要件事実 紛争類型別の要件事実 第1章 売買契約に基づく代金支払い請求訴訟及び目的物引渡請求訴訟


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第1 はじめに

第2 売買代金請求訴訟
1.設例

2.訴訟物
(1)結論
・売買契約に基づく代金支払請求権

利息の支払
・代金支払債務の履行遅滞に基づく損害賠償請求権
or
・法定利息請求権

(2)一部請求
・単なる機械的・数量的な分割に基づく一部請求も請求の特定に欠けるところがない
→600万のうち200万の弁済を受けたので400万を請求するという申立ての中で、200万の弁済を受けたという主張は請求の特定としては不要

3.請求原因
(1)売買代金支払請求
XがYとの間で売買契約を締結したこと

ア 代金額
+(売買)
第五百五十五条  売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

売買契約が成立するためには、目的物が確定していることのほか、代金額又は代金額の決定方法が確定していることが必要

イ 代金支払時期
代金支払債務の履行期限を契約の本質的要素(要件)とするものではない
→期限の合意と期限の到来を請求原因で主張立証する必要はない
=期限の合意は売買契約の付款にすぎない!

・付款の主張立証責任は、これによって利益を受ける当事者に帰属する(抗弁説)
この場合期限の到来は再抗弁になる。

ウ 目的物の引渡し、所有
・目的物を引き渡したことも、売買代金支払請求権の発生要件ではない。
→同時履行の抗弁権が主張された場合にこれに対する再抗弁として主張

・他人物売買も有効
→契約締結当時自己の所有であったことも主張立証する必要はない

(2)附帯請求
ア 遅延損害金説
+(果実の帰属及び代金の利息の支払)
第五百七十五条  まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。
2  買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払うことを要しない。

①XがYとの間で売買契約を締結
②代金支払債務の履行期が経過
③XがYに対して①の契約に基づき目的物の引渡しの提供をした
(目的物が不動産の場合は、目的物の所有権移転登記手続(及び引渡し)の提供)
④②の時期以降の期間の経過
⑤XがYに対して①の契約に基づき目的物を引き渡したこと
⑥⑤の時期以降の期間の経過

イ 法定利息説
①XがYとの間で売買契約を締結したこと
②XがYに対して①の契約に基づき目的物を引き渡したこと(目的物が不動産の場合も、目的物の所有権移転登記手続の提供をしたことは必要ない)
③②の時期以降の期間の経過

4.抗弁以下の攻撃防御方法
(1)条件期限
(2)同時履行
ア 同時履行の抗弁
・同時履行の抗弁は権利抗弁であり、これを行使することが要件
イ 先履行の合意の再抗弁
ウ 反対給付履行の再抗弁
・相手方の履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない

(3)弁済
ア 弁済の要件事実
①Y(又は第三者)がXに対し、債務の本旨に従った給付をした
②①の給付がその債権についてされたこと

+(第三者の弁済)
第四百七十四条  債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない
2  利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

・反対の意思を示したことは第三者弁済の無効を主張する者にある。

イ 一部請求と弁済の抗弁
外側説

(4)法定解除
ア 履行遅滞に基づく解除
履行期の定めのない事例
抗弁
①YがXに対して目的物の引渡しの催告をした
②①の催告後相当期間が経過したこと
③YがXに対して②の期間経過後に解除の意思表示をしたこと
④YがXに対して①の催告以前に売買代金の提供をしたこと

・④は同時履行の抗弁権の発生障害事実、消滅事実を主張しなければ解除の抗弁が主張自体失当になるため
先履行の合意とかでもよい

・債務不履行についてのXの帰責事由について
債権者Yは主張立証責任を負わず、債務者Xは、債務者に故意過失がないこと又は債務者に債務不履行責任を負わせることが信義則上酷であると認められるような事由があることの主張立証責任を負う!!!!

・一つの催告で契約解除のための催告と付遅滞のための催告を兼ねることができる

・履行不能の再抗弁
別途解除事由にはなってしまうが・・・

・引渡しの提供の再抗弁
XがYに対し、①の催告後③の解除の意思表示到達前に目的物の引渡しを提供したこと

イ 履行不能に基づく解除
①目的物の引渡しが②の意思表示までに不能になったこと
②YがXに対して売買契約の解除の意思表示をしたこと

ウ 売主の瑕疵担保責任に基づく解除
(ア)解除の抗弁
①売買契約締結当時、目的物に通常人がその買主となった場合に普通の注意をもってしても発見することのできなかった瑕疵があったことを基礎付ける具体的事実
②YがXに対してその売買契約を解除するとの意思表示をしたこと

(イ)悪意、過失、除斥期間の再抗弁
瑕疵の事実についての悪意
過失の評価根拠事実

除斥期間
①Yが瑕疵の事実を知ったこと
②①の時期から1年が経過したこと(最終日の経過)

(ウ)不特定物と瑕疵担保責任
・買主が瑕疵の存在を認識した上で、これを履行として認容したとき

(5)約定解除
ア 手付解除の抗弁
+(手付)
第五百五十七条  買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
2  第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。

抗弁
①YがXとの間でその売買契約に付随して手付として1000万円を交付するとの合意をしたこと
②YがXに①の手付として1000万円を交付したこと
③YがXに対して契約解除のためにすることを示して手付返還請求権を放棄するとの意思表示をしたこと
④YがXに対して売買契約解除の意思表示をしたこと

イ 契約解除に対する再抗弁
(ア)解約権留保排除の合意
・なお、違約手付の約定は解除権留保と両立し得るとするのが判例
→手付解除に対して違約手付の約定を主張しても、再抗弁としては主張自体失当

(イ)履行の着手

5.抗弁相互の関係

第3 目的物引渡請求
1.雪嶺
2.訴訟物
売買契約に基づく目的物引渡請求

3.請求原因
XがYとの間において売買契約を締結したこと

4.抗弁以下の攻撃防御方法
(1)同時履行
Xが代金を支払うまで目的物の引渡しを拒絶する

(2)債務不履行解除の場合の特約等
ア 停止期限付解除
Xの代金支払債務の履行遅滞を理由として、停止条件付解除の意思表示をした場合
抗弁
①代金支払の催告
②①の催告の際、催告期間が経過した時に契約を解除するとの意思表示をしたこと
③催告期間が経過
④Yが①の催告以前に売買契約に基づき目的物の引渡しの提供をしたこと

イ 無催告解除特約
①XがYとの間で売買代金の支払期日(確定期限)の合意をしたこと及びその支払期日が経過した
②XがYとの間で、その売買契約について無催告解除特約(債務不履行を理由とする契約解除権の行使については催告を要しないとの合意)をしたこと
③YがXに対して①の支払期日経過後売買契約を解除するとの意思表示をしたこと
④Yが③の解除の意思表示に先立ち売買契約に基づき目的物の引渡しの提供をしたこと

ウ 弁済の提供の再抗弁

エ 当然解除特約(失権約款)

(3)手付契約に基づく解除
①XがYとの間で売買契約に付随して手付として1000万円を交付するとの合意をした
②XがYに手付として1000万円を交付した
③YがXに対して契約解除のためにすることを示して手付の倍額200万円を現実に提供したこと
④YがXに対して売買契約解除の意思表示をしたこと


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