民法779条 認知 家族法 親族 親子

民法779条 認知


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(認知)
第七百七十九条  嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

・任意認知と強制認知(認知の訴え)がある。

・母の認知は不要である
←非嫡出母子関係は分娩の事実により当然に生じる

・強制認知の性質は形成訴訟である。
+判例(S29.4.30)
理由
 上告代理人の上告理由について、
 認知の訴は、昭和一七年の民法の改正により、父母の死後も提起できることになり、法文も「父又ハ母ニ対シ認知ヲ求ムルコトヲ得」とあつたのを、離婚や離縁の訴と同じように「認知ノ訴ヲ提起スルコトヲ得」と改められ(旧民法八三五条)、それと同趣旨が現行法に引き継がれたものと解すべきであり(民法七八七条)、またこの訴につき言い渡された判決は、第三者に対しても効力を有するのであり(人訴三二条、一八条)、そして認知は嫡出でない子とその父母との間の法律上の親子関係を創設するものであること等を考えると、認知の訴は、現行法上これを形成の訴であると解するのを相当とする。本件において、第一審判決の主文は、「被告は原告を認知すべし」と判示して、あたかも被告(上告人)に対し認知の意思表示を命じたかのような文言を用いてあることは所論のとおりであるが、右判決の趣旨とするところは、要するに原告(被上告人)の被告に対する認知請求権の存在することを認め、これによつて両者間に法律上の親子関係を発生せしめることを宣言したものに外ならないと云うことができるのであつて、結局用語が妥当でなかつたにすぎない。そして原判決もまたこの趣旨の下に控訴を棄却したものと認められるから、原判決には所論のような法令の違背はなく、論旨は採るをえない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

・嫡出でない子と父との間の法律上の親子関係は認知によってはじめて発生し、非嫡出子は認知によらずに父子関係存在確認の訴えを提起できない!
+判例(H2.7.19)
理由
 上告代理人○○○○の上告理由について
 嫡出でない子と父との間の法律上の親子関係は、認知によってはじめて発生するものであるから、嫡出でない子は、認知によらないで父との間の親子関係の存在確認の訴えを提起することができない。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論引用の判例は、右のような訴えの提起を認める趣旨を判示したものとはいえない。論旨は、違憲をいう点を含め、ひっきょう、独自の見解に立って原審の右判断における法令の解釈適用の誤りをいうものにすぎず、採用することができない。
 よって、民訴法401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 大内恒夫 裁判官 角田禮次郎 裁判官 四ツ谷巖 裁判官 大堀誠一 裁判官 橋元四郎平)

・任意認知は認知する子が他人の嫡出子として戸籍に記載されている場合は、それが事実に反することを明らかにしてからでなければすることができない。
←戸籍管理者は形式的審査権しかなく、真実の親子関係の有無を審査することができないから。
→嫡出推定が及んでいると、推定が破られない限り、他の男性が認知できないし、子の側からの認知の訴えもできない。


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