佐々木毅 民主主義という不思議な仕組み 1 民主主義のルーツを言葉から考える

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ギリシャのポリスにルーツがある。民主制。
政治における新しい言葉の誕生は、新しい現実が発生したことを示している。

1.ポリスにみる民主主義の原点
(1)珍しい政治の仕組み
民主主義は最近の2世紀を除けば、歴史上ほぼ痕跡がない。

ギリシャの民主制
法(ノモス)の権威のもとに団結し、「事由」を唱える市民団からなるポリス

(2)ペルシャとギリシャ~自由の理解の違い
・ペルシャ式
大王や指揮官の鞭に対する恐怖が、当地の基本原則になっている。
これは人間が特定の人間に対する恐怖によってのみコントロールできる。それ以外にはコントロールできないという考え方に立っている。
そうでないならば、人間たちは互いにバラバラになってしまい、そこには放任状態としての「自由」しか残らない。

・ギリシャ式
法という共通の非人格的ルールに対する服従が全てに優先。法に対する自発的な服従が広く定着。
自由は個々人にそくして考えれば放任状態とは無縁であり、各人の法への厳格な服従によって初めて実現する。

(3)ギリシャの民主制がたどった道
日当とくじ引きの制度化によって、ギリシャの民主制は頂点に達する。

民主政と寡頭政の争い。
そして、争いの果てに法の権威が地に堕ちた。
法はもはや、一方の党派が他方を支配するための道具に成り果ててしまった。

2.民主制という政治の仕組み
(1)アリストテレスが唱えた6つの政治体制
支配者の数と共通の利益に基づく者かどうかを基準に分類。

王政⇔僭主政
貴族政⇔寡頭政
国制⇔民主政

民主政=自由人の生まれで財産のない者が多数であって支配者
寡頭政=富裕で生まれの良い者が少数であって支配者

法の権威を無視し、民衆が独裁者となって専制政治を行う形態は、僭主政に近い最悪なものである。

法の支配が確保されるためには民会が例外的にのみ開かれるようにすることが大事であり、そのためには多くの人が政治に参加する権利を持っていても、実は現実に参加するだけの経済的余裕と「閑暇」がないような状態が好ましい。

国制=極端でない民主政と極端でない寡頭政との混合物

総じて極端な政体は自らその生命を縮めることになる

(2)民主制が抱えた障害
極端な民主政では、合理的な政策判断は到底期待できない。

古代においては、民主政が基本的人権にかなう政治の仕組みであるという道義的・倫理的な論拠に基づく議論はされてはいなかった。
あくまで他の政体と横並びで比較されている。

王、貴族、大衆が互いに抑制均衡しあうことによって、権力の濫用を防止する仕組みの発生。
→権力分立論

・民主制が直接民主制を意味する限り政治的スペースの問題が生じる。


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