上告人が被上告人Aの血縁上の父であって、右の特段の事情が認められない場合には、特別養子縁組を成立させる審判の申立てについて審理を担当する審判官が本件訴えの帰すうが定まるのを待っていれば、上告人は、被上告人Aを認知した上で、事件当事者たる父として右審判申立事件に関与することができたはずであって、本件審判は、前記のような事情を考慮した適正な手続を執らず、事件当事者となるべき者に対して手続に関与する機会を与えることなくされたものといわざるを得ないことになる。そうであれば、上告人が被上告人Aの血縁上の父であって右の特段の事情が認められない場合には、本件審判には、家事審判法七条、非訟事件手続法二五条、民訴法四二九条、四二〇条一項三号の準再審の事由があるものと解するのが相当であって、本件審判が確定したことの一事をもって本件訴えの利益は失われたものとした原審の判断は、法令の解釈を誤り、ひいては審理不尽の違法を犯したものといわざるを得ない。この趣旨をいう論旨は理由があるから、原判決は破棄を免れない。そして、以上判示したところに従って更に審理を尽くさせる必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 根岸重治 裁判官 中島敏次郎 裁判官 大西勝也 裁判官 河合伸一)

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2-2 訴訟手続きの開始 訴訟物

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1.訴訟物の意義
原告によって主張される権利自体

2.訴訟物の機能
訴訟物は、これ以上分割することのできない審判対象の最小単位を指す。

3.訴訟物理論
(1)実体法説と訴訟法説
・実体法説
=実体法上の権利を訴訟物とする考え方
→訴訟物の単複異同は、実体法上の権利の単複異同を基準として判断されることになる。

・訴訟法説
=実体法上の権利から距離を置く。

・訴訟法説(一分肢説)
=一定の裁判要求が訴訟物であるとする。
→裁判要求の単複異同を基準として訴訟物の単複異同が判断される。

・訴訟法説(二分肢説)
=裁判要求のみならず事実関係の同一性によっても訴訟物を枠づける考え方

(2)我が国における訴訟物理論の展開
訴訟法説の一種としての新訴訟物理論
我が国の新訴訟物理論は、目的論としての紛争解決説を背景として、紛争の一回的解決を可能とする議論として提唱された。

(3)給付訴訟の訴訟物
・旧訴訟物理論とこれに対する批判と解決
①紛争の蒸し返しのおそれ。
②二重の認容判決のおそれ。
⇔選択的併合(数個の請求のうちいずれかが認容されることを解除条件として他の請求について審判を申し立てること)を認めることで対応が可能。
しかし、常に選択的併合と解するのは処分権主義に反する。
まあ、受訴裁判所の釈明により選択的併合とすることになりそう。釈明に応じなかった場合は後訴の提起を訴訟上の信義則に反するとして却下する対応も。

・新訴訟物理論とこれに対する批判
①裁判所の釈明義務が拡大するおそれ
←一定の給付を受ける地位を基礎付ける法的観点として複数の請求権を想定し得ることがあるが、当事者がそのうちの一部についてしか注意を払っていない場合、裁判所としては残りの請求権およびその要件事実について釈明する義務を負うおそれがある!

②請求認容判決が確定したとしても、新訴訟物理論によるとそこで存在するとされる請求権の実体法上の法的性質が明らかにならない!
→不法行為によるものなのか、債務不履行によるものなのかで相殺が許されるかどうかもかわってくるので、問題が起きる。

(4)確認訴訟の訴訟物
・新旧訴訟物理論のどちらをとっても、実体法上の権利が1個の訴訟物を構成する。
←確認訴訟は実体法上の権利の存否を覚醒することによって紛争を予防し、または、抜本的に解決することを目的とするため

・土地の取得原因
+判例(H9.3.14)
理由
 上告代理人宮﨑富哉の上告理由について
 共同相続人甲、乙、丙のうち甲と乙との間において、ある土地につき甲の所有権確認請求を棄却する旨の判決が確定し、右確定判決の既判力により、甲が乙に対して相続による右土地の共有持分の取得を主張し得なくなった場合であっても、甲は右土地につき遺産確認の訴えを提起することができると解するのが相当である。けだし、遺産確認の訴えは、特定の財産が被相続人の遺産に属することを共同相続人全員の間で合一に確定するための訴えであるところ(最高裁昭和五七年(オ)第一八四号同六一年三月一三日第一小法廷判決・民集四〇巻二号三八九頁、最高裁昭和六〇年(オ)第七二七号平成元年三月二八日第三小法廷判決・民集四三巻三号一六七頁参照)、右確定判決は、甲乙間において右土地につき甲の所有権の不存在を既判力をもって確定するにとどまり、甲が相続人の地位を有することや右土地が被相続人の遺産に属することを否定するものではないから、甲は、遺産確認の訴えの原告適格を失わず、共同相続人全員の間で右土地の遺産帰属性につき合一確定を求める利益を有するというべきである。右と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官根岸重治 裁判官大西勝也 裁判官河合伸一 裁判官福田博)

(5)形成訴訟の訴訟物
・旧訴訟物理論では、形成原因が訴訟物であり、形成原因が異なれば、求める形成結果が同じでも別個の訴訟物を構成する。

・新訴訟物理論では、一定の形成結果を求める法的地位が1個の訴訟物を構成し、かかる地位を基礎づける形成原因が異なる場合も訴訟物の同一性は失われない。


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2-1 訴訟手続きの開始 訴え

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1.訴えの概念
(1)訴えと請求
・訴えとは、
ある者が裁判所に対して、他の者に対する特定の権利または法律関係の主張を提示し、これに基づいて一定の内容及び形式の判決を求める申立てのことを指す。

・請求とは、
原告が被告に対してする特定の権利主張

(2)単一の訴えと併合の訴え
・単一の訴え
=1つの請求についての審判を求める訴え

・併合の訴え
=複数の請求についての審判を求める訴え

(3)独立の訴えと訴訟内の訴え
新たな訴訟手続きを開始させるために提起されるものであるか、既に係属中の訴訟内において、新たな請求についての併合審理を求めるために提起されるものであるか。

2.訴えの類型
(1)給付の訴え
給付の訴えとは、
被告に対する給付請求権の主張に基づいて、被告に対して一定の作為・不作為を命じる判決を求める申し立てのこと

・原告の主張する請求権が事実審の口頭弁論終結時に履行すべき状態にあるか否かで現在給付の訴えと将来給付の訴えに分類される。

・給付の訴えに係る請求を認容する判決は給付判決と呼ばれる。
執行力、既判力を有する。

・給付の訴えに係る請求を棄却する判決は確認判決になる。
権利の存否を既判力によって確定するのみで、執行力や形成力を持たない。

(2)確認の訴え
確認の訴えとは、
特定の権利の存在または不存在の主張に基づいて、当該権利の存否を確認する判決を求める申し立てのこと

・確認の訴えには、紛争の基本となっている権利の存否を既判力によって確定することで、派生紛争を含めた紛争を抜本的に解決する機能がある。

・確認の訴えには、現実の侵害が生じていない段階で権利についての不安を除去するために当該権利の存在を確定することで紛争を予防する機能も認められる。

(3)形成の訴え
・形成の訴えとは、
一定の形成原因の主張に基づいて、裁判所に対して一定の法律関係の変動をもたらす判決を求める申立て

・法律関係は形成判決の確定によって初めて変動するのであるから、この判決の確定前に、形成後の法律関係を別の訴訟において主張したとしても、これが斟酌されることはない。

(4)形式的形成の訴え
・形式的形成訴訟の意義
判決の確定によって法律関係が変動するという点では形成の訴えと共通するが、形成原因が具体的に定められておらず、訴訟物たる形成原因を観念することができないためにどのような判決を下すべきかが裁判官の健全な裁量に委ねられる!!

・合目的的な見地から裁量を行使することになることから、形式的形成訴訟は、実質的には非訟事件である。

公法上の境界確定訴訟
+判例(S43.2.22)
理由
 上告代理人青柳孝夫の上告理由第一点について。
 境界確定の訴は、隣接する土地の境界が事実上不明なため争いがある場合に、裁判によつて新たにその境界を確定することを求める訴であつて、土地所有権の範囲の確認を目的とするものではないしたがつて、上告人主張の取得時効の抗弁の当否は、境界確定には無関係であるといわなければならないけだし、かりに上告人が本件三番地の四二の土地の一部を時効によつて取得したとしても、これにより三番地の四一と三番地の四二の各土地の境界が移動するわけのものではないからである上告人が、時効取得に基づき、右の境界を越えて三番地の四二の土地の一部につき所有権を主張しようとするならば、別に当該の土地につき所有権の確認を求めるべきである。それゆえ、取得時効の成否の問題は所有権の帰属に関する問題で、相隣接する土地の境界の確定とはかかわりのない問題であるとした原審の判断は、正当である。所論引用の判例は、当裁判所の採らないところである。原判決に所論の違法はなく、右と異なる見解に立つ論旨は採用することができない。
 同第二点について。
 本件三番地の四一の土地と三番地の四二の土地の境界がAB線である旨の原審の認定判断は正当であつて、その過程に所論の違法は認められない。論旨は、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものであつて、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田誠)

・原告の主張よりも原告に有利な境界を定めたとしても、246条に反したことにはならない。
・不利益変更の原則も妥当しない。
+判例(S38.10.15)
理由
 上告代理人別府祐六の上告理由一乃至四について。
 上告人が被上告人主張の有刺鉄線を張つて占有している本件四四八坪の土地は被上告人所有の本件九九七番の二山林(後に九九六番の一宅地となる。以下同じ)の一部であり、右土地の明渡を受けるまで被上告人は賃料相当の一箇月金二五〇〇円の損害を蒙るものとした原審認定は、挙示の証拠に照らして首肯し得られる。右認定に関する範囲では、所論は畢竟原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものに帰し、原判決に所論の違法は認められない。従つて所論のうち被上告人の施設物収去土地明渡の反訴請求に関する部分は採用し得ず、その上告は棄却すべきである。
 次に所論一乃至三のうち上告人の土地境界確認の本訴請求に関する部分につき検討する。原判決は、甲第三号証、乙第二号証により、公図上では本件九九八番の八畑及び本件外九九八番の二の土地と本件九九七番の二山林との境界線は直線をなしているとの前提に立ち、これとほぼ合致することを根拠に、原判決添付第二図面の(リ)(チ)の直線を水路まで延長した線を本件九九八番の八畑と本件九九七番の二山林の境界線と認定しているが、右公図たる乙第二号証(或いは甲第三号証)によると、原判決添付各図面記載の道路の南東側では、まず本件九九七番の二山林と本件外九九八番の二畑(或いは九九八番の七畑)が接し、続いて上記両地の境界線(直線)を延長した線を境に本件九九七番の二山林と本件九九八番の八畑が接しているものと認められ、このことは本件記録上殆んど疑がないのである。右によれば、第二図面の(リ)(チ)の線を水路まで延長した線全部が本件九九七番の二山林と本件九九八番の八畑の境界であるのではなく、両地の境界は右線の一部であるということになる。しかるに原判決では、右線のうちどの部分が本件両地の境界であるか不明である(一端すなわち南東端が前記延長線の水路に交わる点であるとしていることは判るが、他の一端すなわち北西端は判明しない)。されば、原判決が第二図画(リ)(チ)の直線を水路まで延長した線を本件両地の境界線と認定しているのについては、理由不備の違法があるものというべく、この点に関し、所論は結局理由があり、原判決中土地境界確認請求に関する部分は破棄すべきである。
 なお、原判決中の右部分につき職権をもつて調査するに、原判決は本件両地の境界につき第一審判決と判断を異にし、自ら証拠により第二図面(リ)(チ)の直線を水路まで延長した線を境界と認定しながら、その認定は第一審判決よりも被上告人に有利な認定であるから、被上告人が不服を申立てていない以上、第一審判決を変更しないとし、よつて上告人の控訴を棄却しているが、右判断には次のような違法があるものと認める。
 境界確定訴訟にあつては、裁判所は当事者の主張に覇束されることなく、自らその正当と認めるところに従つて境界線を定むべきものであつて、すなわち、客観的な境界を知り得た場合にはこれにより、客観的な境界を知り得ない場合には常識に訴え最も妥当な線を見出してこれを境界と定むべく、かくして定められた境界が当事者の主張以上に実際上有利であるか不利であるかは問うべきではないのであり、当事者の主張しない境界線を確定しても民訴一八六条の規定に違反するものではないのである(大審院大正一二年六月二日民事連合部判決、民集二巻三四五頁、同院昭和一一年三月一〇日判決、民集一五巻六九五頁参照)。されば、第一審判決が一定の線を境界と定めたのに対し、これに不服のある当事者が控訴の申立をした場合においても、控訴裁判所が第一審判決の定めた境界線を正当でないと認めたときは、第一審判決を変更して、自己の正当とする線を境界と定むべきものであり、その結果が控訴人にとり実際上不利であり、附帯控訴をしない被控訴人に有利であつても間うところではなく、この場合には、いわゆる不利益変更禁止の原則の適用はないものと解するのが相当である。以上によれば、前記のように、原審が第一審判決と判断を異にし自ら本件両地の境界を認定しながらも、被上告人が不服を申立てていないから、第一審判決を被上告人に有利に変更しないとしているのは正当でなく、原判決中の前記部分は、この点においても破棄を免れない。
 よつて、民訴四〇七条、三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 横田正俊 裁判官 河村又介 裁判官 垂水克己 裁判官 石坂修一 裁判官五鬼上堅磐は海外出張中につき署名押印することができない。裁判長裁判官 横田正俊)

・弁論主義は妥当しない!
←公法上の境界は当事者が自由に処分できる事項ではないということのほかに、形成原因の具体的な定めがないため、弁論主義の対象となるべき主要事実を観念しがたい。

・証明責任も適用されない!
←主要事実が観念しがたいことから、主要事実について審議不明である場合に適用される証明責任の適用も想定しがたい。

・裁判所は、請求棄却判決をすることはできず、すべての事情を総合考慮して、何らかの境界の確定を求めるものである!

(5)類型論の意義

3.訴え定期の方式
(1)訴状の提出と印紙の貼付
・訴えの提起
+(訴え提起の方式)
第百三十三条  訴えの提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。
2  訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一  当事者及び法定代理人
二  請求の趣旨及び原因

(2)訴状の記載事項
上記の記載の欠缺は訴状却下の原因になるため、必要的記載事項である。
+(裁判長の訴状審査権)
第百三十七条  訴状が第百三十三条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律 (昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。
2  前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない
3  前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

・当事者の記載は、原告及び被告が他の者から識別できる程度に特定したものでなければならない。

・法定代理人も訴状において明らかにしなければならない。
実際の訴訟追行者を明らかにするため

・訴訟無能力者に対する文書の送達
+(訴訟無能力者等に対する送達)
第百二条  訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にする。
2  数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その一人にすれば足りる。
3  刑事施設に収容されている者に対する送達は、刑事施設の長にする。

・訴訟代理人の記載については、その欠缺が訴状却下の原因になるという意味での必要的記載事項ではない。

・請求の趣旨
=原告の要求する判決の内容および形式の表示

・請求の原因
=原告による権利主張を特定する事実

(3)請求の特定
・処分権主義の点から、請求の特定は審理をするために不可欠。
請求の特定は、被告にとって防御の対象を明確にし、十分な訴訟追行をする機会を与えるためにも重要。

・金銭の支払を求める給付の訴えにおいては、原告が求める数額を訴状に記載することが必要である。

・金銭債務不存在確認訴訟においては、債務額の明示のない訴状も不適法とまではいえない。

4.訴え定期後の手続
(1)事件の分配と訴状審査
+(裁判長の訴状審査権)
第百三十七条  訴状が第百三十三条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。民事訴訟費用等に関する法律 (昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い訴えの提起の手数料を納付しない場合も、同様とする。
2  前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない
3  前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

(2)訴状の送達
+(訴状の送達)
第百三十八条  訴状は、被告に送達しなければならない。
2  前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。

・訴状が適式であっても、訴えが不適法であることが明らかであり、当事者のその後の訴訟活動によって訴えを適法とすることが全く期待できないような場合、裁判所は被告に送達せずに判決をもって訴えを却下することができる!!!
+判例(H8.5.28)
理由
 上告人の上告理由第五ないし第七点について
 所論は、要するに、第一審裁判所は、本件訴状を被告に送達しないまま、口頭弁論を経ずに訴えを却下し、その判決正本をも被告に送達せず、また、原審裁判所も、同様口頭弁論を経ずに控訴を棄却し、控訴状及び判決正本を被告に送達しなかったが、このような一、二審の判断及び措置は、民訴法一二五条、一九三条一項、二二九条等の規定及び憲法七六条三項、八二条に違背するというのである。
 確かに、訴えが不適法な場合であっても、当事者の釈明によっては訴えを適法として審理を開始し得ることもあるから、そのような可能性のある場合に、当事者にその機会を与えず直ちに民訴法二〇二条を適用して訴えを却下することは相当とはいえないしかしながら、裁判制度の趣旨からして、もはやそのような訴えの許されないことが明らかであって、当事者のその後の訴訟活動によって訴えを適法とすることが全く期待できない場合には、被告に訴状の送達をするまでもなく口頭弁論を経ずに訴え却下の判決をし、右判決正本を原告にのみ送達すれば足り、さらに、控訴審も、これを相当として口頭弁論を経ずに控訴を棄却する場合には、右被告とされている者に対し控訴状及び判決正本の送達をすることを要しないものと解するのが相当である。けだし、そのような事件において、訴状や判決を相手方に送達することは、訴訟の進行及び訴えに対する判断にとって、何ら資するところがないからである。
 ところで、記録によれば、本件訴えは、上告人が、通算老齢年金の支給裁定の変更を求めて提起した訴えについて、第一審裁判所が請求を棄却し、控訴裁判所が控訴を棄却し、最高裁判所が上告を棄却する旨の判決をしたのに対し、国を被告として、更に右判決の無効確認を求めるとともに、右裁定の変更を求めたものであることが明らかである。このように、最高裁判所まで争って判決が確定した後、更に右判決の無効確認を求める訴えは、民事訴訟法上予定されていない不適法な訴えであって、補正の余地は全くないから、このような訴えにつき、訴状において被告とされている者に対し、訴状を送達することなく口頭弁論を経ないで訴えを却下し、その判決を右被告に送達しなかった第一審裁判所の判断及び措置並びに同様に控訴状の送達をせずに口頭弁論を経ないで控訴を棄却し、その判決を被控訴人とされている者に送達しなかった原審の判断及び措置は、いずれもこれを正当として是認することができる。したがって、右措置に、民訴法一二五条、二二九条及び一九三条一項違背の違法はなく、右違法があることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠く。また、右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。原判決及び一、二審の訴訟手続にその余の所論の違法もなく、論旨は採用することができない。
 同第一ないし第四点について
 原判決に所論の違法はない。論旨は、違憲をいう点を含め、独自の見解に立って原審の法令の解釈適用の誤りをいうか、又は原審の判断と関係のない事項をあげて原判決の不当をいうものにすぎず、採用することができない。
 よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官千種秀夫 裁判官園部逸夫 裁判官可部恒雄 裁判官大野正男 裁判官尾崎行信)

(3)口頭弁論期日の指定
+(口頭弁論期日の指定)
第百三十九条  訴えの提起があったときは、裁判長は、口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。


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刑法82条 外患援助

刑法82条 外患援助

(外患援助)
第八十二条  日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の懲役に処する。

・「これに加担して」とは、武力行使をしている外国に、加担し協力することをいう。
結果的に、その外国の利益になったというだけでは足りない。

・「その軍務に服し」とは、外国の軍隊の指揮命令系統に服して活動することをいう。

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刑法81条 外患誘致

刑法81条 外患誘致

(外患誘致)
第八十一条  外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。

・法定刑として死刑のみが規定されている。
66条ないし67条による減軽の余地は当然ある。

・「外国」とは、外国の政府、軍隊等の国家機関を意味する。

・「通謀」とは、意思の連絡であり、合意の成立を意味する。

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刑法80条 自首による刑の免除

刑法80条 自主による刑の免除

(自首による刑の免除)
第八十条  前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。

・内乱の実行行為である暴動に至る前に自首した者に対して、必要的な刑の免除を認める規定。

・総則における自首減軽の規定(42条1号)の特則。

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刑法79条 内乱等幇助

刑法79条 内乱等幇助

(内乱等幇助)
第七十九条  兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の禁錮に処する。

・内乱及び内乱予備・陰謀に対する集団外からの幇助行為を特別の構成要件として規定した。

・本来幇助行為とは、被幇助者の実行を容易にする一切の援助行為を指すと解されるが、品上は例示をしていることから、「その他の行為」もこれに準ずるものに限られる。

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刑法78条 予備及び陰謀

刑法78条 予備及び陰謀

(予備及び陰謀)
第七十八条  内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の禁錮に処する。

・内乱の予備とは、内乱罪の実行を目的とする準備行為であり、武器や資金の調達、参加者を集めるなどの行為がこれに当たる。

・内乱の陰謀とは、内乱罪の実行について、2人以上の者が計画し、合意に達することであり、予備に先行する心理的な通謀の段階を意味する。
単なる抽象的・一般的な合意では足りない。

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1-3 民事訴訟とは何か 訴訟に要する費用とその負担

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1.訴訟に要する費用
(1)訴訟費用の意義

・敗訴者負担の原則
原則として亜、敗訴の当事者が相手方の訴訟費用を含めて負担することになる。

訴訟費用とは、訴訟に要するあらゆる費用のうち、「民事訴訟費用等に関する法律」に定められたもののみをいう。
=原則として、弁護士費用は訴訟費用として定められていない。
←弁護士費用に敗訴者負担を導入すると、勝敗見込みの立たない事件について、訴訟提起が躊躇される危険があるから。

・不法行為訴訟における例外
+判例(S44.2.27)
理由
 上告代理人和田栄重の上告理由第一点について。
 訴外亡A、同B両名が被上告人の印章を使用した事実はあつても、いまだ両名が本件各根抵当権設定契約を締結する代理権を有していたとは認められない旨の原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)認定の事実は、その挙示する証拠関係に照らして首肯することができる。原判決には何等所論の違法はない。それ故、論旨は、いずれも採用しえない。
 同第二点について。
 原判決の確定したところによれば、訴外亡A、同Bが被上告人の代理人と称して第一審判決別紙目録(一)記載の宅地(以下第一物件という。)につき昭和三四年三月二五日被上告人主張の内容の根抵当権を設定した際、これとあわせて貸金債務八〇万円を担保するため停止条件付代物弁済契約を締結して右根抵当権設定登記と同時に所有権移転の仮登記を経たこと、また同じく第一審判決別紙目録(二)記載の建物(以下第二物件という。)につき昭和三四年一〇月一〇日被上告人主張の内容の根抵当権を設定した際、これとあわせて貸金債務六〇万円を担保するため停止条件付代物弁済契約を締結して右根抵当権設定登記と同時に所有権移転の仮登記を経たこと、そして第一、第二物件とも昭和三五年五月二五日被上告人において債務を弁済しなかつたので上告人に所有権が移転したとしてその旨の所有権移転登記がなされたこと、その後被上告人は、上告人に対し右代物弁済契約は訴外A、同Bが被上告人に無断で上告人と締結したものであるから無効であるとして第一、第二物件に対する上告人の所有権取得登記の各抹消登記手続を求める訴を提起し、反面上告人もまた被上告人に対し右代物弁済が有効であることを前提として、第一、第二物件を上告人に明け渡すことを求める訴を提起し、右二つの訴訟は津地方裁判所熊野支部において併合審理された結果、昭和三七年二月五日被上告人の主張どおり第一、第二物件に対する代物弁済契約は、訴外A、同Bが被上告人に無断で締結したものであつて、被上告人にその責任はなく、したがつてこれに基づく代物弁済も無効であるとして、上告人に所有権取得登記の抹消登記手続を命じ、上告人の主張を全面的に排斥した被上告人勝訴の判決がなされ、この判決は同年二月二五日確定したことが認められるというのである。さらに原判決によれば、右第一物件に対する代物弁済契約と極度額八〇万円の根抵当権設定契約とが同一機会になされたものとなつており、また第二物件に対する代物弁済契約と根抵当権設定契約とが同一機会になされたものとなつており、右の如く、そのうちの代物弁済契約が判決をもつて前記理由で無効であると判断されている以上、通常の注意を払えば代物弁済契約と同じく根抵当権設定契約も同様の理由により無効であろうと考えるのは当然であり、また右契約の中間時期に行われたとされている第一物件に対する昭和三四年七月二九日付の根抵当権設定契約も同様の理由で無効ではないかとの疑いを抱くべきが当然であるのにかかわらず、上告人は、前記別件判決が確定した後である昭和三七年一二月一七日たまたま前記各根抵当権設定登記が抹消されていないとの一事に基づき、右根抵当権の存否につき慎重な調査方法を講ずることもなく、あえて津地方裁判所熊野支部に対し第一、第二物件につき不動産競売の申立をしたというのである。そうだとすると、このような事実関係の下においては、上告人は、右競売申立にあたり、前記各根抵当権の不存在について、かりに故意がなかつたとしても、少なくとも社会通念上過失があつたとした原審の判断は正当であるというべきである。しかして、右競売裁判所は、右競売申立に基づき同日競売開始決定をし、さらに競売期日の指定、公告等の手続を進めていたこと原判決の確定するところであるから、被上告人がこの競売手続を阻止する手段を講じなければ、被上告人の第一、第二物件の所有権の行使に一層重大な障害を惹起すること明らかであり、被上告人が右競売手続上の異議の申立等によりその手続の進行を阻止するにとどまらず、かかる根抵当権の実行を窮極的に阻止するため、根抵当権設定登記の抹消登記手続を求める本訴提起に及んだことも、けだしやむをえない権利擁護手段というべきである。
 思うに、わが国の現行法は弁護士強制主義を採ることなく、訴訟追行を本人が行なうか、弁護士を選任して行なうかの選択の余地が当事者に残されているのみならず、弁護士費用は訴訟費用に含まれていないのであるが、現在の訴訟はますます専門化され技術化された訴訟追行を当事者に対して要求する以上、一般人が単独にて十分な訴訟活動を展開することはほとんど不可能に近いのである従つて、相手方の故意又は過失によつて自己の権利を侵害された者が損害賠償義務者たる相手方から容易にその履行を受け得ないため、自己の権利擁護上、訴を提起することを余儀なくされた場合においては、一般人は弁護士に委任するにあらざれば、十分な訴訟活動をなし得ないのである。そして現在においては、このようなことが通常と認められるからには、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。
 ところで、本件の場合、被上告人が弁護士Cに本件訴訟の追行を委任し、その着手金(手数料)として支払つた一三万円が本件訴訟に必要な相当額の出捐であつたとの原審の判断は、その拳示する証拠関係および本件記録上明らかな訴訟経過に照らし是認できるから、結局、右出捐は上告人の違法な競売申立の結果被上告人に与えた通常生ずべき損害であるといわなければならない。したがつて、これと同趣旨の原審の判断は正当である。さらに、上告人の過失相殺の主張を排斥した原審の事実認定も正当として首肯することができる。結局、原判決には何等所論の違法がなく、論旨はすべて採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 松田二郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 岩田誠 裁判官 大隅健一郎)

・労働契約上の安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求事件においても、弁護士費用を安全配慮義務違反と相当因果関係に立つ損害と認めた。

(2)訴訟費用の種類
・裁判費用
=裁判所が司法サービスの提供に要する費用

・当事者費用
=当事者が自ら支出する費用のうち、訴訟費用として法定されているもの。

2.訴訟費用負担の確定
(1)訴訟費用の負担者
・訴訟費用は原則として敗訴者負担
+(訴訟費用の負担の原則)
第六十一条  訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。

・一部敗訴の場合は、各当事者の負担の範囲は裁判所の裁量で決める
+(一部敗訴の場合の負担)
第六十四条  一部敗訴の場合における各当事者の訴訟費用の負担は、裁判所が、その裁量で定める。ただし、事情により、当事者の一方に訴訟費用の全部を負担させることができる。

・勝訴の当事者が、不必要な行為をした場合や、訴訟を遅延させた場合には、裁判所は、訴訟行為の一部または全部を負担させることができる。
+(不必要な行為があった場合等の負担)
第六十二条  裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
(訴訟を遅滞させた場合の負担)
第六十三条  当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。

・共同訴訟人間の訴訟費用の分担
+(共同訴訟の場合の負担)
第六十五条  共同訴訟人は、等しい割合で訴訟費用を負担する。ただし、裁判所は、事情により、共同訴訟人に連帯して訴訟費用を負担させ、又は他の方法により負担させることができる。
2  裁判所は、前項の規定にかかわらず、権利の伸張又は防御に必要でない行為をした当事者に、その行為によって生じた訴訟費用を負担させることができる。

・法定代理人、訴訟代理人等の故意・重過失による費用
+(法定代理人等の費用償還)
第六十九条  法定代理人、訴訟代理人、裁判所書記官又は執行官が故意又は重大な過失によって無益な訴訟費用を生じさせたときは、受訴裁判所は、申立てにより又は職権で、これらの者に対し、その費用額の償還を命ずることができる。
2  前項の規定は、法定代理人又は訴訟代理人として訴訟行為をした者が、その代理権又は訴訟行為をするのに必要な授権があることを証明することができず、かつ、追認を得ることができなかった場合において、その訴訟行為によって生じた訴訟費用について準用する。
3  第一項(前項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(2)訴訟費用確定の手続
・訴訟費用負担の裁判
裁判所は終局判決の主文において、同時に、その審級における訴訟費用の全部について、その負担を裁判する。
+(訴訟費用の負担の裁判)
第六十七条  裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。
2  上級の裁判所が本案の裁判を変更する場合には、訴訟の総費用について、その負担の裁判をしなければならない。事件の差戻し又は移送を受けた裁判所がその事件を完結する裁判をする場合も、同様とする。

・訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立の上訴は認められない(282条、313条)
+(訴訟費用の負担の裁判に対する控訴の制限)
第二百八十二条  訴訟費用の負担の裁判に対しては、独立して控訴をすることができない。
+(控訴の規定の準用)
第三百十三条  前章の規定は、特別の定めがある場合を除き、上告及び上告審の訴訟手続について準用する。

・裁判所書記官による費用額の決定
+(訴訟費用額の確定手続)
第七十一条  訴訟費用の負担の額は、その負担の裁判が執行力を生じた後に、申立てにより、第一審裁判所の裁判所書記官が定める。
2  前項の場合において、当事者双方が訴訟費用を負担するときは、最高裁判所規則で定める場合を除き、各当事者の負担すべき費用は、その対当額について相殺があったものとみなす。
3  第一項の申立てに関する処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。
4  前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。
5  前項の異議の申立ては、執行停止の効力を有する。
6  裁判所は、第一項の規定による額を定める処分に対する異議の申立てを理由があると認める場合において、訴訟費用の負担の額を定めるべきときは、自らその額を定めなければならない。
7  第四項の異議の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3.資力が不十分な当事者の救済制度
(1)訴訟救助
一定の要件を満たす当事者に対し、訴訟費用の支払いを猶予する制度
+(救助の付与)
第八十二条  訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者又はその支払により生活に著しい支障を生ずる者に対しては、裁判所は、申立てにより、訴訟上の救助の決定をすることができるただし、勝訴の見込みがないとはいえないときに限る
2  訴訟上の救助の決定は、審級ごとにする。

+(救助の効力等)
第八十三条  訴訟上の救助の決定は、その定めるところに従い、訴訟及び強制執行について、次に掲げる効力を有する。
一  裁判費用並びに執行官の手数料及びその職務の執行に要する費用の支払の猶予
二  裁判所において付添いを命じた弁護士の報酬及び費用の支払の猶予
三  訴訟費用の担保の免除
2  訴訟上の救助の決定は、これを受けた者のためにのみその効力を有する。
3  裁判所は、訴訟の承継人に対し、決定で、猶予した費用の支払を命ずる。

(2)法律扶助
一定の範囲で弁護士費用などの立替えを行う。


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民法817条の8 監護の状況

民法817条の8 監護の状況

(監護の状況)
第八百十七条の八  特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
2  前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない

・試験養育を考慮するということ。

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