民法795条 配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組 家族法 親族 親子

民法795条 配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組

(配偶者のある者が未成年者を養子とする縁組)
第七百九十五条  配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない

・未成年者を養子とする場合には夫婦共同縁組が原則!

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民法794条 後見人が被後見人を養子とする縁組

民法794条 後見人が被後見人を養子とする縁組

(後見人が被後見人を養子とする縁組)
第七百九十四条  後見人が被後見人(未成年被後見人及び成年被後見人をいう。以下同じ。)を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。後見人の任務が終了した後、まだその管理の計算が終わらない間も、同様とする。

・後見人の任務が終了した後でも家庭裁判所の許可を要する!

・後見人が被後見人の財産管理に関する不正を隠ぺいする手段として縁組を用いることの内容に家庭裁判所の許可を要するものとした。


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民法793条 尊属又は年長者を養子とすることの禁止 家族法 親族 親子

民法793条 尊属又は年長者を養子とすることの禁止

(尊属又は年長者を養子とすることの禁止)
第七百九十三条  尊属又は年長者は、これを養子とすることができない。

・養親の双方とも養子よりも年長であることが必要!!


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民法792条 養親となる者の年齢 家族法 親族 親子

民法792条 養親となる者の年齢

(養親となる者の年齢)
第七百九十二条  成年に達した者は、養子をすることができる。

・養子縁組が重大な身分関係の設定をともないかつ、養子を養育し、その上に親権を行使するには十分な法律行為をなすことのできる判断能力が必要とされるため、成年者を養親適格者とした。

・縁組意思とは、社会通念上親子と認められる関係を成立させるという意思をいう(実質的意思説)

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民法791条 子の氏の変更 家族法 親族 親子

民法791条 子の氏の変更

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(子の氏の変更)
第七百九十一条  子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる
2  父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる
3  子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、前二項の行為をすることができる。
4  前三項の規定により氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、従前の氏に復することができる

・子の福祉・利益を尊重する観点から、非嫡出子の父の氏への変更を許可した判例
+判例(大阪高決9.4.25)
   理  由
第1 本件即時抗告の趣旨及び理由は別紙「即時抗告申立書」(写し)記載のとおりである。
第2 当裁判所の判断
 1 原審判1枚目裏11行目から3枚目裏10行目までを、次のとおり、付加、訂正の上引用する。
  (1) 文中「申立人」とあるを「抗告人」と訂正する。
  (2) 2枚目表末行「現在通園中の」とあるを「通園していた」と、同裏4行目「混乱し、」とあるを「混乱したこともあって、」と、同6行目「入学する予定の」とあるを「入学した」と各訂正する。
  (3) 3枚目表1行目と2行目の間に次のとおり付加する。「父は、既に平成2年6月27日、浩子の要求に応じて、浩子の自宅(もともと父が浩子ら家族と共同生活を営んでいた居宅)の土地・建物の各2分の1の持分を浩子に贈与して、その旨の持分移転登記も了しており、抗告人は、同訴訟における和解に際し、残りの2分の1の持分を移転するほか、将来支給されることの予定されている退職金3000万円弱の約3分の1である1000万円を支払う旨申し出ており、本件申立てが認容されてもこの申出を維持し、和解には積極的に対応する意向を表明している。」
  (4) 3枚目裏2行目「帰宅を求めたが、」とあるを「明のためにも帰宅することを求めたが、」と訂正し、同8行目「話したこと」の次に「(ただし、母との内縁関係、抗告人の存在は話していない。)」を付加する。
 2 上記認定事実に基づいて検討する。
 抗告人は、出生以来約6年間余父と同居して父の氏を通称として使用し続けており、小学校においては、教育的配慮から父の氏を通称として使用することを受け入れる見込みであり、その結果さしあたっては不都合を来していないように窺われるものの、戸籍上と異なる氏を使用していくことが今後の生活上さまざまな支障をきたす可能性があり、また、日常使用している氏が戸籍上の氏と異なることを知り、しかもその変更が認められないまま推移することが抗告人に重大な精神的負担を与え、その健全な人格の形成に悪影響を及ぼす可能性もあることは否定できないのであって、抗告人が父の戸籍に入籍する利益は大きいものというべきである。また、父の戸籍の身分事項欄には、抗告人を認知した旨の記載が既にされており、現在でも戸籍を確認すれば抗告人の存在は容易に認識することができるのであるから、抗告人が父の戸籍に入籍されること自体で、明の将来の就職や婚姻に支障をきたす可能性は少ないし、既に無事結婚式を済ませた久美の婚姻生活に支障をきたす可能性も少ないのであって、明や久美に重大な心理的影響を与える可能性も少ないというべきである。
 もっとも、父の別居の主たる原因は、父の不貞行為であり、明が父の別居後精神的に不安定な状態に陥ったことに対する父としての積極的な関わりはほとんどなく、明との対応を浩子に任せる結果となり(特に、明が精神的に不安定な状態に陥った直後に父が関わりを持たなかったことは大いに非難されるべきである。)、その間、父は、浩子との婚姻関係を修復する努力を惜しんだこと等の事情に鑑み、浩子の反対を単なる主観的感情に基づくものということはできない。
 しかし、父と浩子の関係が修復される可能性は現時点ではとうてい期待できず、父と母及び抗告人の共同生活関係はさらに定着していくものと推認される。また、父と浩子の間では、離婚訴訟が係属しているが、和解の目処が立っておらず、早晩決着する見込みが乏しいし、本件申立てを認容しても、父は、浩子と離婚することはできず、したがって、母と婚姻することもできないのであるから、本件申立てを認容することが上記離婚訴訟や和解に影響を与える可能性も大きくはないというべきである。
 以上によれば、現段階に至っては、子の福祉、利益を尊重する観点から、抗告人の氏を父の氏に変更することを許可するのが相当というべきである。
 3 よって、抗告人の本件申立ては理由があるからこれを認容すべきであり、これと異なる原審判を取り消し、抗告人の氏を父の氏に変更することを許可することとして、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 中田耕三 裁判官 高橋文仲 中村也寸志)

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民法790条 子の氏 家族法 親族 親子

民法790条 子の氏の変更

(子の氏)
第七百九十条  嫡出である子は、父母の氏を称する。ただし、子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏を称する。
2  嫡出でない子は、母の氏を称する

・氏とは
姓名のうち、姓を法律上の氏という。

・氏の取得とは
生まれて初めて取得する氏の生来取得または原始取得をいう。

・非嫡出子は出生により母の氏を称する(790条2項)
→退治中に父に認知されていても出生により取得する氏は母の氏!!!!
嫡出でない子は、その父が認知と同時に届出・改名手続をしないかぎり、父の氏を称することはできない!!

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民法789条 準正 家族法 親族 親子

民法789条 準正

(準正)
第七百八十九条  父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
2  婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
3  前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。

・父が認知した子は、父母の婚姻時から嫡出子の身分を取得する(1項)
認知時から嫡出子の身分を取得するわけではない!

・婚姻中の父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する(2項)
規定によると父母が認知したときから嫡出子の身分を取得することになる。
しかし、通説は相続分に違いが生ずる恐れがあることから、婚姻時から嫡出子の身分を取得すると考えている!!!

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民法788条 認知後の子の監護に関する事項の定め等 家族法 親族 親子

民法788条 認知後の子の監護に関する事項の定め等

(認知後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百八十八条  第七百六十六条の規定は、父が認知する場合について準用する。

・認知をする場合において、子の監護をすべき者、父または母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項について定める。

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民法787条 認知の訴え 家族法 親族 親子

民法787条 認知の訴え


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(認知の訴え)
第七百八十七条  子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない

・認知の訴えの性質は形成訴訟

・3年に制限
←証拠が不明確になるばかりか、濫用による弊害も生じるから。

・原告は
子、その直系卑属、これらの者の法定代理人
子の直系卑属は子の生存中は認知の訴えを提起しえない!!!!

・被告は

父の死後は検察官

・認知を求められた父の原告以外の子は、認知の訴えの当事者適格は有さない。ゆえに、父が子から強制認知させられた場合、認知訴訟の再審理である再審を別の子が求めることはできず、補助参加できるにすぎない!
+判例(H1.11.10)
理由
 上告人Aの代理人原口酉男、同竹之下義弘、同松尾紀男の上告理由について
 一 原審は、(一) 上告人Aは、B、Cの長女として戸籍に記載されているところ、昭和五五年一〇月一五日、福岡地方検察庁検事正を被告として、同上告人とB、Cとの間に親子関係が存在しないことの確認及び同上告人がDの子であることの認知を求めて、福岡地方裁判所に訴えを提起した、(二) 福岡地方裁判所は、上告人Aが提出した戸籍謄本及び同上告人が申請した証人二名を取り調べたうえ、昭和五六年二月二六日、同上告人の請求を全部認容する旨の判決を言い渡し、右判決は、昭和五六年三月一六日の経過をもって確定した(福岡地方裁判所昭和五五年(タ)第七〇号、右判決を以下「本件確定判決」という。)、(三) 被上告人らはDの子又は養子であるが、右認知請求事件について、訴訟告知を受けず、証人としての呼出しを受けず、また、検察官から事情を聴取されたこともなく、右判決が確定するまで訴訟の係属すら知らなかったとの各事実を適法に確定したうえ、憲法三二条の趣旨及び人事訴訟手続における真実発見の目的に照らして、被上告人らの救済を考えるべきであり、認知の確定判決を第三者が再審の手続で争う余地があると解されること(最高裁昭和二六年(オ)第八〇八号同二八年六月二六日第二小法廷判決・民集七巻六号七八七頁)、職権審理が行われ、処分又は裁決を取り消す判決に対世効を認める行政事件訴訟(行政事件訴訟法二四条、三二条)では、判決により権利を害された第三者で、自己の責に帰することができない理由により訴訟に参加することができなかった者は、一定の条件の下に再審の訴えをもって不服の申立をすることが認められていること(同法三四条、二二条)、右規定は憲法三一条、三二条の精神に則ったものであることから、本件においても、責に帰すべき事由なくして本件認知請求訴訟の係属を知らず、参加その他の方法で右事件の審理に関与する機会を与えられなかった被上告人らは、行政事件訴訟法三四条の規定を類推適用して、再審手続をもって本件確定判決を争うことができるものと解すべく、再審事由については、自己の責に帰することができない事由により訴訟に参加することができず、実質的に裁判を受ける権利を奪われたという意味で、民訴法四二〇条一項三号、四二五条の規定を類推適用することが相当であるとして、本件確定判決のうち上告人Aの認知請求を認容した部分に関して、被上告人らの再審請求を棄却した一審判決を取り消し、右部分を第一審裁判所に差し戻した。

 二 しかし、右判断を是認することはできない。その理由は、次のとおりである。すなわち、検察官を相手方とする認知の訴えにおいて認知を求められた父の子は、右訴えの確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有するものではないと解するのが相当である。
 けだし、民訴法に規定する再審の訴えは、確定判決の取消し及び右確定判決に係る請求の再審理を目的とする一連の手続であって(民訴法四二七条、四二八条)、再審の訴えの原告は確定判決の本案についても訴訟行為をなしうることが前提となるところ、認知を求められた父の子は認知の訴えの当事者適格を有せず(人事訴訟手続法三二条二項、二条三項)、右訴えに補助参加をすることができるにすぎず、独立して訴訟行為をすることができないからである。なるほど、認知の訴えに関する判決の効力は認知を求められた父の子にも及ぶが(同法三二条一項、一八条一項)、父を相手方とする認知の訴えにおいて、その子が自己の責に帰することができない事由により訴訟に参加する機会を与えられなかったとしても、その故に認知請求を認容する判決が違法となり、又はその子が当然に再審の訴えの原告適格を有するものと解すべき理由はなく、この理は、父が死亡したために検察官が右訴えの相手方となる場合においても変わるものではないのである検察官が被告となる人事訴訟手続においては、真実の発見のために利害関係を有する者に補助参加の機会を与えることが望ましいことはいうまでもないが、右訴訟参加の機会を与えることなしにされた検察官の訴訟行為に瑕疵があることにはならず、前示当審判例は、第三者が再審の訴えの原告適格を有する余地のあることを判示したものと解すべきものではなく、更に、行政事件訴訟とは対象とする法律関係を異にし、再審の訴えをもって不服申立をすることが許される第三者には共同訴訟参加に準じた訴訟参加を許す旨の行政事件訴訟法二二条のような特別の規定のない人事訴訟手続に、行政事件訴訟法三四条の第三者の再審の訴えに関する規定を類推適用することはできない
 三 そうすると、本件確定判決中認知請求に関する被上告人らの再審の訴えを許容した原判決には、再審の訴えの原告適格に関する法令の解釈適用を誤った違法があり、右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、論旨は理由があり、原判決中右の部分は破棄を免れない。そして、前示のとおり被上告人らの本件再審の訴えは不適法であるから、右請求を棄却した第一審判決を取り消し、被上告人らの訴えを却下すべきものである。
 よって、民訴法四〇八条、三九六条、三八六条、九六条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 香川保一 裁判官 牧圭次 裁判官 島谷六郎 裁判官 藤島昭 裁判官 奧野久之)

・出訴期間は
父の生存中はいつでも可能
父の死亡の日から3年を経過すると不可

・胎児に認知請求権はない!!

・認知請求権の放棄契約は無効!!

・嫡出でない子と父との間の法律上の親子関係は認知によらずに父子関係存在確認の訴えを提起できない!

・認知の訴え(787条)にかかる訴訟は人事訴訟(人事訴訟法2条2号)にあたり、その確定判決は、民事訴訟法115条1項の規定にかかわらず第三者に対してもその効力を有する(人事訴訟法24条1項)

・卵子の提供と母子関係
+判例(H19.3.23)
要旨
1.一 民法が実親子関係を認めていない者の間にその成立を認める内容の外国裁判所の裁判は、我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものであり、民事訴訟法118条3号にいう公の秩序に反するといわなければならない。
二 現行民法の解釈としては、出生した子を懐胎し、出産した女性をその子の母と解さざるをえず、その子を懐胎、出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない。


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民法786条 認知に対する反対の事実の主張 家族法 親族 親子

民法786条 認知に対する反対の事実の主張

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(認知に対する反対の事実の主張)
第七百八十六条  子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。

・認知意思を欠く場合には認知は無効。
ex
認知者(父)の意思によらずに父以外の者が父の氏名を冒用して認知届を出した場合には、たとえ真実の父子関係があるときであっても認知意思を欠くものとして認知は無効。

・任意認知が真実に反する場合(=認知者と被認知者が血縁上の親子関係ではない場合)には無効である(786条)

・認知後50数年を経過した時点での認知無効の訴えも権利濫用に当たらない!

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