民法択一 親族 内縁


・761条の日常家事代位に関する規定は、内縁の夫婦にも適用される。

・内縁関係には婚姻についての規定が準用される余地があるが、成年擬制(753条)は婚姻届出を前提とする制度であるので、準用されない

・内縁の夫婦がその共有する不動産を居住又は共同事業のために共同で使用してきたときは、特段の事情がない限り、両者の間で、その一方が死亡した後は他方がその不動産を単独で使用する旨の合意が成立していたものと推認することが相当であるとして、従前と同一の目的、態様の不動産の無償使用を継続することを認め、内縁の妻を保護した。→相続人からの建物使用に係る不当利得返還請求を拒絶することができる。

・夫婦としての実質的生活関係が存在しており、後に他方の配偶者が届出の事実を知って追認した場合は、婚姻は追認によって届出の当初に遡って有効となる。

・内縁を不当に破棄された者は、相手方に対して婚姻予約の不履行を理由として損害賠償請求をすることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできる。

・当事者間の婚姻の予約は適法であるから、これを不当に破棄した者は、相手方に損害を賠償っする責任を負う。しかし、婚姻予約に基づく債務の履行の強制は許されない

・戸籍上の妻の遺族給付受給権を否定することによって、間接的にではあるが、重婚的内縁の妻を保護している。!!

・内縁の子については、722条の趣旨を類推し、内縁の夫の子と事実上推定されるにすぎず、その子は、認知を待たずして、法律上一応推定を受ける父の子として扱われるわけではない。

・内縁の夫の死亡後、内縁の妻は、その相続人の賃借権を援用して賃貸人に対して本件建物の居住権を主張できる。(内縁の妻が相続人と並んで共同賃貸人となるわけではない)

・内縁の配偶者は、自己が他方の配偶者から受けることができた将来の扶養利益の喪失を損害として、加害者に対して損害賠償を請求できる。

・死亡による婚姻の解消の際に財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、法の予定しないところである。→内縁の夫婦の一方の死亡により内縁が解消された場合、財産分与の規定(768条)を類推適用することはできない!!!!

・内縁の夫婦は、婚姻費用の分担の規定(760条)に準じて、共同生活のために必要な費用を分担する。