民法択一 物権 所有権 物権的請求権


・物権的請求権は物権に随伴する。物権的請求権のみを債権のように譲渡することはできない。

・賃貸借契約の成立による占有権原の抗弁
賃貸借契約の成立要件は、目的物の賃借、すなわち使用収益させる旨及びその対価として賃料を支払う旨の合意のみであるが(601条)、同契約に基づく土地の占有権原を主張する場合は、占有の適法性を根拠付けるため、合意に基づき目的物の引き渡しを受けた旨も要件事実となる。

・地上権の成立による占有権原の抗弁
要件事実は地上権の設定を受ける旨の合意と、基づく引渡し
地上権設定登記をした事実を主張立証しても、請求棄却判決を得ることはできない!
=登記は事実上の推定力を有するにすぎず、地上権の設定登記を受けた事実を主張立証しても
、それにより適法に地上権の設定があったことは推定されず、請求棄却の判決を得ることはできない。

・他人の土地を占有する権原がないにもかかわらず、その土地上に建物を所有し、これを第三者に賃貸している賃貸人は、当該建物の間接占有者であるから、当該土地を不法に占有する者にほかならず、当該土地の所有者は、賃貸人に対して、所有権に基づき、当該土地の返還を請求することができる。

・土地の所有権に基づく物上請求権の訴訟においては、現実に家屋を所有することによって現実にその土地を占有して土地の所有権を侵害している者を被告としなければならない!
+建物所有者と登記名義人が異なる場合も原則として同様。

・同時履行の抗弁(633条本文)や留置権の抗弁(295条1項)の法的性質は権利抗弁である。
→請負代金債権の弁済があるまでは、甲土地を引き渡さないとの権利主張が必要。→認められたら引換給付判決。

・建物の所有権を有しない者は、たとえ、所有者との合意により、建物につき自己のための所有権保存登記をしていたとしても、建物を収去する機能を有しないから、建物の敷地所有者の所有権に基づく請求に対し、建物収去義務を負うものではない。!!(=原則は現実の建物所有者とすべきってこと。)
+なお、一定の要件のもと例外アリ!下へ↓

・他人の土地上に無権原で建てられた建物の所有権を取得した者が、自らの意思に基づいて所有権取得の登記を経由した場合、その者は、建物を他に譲渡しても引き続き登記名義を保有しているときは、土地所有者に対し、譲渡による建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡の義務を免れることはできない!!!

・土地の所有者は、その土地に起因して、隣地所有者の権利を侵害し又は侵害の危険を生じさせている場合には、その侵害又は危険が自己の行為に基づくものと否とを問わず、その侵害の除去又は侵害の危険を防止すべき義務がある。!!!
+隣地との境界線上から垂直に約2尺4寸掘下げて素畑地を水田にしたため、隣地の土砂が水田内に崩壊し、かつ境界より約1間を隔てて人の住居に供する家屋が存し、隣地の地質が砂地のため自然崩壊の危険があるときは、隣地所有者は危険の防止に必要な相当設備を請求する権利がある。