7-5-3 事案の解明 証拠調べ 当事者尋問

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3.当事者尋問
(1)当事者尋問の意義
・当事者尋問とは、
当事者に対して口頭で質問して口頭で陳述を得るという方法で行われる証拠調べ

・当事者とは、
当事者本人またはこれに準じる法定代理人(211条)
+(法定代理人の尋問)
第二百十一条  この法律中当事者本人の尋問に関する規定は、訴訟において当事者を代表する法定代理人について準用する。ただし、当事者本人を尋問することを妨げない。

・共同訴訟人は共通の利害関係がある事項については、他の共同訴訟人に対する関係で当事者尋問の対象となる。

・主張としての弁論は、訴訟資料のうちの主張資料を提出する主体的な訴訟行為。

・当事者尋問における陳述は、証拠調べの客体である証拠方法として証拠資料を提供するもの。

(2)補充性原則の撤廃
平成8年改正前は、当事者尋問は、他の証拠方法を取り調べても裁判所が心証を得ることができないときに限って、補充的に行われるとされてきた。

・証拠調べの順序については、証人尋問を先に行うことを原則としている。
+(当事者本人の尋問)
第二百七条  裁判所は、申立てにより又は職権で、当事者本人を尋問することができる。この場合においては、その当事者に宣誓をさせることができる。
2  証人及び当事者本人の尋問を行うときは、まず証人の尋問をする。ただし、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、まず当事者本人の尋問をすることができる

上記は少額訴訟では適用されない
+(証人等の尋問)
第三百七十二条  証人の尋問は、宣誓をさせないですることができる。
2  証人又は当事者本人の尋問は、裁判官が相当と認める順序でする
3  裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方と証人とが音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、証人を尋問することができる。

(3)当事者尋問の手続
+(証人尋問の規定の準用)
第二百十条  第百九十五条、第二百一条第二項、第二百二条から第二百四条まで及び第二百六条の規定は、当事者本人の尋問について準用する。

+(当事者本人の尋問)
第二百七条  裁判所は、申立てにより又は職権で、当事者本人を尋問することができる。この場合においては、その当事者に宣誓をさせることができる
2  証人及び当事者本人の尋問を行うときは、まず証人の尋問をする。ただし、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、まず当事者本人の尋問をすることができる。

+(不出頭等の効果)
第二百八条  当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる
(虚偽の陳述に対する過料)
第二百九条  宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
2  前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3  第一項の場合において、虚偽の陳述をした当事者が訴訟の係属中その陳述が虚偽であることを認めたときは、裁判所は、事情により、同項の決定を取り消すことができる。

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民事訴訟法 基礎演習民事訴訟法 2 当事者適格(1) 法定訴訟担当


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1.法定訴訟担当
・当事者適格
=特定の訴訟における訴訟物たる権利あるいはほうりつかんけいについて、当事者として訴訟追行し、本案判決を求めることができる資格

・訴訟担当=訴訟物の権利義務の帰属主体に代わって、またはその主体とともに、第三者がその訴訟物について当事者適格を有する場合を訴訟担当という!

・判決の効力は被担当者にも及ぶ。
+(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
第百十五条  確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
一  当事者
二  当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人
三  前二号に掲げる者の口頭弁論終結後の承継人
四  前三号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者
2  前項の規定は、仮執行の宣言について準用する。

・担当者=訴訟担当において当事者となる者
・被担当者=訴訟物たる権利義務の帰属主体

・代理の場合とは、代理人には判決効が及ばない点が異なる!

・法定訴訟担当
担当者のための訴訟担当と職務上の当事者の2つがある。

・遺言執行者は条文上は相続人の代理人ともなされている(1015条)ものの、相続人とは別に、自己の名において当事者となる訴訟担当者と理解されている!
←遺言の執行にかんれんして遺言執行者と相続人とが原告・被告となる訴訟もありえ、遺言執行者が相続人の代理人だとすると両当事者共に相続人となってしまって、二当事者対立構造が取れなくなってしまう!!!!!

+判例(S31.9.18)
理由
上告代理人和田正平の上告理由第一、二点について。
旧民法施行当時において、遺言を以て家督相続人の指定がなされた場合に、遺言者の死亡により、その遺言が効力を生じたときは、被指定者は遺言者の家督相続をなして戸主となるとともに、遺言者が有した権利義務を包括的に承継したが、この権利義務の承継は、被指定者が家督相続をした効果であつて、家督相続人指定の遺言の直接の効果として生じたのではない。家督相続人の指定そのものには、財産を承継せしめる旨の意思表示を包含してはいないのである。ところで、民法の改正により、家督相続が廃止せられたので、新法施行後に遺言者が死亡したときは、家督相続人指定の遺言は、特段の事情のない限り、その効力を生ずる余地なく、従つて家督相続の効果たる遺言者の権利義務の承継もまた生じないこととなつたといわなければならない。
以上の如く新法施行後に遺言者が死亡した場合には、家督相続人指定の遺言は原則として無効となるが、これを包括的遺贈に転換して有効と認めることができるかどうかを次に考察しなければならない。思うに、家督相続人指定の遺言と包括遺贈とは全く別個の観念であり、前者に後者の意思表示が包含せられているとは云えないのであるから、前者を後者として有効とするがためには、遺言書の解釈により、遺言に表示せられたところを通じて後者の意思表示が看取される場合でなければならない。本件において、原審の確定したところを、原判文に徴すれば、亡Aは、昭和一五年七月二六日公正証書による遺言をなしたが、右遺言書には、訴外Bを家督相続人に指定する旨及び被上告人等その他に対し財産の一部を遺贈する旨の記載があるけれども、他にAに包括遺贈の意思があつたことを看取するに足る表示行為と目すべき事実上の記載がないというのであるから、原審が包括遺贈の表示があつたとは認められないと判断したことは正当である。なお、原審は、亡Aは昭和一六年一〇月二八日右遺言事項中被上告人その他に対する遺贈に関する部分を取り消す旨の遺言をなした事実を確定したが、この事実と前示遺言書の記載とによれば、AがBに財産を遺贈する意思があつたことを窺いうるようであるが、このことから要式行為である遺言の効力を判定することはできない。又本件遺言につき、家庭裁判所によつて遺言執行者が選任せられたことから、直ちに、右遺言には、財産を承継せしめる意思表示が包含せられていると言いえないことは当然である。原判決の説くところは、上記の趣旨と異るものがあるが、本件遺言書には、Bをして財産を承継せしめる意思が表示せられていないとする結論においては、正当なるに帰するから所論は結局採用し難い。

同第三点について。
遺言につき遺言執行者がある場合には、遺言に関係ある財産については相続人は処分の権能を失い(民法一〇一三条)、独り遺言執行者のみが遺言に必要な一切の行為をする権利義務を有するのであつて(同一〇一二条)、遺言執行者はその資格において自己の名を以て他人のため訴訟の当事者となりうるものと云わなければならない。本件において、被上告人等は本件不動産は亡Aの所有であつたが、その死亡により共有持分権を有するに至つたと主張し、選遺言執行者たる上告人にその確認を求めるものであるところ、上告人は右不動産は遺言によりすべて訴外Bの所有に帰したと主張して被上告人の権利を争うものである。従つて本件が被上告人の勝訴に確定すれば、所論の如く、遺言は執行すべき内容を有せず、遺言執行者はその要なきに帰するけれども、若し敗訴すれば、本件不動産はすべて遺言によりBに帰属したものとして執行せられることとなるのである。かゝる場合においては、被上告人等は遺言執行者たる上告人に対し本件不動産について共有持分権の確認を求める利益があり、その効果はBに及ぶものといわなければならない。所論はこれを採用することができない。
同第四点について。
原判決には所論の如き違法のないことは、上記説明に照らし自ら明らかである。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

+++当事者能力と当事者適格の違い
当事者能力とは、民事訴訟法において当事者となることができる一般的能力です。
一方、当事者適格とは、訴訟物たる特定の権利または法律関係において当事者として訴訟を追行し、本案判決をもとめることができる資格をいいます。どちらも判決という紛争解決手段を与えるのにふさわしいかを判断するものですが、当事者能力が一般的な能力であるのに対し、当事者適格は特定の権利または法律関係に関するものであり訴訟物ごとに判断される点で異なります。

2.債務者自身による訴え提起
・代位権行使に着手した場合
債務者に対してその事実を通知するかまたは債務者がこれを了知したときには、期限未到来の場合の裁判上の代位の場合ですらその告知により債務者はその権利の処分権を失う(非訟88条3項)との均衡から、債務者は代位の目的となった権利につき債権者の代位権行使を妨げるような処分をする権能を失い、したがって処分行為と目される訴えの提起をすることができなくなる
一定の条件のもとに、債権者と第三債務者との間の判決の効力は債務者にも及ぶ。
+(代位の許可等)
第八十八条  裁判所は、第八十五条の規定による申立てを理由があると認めるときは、担保を立てさせて、又は立てさせないで、裁判上の代位を許可することができる。
2  前項の規定による許可の裁判は、債務者に告知しなければならない。
3  前項の規定による告知を受けた債務者は、その代位に係る権利の処分をすることができない。
4  第七十二条第二項及び第三項の規定は、第一項の規定により担保を立てる場合における供託及び担保について準用する。

・債権者代位訴訟が係属中に、債務者が、債権者の債務者に対する債権の不存在及びこれに基づく債権者の当事者適格の欠缺を主張し、さらにモズから第三債務者に対して訴訟上権利行使をするためにはどのような手段をとるべきか?
→債権者代位訴訟に独立当事者参加(権利主張参加 47条1項)をすべき
重複起訴の禁止の趣旨である、審判の重複による訴訟上の不経済、規範量の抵触の恐れ、及び被告の応訴の煩という弊害は生じない。

+(独立当事者参加)
第47条
1項 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
2項 前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
3項 前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
4項 第40条第1項から第3項までの規定は第一項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第43条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。

+判例(S48.4.24)
理由
上告代理人今野佐内の上告理由(一)について。
所論は、参加人(被上告人)の被告(上告人)に対する訴の訴訟物は、原告(被上告人)の被告に対する訴の訴訟物と同一であつて重複起訴になり不適法である、というのである。
所論に関する本件の訴訟関係は、つぎのとおりである。すなわち、原告は参加人からその所有の第一審判決添付別紙目録(一)の土地(以下「本件土地」という。)を含む土地を賃借しているとして、その一部である本件土地につき賃貸人たる参加人に代位しその所有権にもとづき本件土地上に同目録(二)の建物部分(以下「本件建物」という。)を所有して本件土地を占有している被告に対し、本件建物収去本件土地明渡を求めたのが本訴であるところ、参加人は、原告が本件土地を被告に無断転貸したから本件土地についての賃貸借契約を解除したとして、原告に対し原告が本件土地について賃借権を有しないことの確認を求めるとともに、被告に対し所有権にもとづき本件建物収去本件土地明渡を求めて民訴法七一条(現47条)により本訴に参加したものである。
思うに、債権者が民法四二三条一項の規定により代位権を行使して第三債務者に対し訴を提起した場合であつても、債務者が民訴法七一条により右代位訴訟に参加し第三債務者に対し右代位訴訟と訴訟物を同じくする訴を提起することは、民訴法二三一条(現142条)の重複起訴禁止にふれるものではないと解するのが相当である。
けだし、この場合は、同一訴訟物を目的とする訴訟の係属にかかわらず債務者の利益擁護のため訴を提起する特別の必要を認めることができるのであり、また、債務者の提起した訴と右代位訴訟とは併合審理が強制され、訴訟の目的は合一に確定されるのであるから、重複起訴禁止の理由である審判の重複による不経済、既判力抵触の可能性および被告の応訴の煩という弊害がないからである。したがつて、債務者の右訴は、債権者の代位訴訟が係属しているというだけでただちに不適法として排斥されるべきものと解すべきではないもつとも、債権者が適法に代位権行使に着手した場合において、債務者に対しその事実を通知するかまたは債務者がこれを了知したときは、債務者は代位の目的となつた権利につき債権者の代位権行使を妨げるような処分をする権能を失い、したがつて、右処分行為と目される訴を提起することができなくなる(大審院昭和一三年(オ)第一九〇一号同一四年五月一六日判決・民集一八巻九号五五七頁参照)のであつて、この理は、債務者の訴提起が前記参加による場合であつても異なるものではない。したがつて、審理の結果債権者の代位権行使が適法であること、すなわち、債権者が代位の目的となつた権利につき訴訟追行権を有していることが判明したときは、債務者は右権利につき訴訟追行権を有せず、当事者適格を欠くものとして、その訴は不適法といわざるをえない反面、債権者が右訴訟追行権を有しないことが判明したときは、債務者はその訴訟追行権を失つていないものとして、その訴は適法ということができる。 
本件についてみるに、原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)が適法に確定した事実関係によれば、原告の代位原因たる本件土地の賃借権は、その発生原因である賃貸借契約が原告において被告に対してした無断転貸を理由として参加人により解除されたため消滅したものということができるから、原告の代位訴訟はその代位原因を欠くものとして却下を免れず、したがつて、参加人が本訴に参加し被告に対して所有権にもとづいて本件建物収去本件土地明渡を求めた訴は適法というべきである。
右と結論を同じくする原判決は相当であつて、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
同(二)について。
所論は、参加人の被告に対する請求は権利の濫用である、というのである。
しかし、原判決が適法に確定した事実関係によれば、参加人の右請求が権利の濫用に当らないとした原判決の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。引用の判例は本件に適切でなく、論旨は採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

+判例(S14.5.16)要旨
債権者が民法四二三条一項により代位権を行使して訴を提起した場合に、債務者に対しその事実を通知するかまたは債務者がこれを了知するときは、債務者は自ら権利を消滅させることはもちろん権利の行使もできない。

←非訟 88条3項との均衡から。

3.代位債権者と第三債務者との間の訴訟上の和解
・第三者の訴訟担当は、他人の権利義務について第三者が管理処分権を有する場合に認められる

・職務上の当事者の場合には、権利主体による権利行使の事実上あるいは法律上の空白状態を前提として、担当者は本来の権利主体の有する管理処分権を全面的に有する。

・担当者のための訴訟担当の場合には、被担当者の管理処分権が全面的に担当者に帰属するわけではなく、被担当者の権限が一定範囲で残ることの反面として、訴訟物たる権利法律関係についての管理処分権限が制約されることがある
→代位債権者は代位の目的である権利の処分権まで有するわけではなく、代位行使される権利の一部免除や期限の猶予をすることはできない。
→それらを内容とする訴訟上の和解も原告・被告限りではできない!!

4.債権者代位訴訟における請求棄却判決の債務者への効力
(1)判例・かつての通説とその問題点

判例(S15.3.15)要旨
債権者代位訴訟の判決は、債務者がその訴訟に参加したかどうかを問わず、常に115条1項2号の規定により債務者にその効力が及ぶ

(2)学説の展開~判決効拡張の見直し

(3)学説の展開~判決効拡張の正当化
・その後の学説
債権者代位訴訟においては、原告は債務者への訴訟告知をすべきであり(非訟88条2項または会社法849条3項類推)、これによって債務者が独立当事者参加あるいは共同訴訟的補助参加をする機会を確保し、この機会を利用しない債務者には、公平あるいは訴訟経済の観点から、不利な判決も債務者に及ぶ!


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民法 事例で学ぶ民法演習 16 共有・合有・総有


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1.
+(共有物の使用)
第二百四十九条  各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

+(組合契約)
第六百六十七条  組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
2  出資は、労務をその目的とすることができる。
+(組合財産の共有)
第六百六十八条  各組合員の出資その他の組合財産は、総組合員の共有に属する。

・個々の組合員の個人としての使用収益処分は制限され、組合の目的が優先する!

3.
+(共有物の変更)
第二百五十一条  各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

+(共有物の管理)
第二百五十二条  共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

+(共有物の分割請求)
第二百五十六条  各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2  前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。

+(裁判による共有物の分割)
第二百五十八条  共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。
2  前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。

・現物分割・価格分割以外に
1人に共有物のすべてを帰属させ、残りの人に価格賠償する方法(全面価格賠償)も
1人に帰属させるのが適切で支払い能力に問題ない場合はよい。
+判例(H8.10.31)
理由
上告代理人川岸伸隆の上告理由について
一 原審の確定した事実関係の概要及び記録によって認められる本件訴訟の経過等は、次のとおりである。
1 亡A、亡B夫婦の長女である上告人C、その夫であり同夫婦の養子であるD及び二女であるE(承継前の被上告人。以下「E」という。)の三名は、昭和四〇年七月八日、甲信用組合から原判決添付物件目録記載の各不動産(以下「本件不動産」という。)を持分各三分の一の割合で買い受けた。本件不動産は、かつて亡A及びその先代が所有していたものであり、一時甲信用組合に所有権が移転していたのを、右三名が共同して買い戻したものであった。
2 Dは、昭和六一年一一月三日に死亡し、同人の右持分は、上告人C及び子であるその余の上告人らがそれぞれ法定相続分に従って取得した。その結果、本件不動産についての共有持分は、上告人Cが一八分の九、その余の上告人らが各一八分の一、Eが一八分の六となった。
3 本件不動産のうち原判決添付物件目録記載一ないし三の土地上には、ほぼ一杯に同目録記載四の建物(以下「本件建物」という。)が存在しており、しかも、本件建物は、構造上一体を成していることから、上告人らとEの持分に応じた区分所有とすることができず、したがって、本件不動産を現物分割することは不可能である。
4 Eは、昭和四八年以来、本件建物に居住し、本件建物に接する平家建ての建物において薬局を営み、その営業収入によって生活してきたが、そのことについては、上告人らとの間に特段の争いもなく推移してきた。他方、上告人らは、それぞれ別に居住していて、必ずしも本件不動産を取得する必要はない。
5 上告人らは、Eが本件不動産の分割協議に応じないため、本件不動産の共有物分割等を求める本件訴えを提起したものであるが、本件不動産の分割方法として、競売による分割を希望している。これに対し、Eは、自らが本件不動産を単独で取得し、上告人らに対してその持分の価格を賠償する方法(以下「全面的価格賠償の方法」という。)による分割を希望していた。
6 原審で実施された鑑定の結果によれば、本件不動産の評価額は合計八二六万三〇〇〇円であり、仮にこれを競売に付したとしても、これより高価に売却することができる可能性は低い。
二 原審は、(1)民法二五八条による共有物分割の方法として、全面的価格賠償の方法を採ることも許される旨を判示した上で、(2)右一の事実関係等の下においては、本件不動産の分割方法として全面的価格賠償の方法を採用するのが相当であるとし、競売による分割を命じた第一審判決を変更して、本件不動産をEの単独所有とした上、Eに対して上告人らの持分の価格の賠償を命じた。所論は、原審の右(1)、(2)の判断に民法二五八条の解釈適用の誤りがあるというものである。

三 そこで検討するに、原審の右(1)の判断は是認することができるが、右(2)の判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。
1 民法二五八条二項は、共有物分割の方法として、現物分割を原則としつつも、共有物を現物で分割することが不可能であるか又は現物で分割することによって著しく価格を損じるおそれがあるときは、競売による分割をすることができる旨を規定している。ところで、この裁判所による共有物の分割は、民事訴訟上の訴えの手続により審理判断するものとされているが、その本質は非訟事件であって、法は、裁判所の適切な裁量権の行使により、共有者間の公平を保ちつつ、当該共有物の性質や共有状態の実状に合った妥当な分割が実現されることを期したものと考えられる。したがって、右の規定は、すべての場合にその分割方法を現物分割又は競売による分割のみに限定し、他の分割方法を一切否定した趣旨のものとは解されない
そうすると、共有物分割の申立てを受けた裁判所としては、現物分割をするに当たって、持分の価格以上の現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせ、過不足の調整をすることができる(最高裁昭和五九年(オ)第八〇五号同六二年四月二二日大法廷判決・民集四一巻三号四〇八頁参照)のみならず、当該共有物の性質及び形状、共有関係の発生原因、共有者の数及び持分の割合、共有物の利用状況及び分割された場合の経済的価値、分割方法についての共有者の希望及びその合理性の有無等の事情を総合的に考慮し、当該共有物を共有者のうちの特定の者に取得させるのが相当であると認められ、かつ、その価格が適正に評価され、当該共有物を取得する者に支払能力があって、他の共有者にはその持分の価格を取得させることとしても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情が存するときは、共有物を共有者のうちの一人の単独所有又は数人の共有とし、これらの者から他の共有者に対して持分の価格を賠償させる方法、すなわち全面的価格賠償の方法による分割をすることも許されるものというべきである。
したがって、これと同旨の原審の前記(1)の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論引用の前記大法廷判決は、価格賠償をもって現物分割の場合の過不足を調整することができる旨を判示しているにとどまり、右の判断はこれに抵触するものではない。この点に関する論旨は採用することができない。
2 次に、本件について全面的価格賠償の方法により共有物を分割することの許される特段の事情が存するか否かをみるに、本件不動産は、現物分割をすることが不可能であるところ、Eにとってはこれが生活の本拠であったものであり、他方、上告人らは、それぞれ別に居住していて、必ずしも本件不動産を取得する必要はなく、本件不動産の分割方法として競売による分割を希望しているなど、前記一の事実関係等にかんがみると、本件不動産をEの取得としたことが相当でないとはいえない
しかしながら、前記のとおり、全面的価格賠償の方法による共有物分割が許されるのは、これにより共有者間の実質的公平が害されない場合に限られるのであって、そのためには、賠償金の支払義務を負担する者にその支払能力があることを要するところ、原審で実施された鑑定の結果によれば、上告人らの持分の価格は合計五五〇万円余であるが、原審は、Eにその支払能力があった事実を何ら確定していない。したがって、原審の認定した前記一の事実関係等をもってしては、いまだ本件について前記特段の事情の存在を認めることはできない
そうすると、本件について、前記特段の事情の存在を認定することなく、全面的価格賠償による共有物分割の方法を採用し、本件不動産をEの単独所有とした上、Eに対して上告人らの持分の価格の賠償を命じた原判決には、法令の解釈適用の誤り、ひいては審理不尽、理由不備の違法があるというべきであり、この違法が原判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は右の趣旨をいうものとして理由があるから、原判決中、共有物分割請求に関する部分は破棄を免れず、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。
よって、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 遠藤光男 裁判官 小野幹雄 裁判官 高橋久子 裁判官 井嶋一友 裁判官 藤井正雄)

+(業務の執行の方法)
第六百七十条  組合の業務の執行は、組合員の過半数で決する。
2  前項の業務の執行は、組合契約でこれを委任した者(次項において「業務執行者」という。)が数人あるときは、その過半数で決する。
3  組合の常務は、前二項の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の組合員又は業務執行者が異議を述べたときは、この限りでない。
←頭数

+(組合員の脱退)
第六百七十八条  組合契約で組合の存続期間を定めなかったとき、又はある組合員の終身の間組合が存続すべきことを定めたときは、各組合員は、いつでも脱退することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、組合に不利な時期に脱退することができない。
2  組合の存続期間を定めた場合であっても、各組合員は、やむを得ない事由があるときは、脱退することができる。

+(脱退した組合員の持分の払戻し)
第六百八十一条  脱退した組合員と他の組合員との間の計算は、脱退の時における組合財産の状況に従ってしなければならない。
2  脱退した組合員の持分は、その出資の種類を問わず、金銭で払い戻すことができる。
3  脱退の時にまだ完了していない事項については、その完了後に計算をすることができる。

4.小問2
+(組合の債務者による相殺の禁止)
第六百七十七条  組合の債務者は、その債務と組合員に対する債権とを相殺することができない。
←組合の事業執行を守るため

5.小問3
+(分割債権及び分割債務)
第四百二十七条  数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。

+(組合員に対する組合の債権者の権利の行使)
第六百七十五条  組合の債権者は、その債権の発生の時に組合員の損失分担の割合を知らなかったときは、各組合員に対して等しい割合でその権利を行使することができる。

+(不可分債権)
第四百二十八条  債権の目的がその性質上又は当事者の意思表示によって不可分である場合において、数人の債権者があるときは、各債権者はすべての債権者のために履行を請求し、債務者はすべての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。

+(履行の請求)
第四百三十二条  数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

6.小問4
+(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)
第六百七十六条  組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない
2  組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。


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