民法択一 物権 所有権 所有権の内容


・土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる(209条1項本文)

・隣地所有者の承諾(同項ただし書き)が得られない場合には、裁判所に請求して承諾に代わる判決を求めたうえで、立ち入ることができる(414条2項ただし書き)

+414条2項
債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思に代えることができる。

・袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者又はこれにつき利用権を有する者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。

・分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地(残余地)のみを通行することができ、償金の支払いを要しない(213条1項)。

・公道に至るための他の土地の通行権は、残余地について特定承継が生じた場合にも消滅するものではない!

・他人の設置した給排水設備をその給排水のため使用することが他の方法に比べて合理的であるときは、その使用により当該給排水設備に予定される効用を著しく害するなどの特段の事情がない限り、220条及び221条の類推適用により、当該給排水設備を使用することができる。フム
=宅地の所有者が、他の土地を経由しなければ、水道事業者の敷設した排水管から当該宅地に給水を受け、その下水を公流、下水道まで排出することができない場合、当該宅地の給排水のために、他人の設置した給排水設備を使用することができる場合がある!

・他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができ(210条1項)、この通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる(211条2項)。