民法734条 家族法 親族 婚姻

民法734条

(近親者間の婚姻の禁止)
第七百三十四条  直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない
2  第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

・優生学的な配慮、倫理学的な配慮から規定された。

・「養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない」

養親の子や孫との結婚は許される。
養親の弟との結婚も許される。

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民法733条 家族法 親族 婚姻

民法733条

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(再婚禁止期間)
第七百三十三条  女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2  女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

・前婚の夫と再婚する場合には本条は適用されない。

・取消権者は(744条2項)
各当事者・親族・検察官・前夫

・733条は憲法に反しない

+判例(H7.12.5)
理由
 上告人らの上告理由第一ないし第四点について
 国会議員は、立法に関しては、原則として、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではなく、国会ないし国会議員の立法行為(立法の不作為を含む。)は、立法の内容が憲法の一義的な文言に違反しているにもかかわらず国会があえて当該立法を行うというように、容易に想定し難いような例外的な場合でない限り、国家賠償法一条一項の適用上、違法の評価を受けるものでないことは、当裁判所の判例とするところである(最高裁昭和五三年(オ)第一二四〇号同六〇年一一月二一日第一小法廷判決・民集三九巻七号一五一二頁、最高裁昭和五八年(オ)第一三三七号同六二年六月二六日第二小法廷判決・裁判集民事一五一号一四七頁)。
 これを本件についてみると、上告人らは、再婚禁止期間について男女間に差異を設ける民法七三三条が憲法一四条一項の一義的な文言に違反すると主張するが、合理的な根拠に基づいて各人の法的取扱いに区別を設けることは憲法一四条一項に違反するものではなく、民法七三三条の元来の立法趣旨が、父性の推定の重複を回避し、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあると解される以上、国会が民法七三三条を改廃しないことが直ちに前示の例外的な場合に当たると解する余地のないことが明らかである。したがって、同条についての国会議員の立法行為は、国家賠償法一条一項の適用上、違法の評価を受けるものではないというべきである。
 そして、立法について固有の権限を有する国会ないし国会議員の立法行為が違法とされない以上、国会に対して法律案の提出権を有するにとどまる内閣の法律案不提出等の行為についても、これを国家賠償法一条一項の適用上違法とする余地はないといわなければならない
 論旨は、独自の見解に基づいて原判決の国家賠償法の解釈適用の誤りをいうか、又は原判決を正解しないで若しくは原審で主張しなかった事由に基づいて原判決の不当をいうに帰し、採用することができない。
 同第五点について
 上告人らの被った不利益が特別の犠牲に当たらないことは、当裁判所の判例の趣旨に照らして明らかである(最高裁昭和三七年(あ)第二九二二号同四三年一一月二七日大法廷判決・刑集二二巻一二号一四〇二頁参照)。したがって、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官千種秀夫 裁判官園部逸夫 裁判官可部恒雄 裁判官大野正男 裁判官尾崎行信)

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民法732条 家族法 親族 婚姻

・民法732条

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(重婚の禁止)
第七百三十二条  配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。

・重婚関係が生じた場合、後婚については取消原因になる(744条)。前婚については離婚原因になる(770条1項1号5号)

・前婚が相手方配偶者の死亡もしくは離婚によって解消になった場合は、後婚の重婚状態は治癒され、もはや取り消しえなくなる

+判例(S57.9.28)
理由
 上告代理人阪本政敬、同川崎裕子、同北尻得五郎、同松本晶行、同池上健治、同布谷武治郎の上告理由について
 重婚の場合において、後婚が離婚によつて解消されたときは、特段の事情のない限り、後婚が重婚にあたることを理由としてその取消を請求することは許されないものと解するのが相当である。けだし、婚姻取消の効果は離婚の効果に準ずるのであるから(民法七四八条、七四九条)、離婚後、なお婚姻の取消を請求することは「特段の事情がある場合のほか、法律上その利益がないものというべきだからである。
 これを本件についてみるのに、原審の適法に確定したところによれば、上告人と被上告人A間の前婚についての協議離婚が無効とされた結果、右協議離婚届出後にされた被上告人Aと同B間の後婚が被上告人Aにつき前婚との関係で重婚となるに至つたものの、前婚の配偶者である上告人が右重婚を理由に提起した後婚の取消を求める本訴の係属中に右後婚が離婚によつて解消されたというのであるから、他に特段の事情について主張立証のない本件においては、重婚を理由として後婚の取消を求めることはもはや許されないものといわなければならない。これと同旨の原審の判断は結論において正当として是認することができる。論旨は、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官 木戸口久治 裁判官 横井大三 裁判官 伊藤正己 裁判官 寺田治郎)

・取消権者は
各当事者・親族・検察官・当事者の配偶者、前配偶者


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民法730条 家族法 親族 親族総則

民法730条

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(親族間の扶け合い)
第七百三十条  直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

・この規定は877条と異なり倫理的な規定である。
参考
+(扶養義務者)
第八百七十七条  直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2  家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3  前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。


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民法729条 家族法 親族 親族総則

(離縁による親族関係の終了)
第七百二十九条  養子及びその配偶者並びに養子の直系卑属及びその配偶者と養親及びその血族との親族関係は、離縁によって終了する。

・縁組後に生まれた子と養親、その血族との間の血族関係も終了する。

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民法728条 家族法 親族 親族総則

(離婚等による姻族関係の終了)
第七百二十八条  姻族関係は、離婚によって終了する。
2  夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。

・死亡により婚姻が解消しても、生存配偶者が姻族関係終了の意思表示をしない限り、姻族関係は当然には終了しない
→死亡配偶者の血族の側から姻族関係を終了させることはできない。

・氏について
離婚の場合は、当然に復氏(767条1項)
死別の場合は、復氏の意思表示があれば復氏(751条1項)

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民法727条 家族法 親族 親族総則

(縁組による親族関係の発生)
第七百二十七条  養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。

・養親と養子の血族との間には親族関係を生じない!

・縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親との間には親族関係を生じない!!

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民法726条 家族法 親族 親族総則 

民法726条

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・(親等の計算)
第七百二十六条  親等は、親族間の世代数を数えて、これを定める。
2  傍系親族の親等を定めるには、その一人又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼり、その祖先から他の一人に下るまでの世代数による。

民法725条 家族法 親族 総則

民法725条


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(親族の範囲)
第七百二十五条  次に掲げる者は、親族とする。
一  六親等内の血族
二  配偶者
三  三親等内の姻族

・血族とは
自然血族=実際に血のつながりがある血族
法定血族=養子縁組によって血族関係が擬制されている血族

・配偶者とは
法律上の婚姻関係にある相手方
配偶者は親族の中で特殊な地位にあり、血族でも姻族でもなく、親等もない。

・姻族とは
自己の配偶者の血族または自己の血族の配偶者
※妻の親と夫の親とは姻族ではない。
配偶者の兄弟姉妹は姻族だが、その妻は姻族ではない。


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