民法択一 親族 婚姻の解消

・協議離婚の形式的要件(764条・739条・765条1項)に、財産分与に関する協議は挙げられていない。→財産分与に関する協議が調わなくても、協議離婚をすることができる。

・未成年の子(18歳)が離婚をするのには父母の同意は必要ない。

・判例は離婚意思を法律上の離婚関係を解消する意思と形式的にとらえている。→事実上の婚姻関係を維持しつつ、生活保護受給を継続するための方便として、協議離婚の届出をした場合でも、協議離婚は有効!!!

・成年被後見人が離婚をする場合には、成年後見人の同意を要しない(746条・738条)。

・協議上の離婚によって、婚姻の効果は将来に向かって解消する。←コレ

・詐欺又は強迫によって離婚をした者は、その離婚の取消しを裁判所に請求することができる(764条・747条1項)。そして、取消請求が認められると、離婚届の届出の時点にさかのぼって離婚がなかったことになる(764条は747条を準用しているが、748条を準用していない)

・協議上の離婚は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって効力を生じる(764条・739条1項)。

・離婚訴訟は形成訴訟であるから、離婚の請求を認容する判決が確定した時に、判決による離婚の効力が生じる。


・裁判所は、具体的離婚原因がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる(770条2項)。

有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間に対し相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできない。

・夫婦が離婚した場合、姻族関係は当然終了するが(728条1項)、夫婦の一方が死亡した場合、婚姻関係は当然には終了せず、生存配偶者(×死亡配偶者の血族)の意思表示により終了する(728条2項)。

・夫婦の一方が死亡したときは、生存配偶者は、婚姻前の氏に復することができる(751条1項)。(家庭裁判所の許可は不要)

・婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する(767条1項)。

・婚姻前の氏に復した夫または妻は、離婚の日から3か月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる(767条2項)。

・婚姻により氏を改めた者は、裁判上の離婚によって当然に婚姻前の氏に復し、届け出によって離婚の際に称していた氏を称することができるのであって、裁判所が氏を定めるわけではない。

・婚姻関係が破たんして父母が別居状態にある場合であっても、子と同居していない親が子と面接交渉をすることは、子の監護の一内容であるということができ、別居状態にある父母の間で面接交渉につき協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法766条を類推適用し、面接交渉について相当な処分を下すことができる

・協議離婚をする場合に未成年者の子がいるときは、その協議で、父母の一方(共同で親権を行使することはできない)を親権者と定めなければならない(819条1項)

・裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める(819条2項)。

・財産分与と慰謝料請求はその性質を異にすることを前提として、財産分与に慰謝の要素を含めることも可能であるが、財産分与に慰謝の要素を含めた趣旨と解されないか、あるいはそれが慰謝するに足りないときには慰謝料請求は妨げられない

・財産分与と異なり、夫婦の共有財産は、離婚のときから2年以内に分割しなければならないわけではない。

・離婚訴訟において、裁判所は、夫婦の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて財産分与の額及び方法を定めることができる。

・財産分与によって一般債権者に対する共同担保を減少させる結果になるとしても、それが768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産分与であると認るに足りる特段の事情のない限り、詐害行為となりえない。