民法択一 親族 養子

・養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる(727条)。

・養子の子といった縁組前に生じた養子の血族は、養親とは親族関係にはならない。

・配偶者のある者が養子となる縁組をするには、配偶者とともに縁組をする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合を除き、配偶者の同意を得なければならない(796条)。

・未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならないが、自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合はこの限りではない(798条)。!

・養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる(797条1項)。

・未成年者を養子とするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。養子縁組の成立には別途、養子縁組の届出が必要になる(799条・739条1項)ことに注意!!

・養親が未成年者であることは、養子縁組の取消原因となる(804条本文、792条)。もっとも、婚姻による成年擬制が生じた者は養親たり得る(753条)。

・詐欺又は強迫によって養子縁組をした者は、養子縁組の取消しを裁判所に請求することができる(808条1項前段、747条1項)。

・養子縁組の無効は、いつでも何人でも主張でき、相手方からの訴えに対する抗弁や、別訴での前提問題として主張してもよい。

・養子縁組の取消しは、一定の取消原因に該当し、かつ、法定の取消権者が裁判所に請求するという方法によってのみ主張することが許される。

・養子縁組の取消権者に検察官は規定されていない!!!

・養子縁組の当時その取消原因があることを知らない当事者であっても、養子縁組によって得た財産を現に利益を受けている限度で返還しなければならない(808条1項前段・748条2項)


・縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁しようとするときは、家庭裁判所の許可を得てこれをすることができる(811条6項)

・縁組の当事者は協議で離縁することができる(811条1項)。=家庭裁判所の許可は不要

・養子が15歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする(811条2項)。

・養子は、離縁によって縁組前の氏に復する。ただし、配偶者とともに養子をした養親の一方のみと離縁をした場合は、この限りではない(816条1項)。

・縁組の日から7年を経過した後に816条1項の規定により縁組前の氏に復した者は、縁組の日から3か月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離縁の際に称していた氏を称することができる(816条2項)。

・未成年者と異なり、成年者の養子は、養親である夫婦の一方と離縁できる(811条の2本文)。

・特別養子縁組の養親は、配偶者のある者でなければならず(817条の3第1項)、夫婦の一方が養親とならない場合、他方も養親になれないのが原則(817条の3第2項本文)。ただし、夫婦の一方が、他方の嫡出子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く)の養親になる場合は夫婦が同時に養親になる必要はない(同条但し書き)

・25歳に達しない者は、特別養子縁組における養親になることはできない(817条の4本文)

・養親となる夫婦の一方が25歳に達していれば、もう一方は20歳以上であれば特別養子縁組における養親になることができる(817条の4ただし書)。

・特別養子縁組の請求時に6歳に達している者は特別養子となることができないのが原則である(817条の5本文)。

・例外的に6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている者(8歳未満)が特別養子となれる。

・特別養子縁組は、養子となる者について、父母による監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のために特に必要があるときでなければ成立させることはできない(817条の7)。

・特別養子縁組を成立させるためには、養親となる者が養子となる者を6か月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。

・特別養子縁組が成立した場合、養子と実方の父母及びその血族との親族関係は終了する(817条の9)。→養子は実方の父母を相続することはできない。

・家庭裁判所は、養子・実父母又は検察官の請求により(×養親)、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる(817条の10第1項柱書)。

・普通養子縁組は協議によって解消することができるが、特別養子縁組は、協議によって解消することはできない。=裁判所の審判によって離縁

・817条の10第2項は、同条1項各号に定める法定事由以外の理由による特別養子縁組の離縁を認めていない。

・特別養子縁組により終了した養子と当該養子の実方の父母との親族関係は、離縁をしない限り、養父母の双方が死亡したとしても復活することはない。