要件事実 紛争類型別の要件事実 第2章 貸金返還請求訴訟及び保証債務履行請求訴訟


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第1 はじめに

第2 貸金返還請求
1.設例
2.訴訟物
・貸金元本
消費貸借契約に基づく貸金返還請求権

・利息
利息契約に基づく利息請求権

・遅延損害金
履行遅滞に基づく損害賠償請求権

3.請求原因
(1)貸金返還請求
①XがY1との間で金銭返還の合意をしたこと
②XがY1に対し金銭を交付したこと
③XがY1との間で弁済期の合意をしたこと
④弁済期が到来したこと

+(返還の時期)
第五百九十一条  当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
2  借主は、いつでも返還をすることができる。

・利息の天引
①XがY1との間で元本について返還の合意をしたこと
②XがY1に対し元本の一部を交付したこと
③XがY1との間で①の元本額と②の交付額との差額につき利息として天引きする合意をしたこと
④XがY1との間で弁済期の合意をしたこと
⑤弁済期が到来したこと

(2)利息請求
①元本債権の発生原因事実
②XがY1との間で利息支払いの合意をしたこと
③②の後一定期間が経過

③=消費貸借契約成立の日から元本の返還をすべき日までの元本使用期間

(3)遅延損害金請求
①元本債権の発生原因事実
②弁済期が経過したこと
③損害の発生とその数額

+(履行期と履行遅滞)
第四百十二条  債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
2  債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。
3  債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。

+(金銭債務の特則)
第四百十九条  金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
2  前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
3  第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

4.抗弁以下の攻撃防御方法
(1)弁済


債務の本旨に従った給付
給付と債権との結びつき

(2)相殺
①自働債権の発生原因事実
②受働債権(請求債権)につきY1がXに対し一定額について相殺の意思表示をした

+(相殺の方法及び効力)
第五百六条  相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
2  前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

+(相殺の要件等)
第五百五条  二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2  前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

+(相殺の方法及び効力)
第五百六条  相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない
2  前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

・条件や期限を付した相殺の意思表示は無効になる(条件又は期限だけが無効となるわけではない)
→相殺の意思表示に条件又は期限が付されていることは相殺の抗弁に対する再抗弁となる

(3)消滅時効
権利の消滅原因の一つ

抗弁
(①権利を行使することができる状態になったこと)
②その時から一定の期間(時効期間)が経過したこと
③援用権者が相手方に対し時効援用の意思表示をしたこと

・①については請求原因について現れている

・消滅時効の期間計算は初日を算入せずに翌日からとする
・時効期間末日の経過を示せば足りる

・時効の中断
再抗弁

・承認
承認とは、時効の利益を受ける者が時効によって権利を失う者に対してその権利の存在することを知っていることを表示する観念の通知
→準法律行為として法律行為に関する規定が類推される
→債権者の代理人に対する承認も可能
債務者の代理人が承認することもできる

・再度の時効の完成は当初の時効の抗弁に対して選択的な関係に立つ抗弁になる

・時効利益の法規とは、時効の効力を発生させないことに確定させる意思表示
その前提として、時効の完成を知っていることを必要とする

・時効完成後の債務の証人は、時効完成の知不知にかかわらず、これによって時効援用権を失うものであり、債務支払い約束の事実があれば、これだけでその要件事実を尽くす

第3 保証債務履行請求
1.設例
2.訴訟物
保証契約に基づく保証債務履行請求権

+(保証債務の範囲)
第四百四十七条  保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
2  保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

3.請求原因
(1)要件事実
①おもたる債務の発生原因事実
②Y2がXとの間で①の債務を保証するとの合意をしたこと
③Y2の②の意思表示は書面によること

+(保証人の責任等)
第四百四十六条  保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2  保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3  保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

(2)主たる債務

(3)保証の対象

(3)連帯の約定
連帯の特約は、これを保証契約に付された特約であるとする見解によれば、催告・検索の抗弁に対する再抗弁に位置づけられ、請求原因として主張立証する必要はない。

4.代理
(1)設例
Y1がY2の代理人として保証契約を締結したとして、保証債務の履行を請求する場合

(2)代理の要件事実
①主たる債務の発生原因
②Y1がXとの間で①の債務を保証するとの合意をしたこと(法律行為)
③Y1の②意思表示は書面による
④②の合意の際、Y1がY2のためにすることを示したこと(顕名)
⑤②の合意に先立って、Y2がY1に対し、②の合意についての代理権を授与(代理権の発生原因事実)

5.抗弁以下の攻撃防御方法
(1)消滅時効
・主たる債務について消滅時効が完成したときは、保証人も当事者として時効を援用することができる。付従性に基づき自己の保証債務も消滅したことを抗弁として主張立証することができる。

・時効援用権の喪失や時効利益の放棄は相対的効力を生ずるにすぎないから、主たる債務者が時効援用権を喪失したり時効利益を放棄したことは再抗弁とはならない!

(2)相殺、取消し、解除
+(主たる債務者について生じた事由の効力)
第四百五十七条  主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
2  保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる

・抗弁権説
保証人は主債務者の有する反対債権を処分する権限を有するものではなく、相殺によって消滅する限度で、単に弁済を拒絶する抗弁権を有するとする見解。
→①自働債権の発生原因 ②Y2権利主張

・主たる債務の運命が取消権、解除権の存在によって不確定である間は、保証人は保証債務の履行を拒絶し得ると解されている。


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