民法択一 物権 非典型担保 代理受領


・債権に譲渡禁止特約がある場合にも、債権者は第三者に対して当該債権の弁済を自己に代わって受領する権限を与えることはできる!!←代理受領は、債権者が第三者に債権の取立権限を委任するものであり、債権自体を譲渡するものではない!!ヘーー

・BがAからの融資を受けるに当たり、BがCに対し有する債権についての弁済の受領権限をAに与えた場合、CがAの弁済受領を承認したにもかかわらず、CがBに弁済してしまったときは、Cは、Aに対し、不法行為責任を負う。←代理受領における第三債務者の承認は、単に代理受領を承認するにとどまらず、代理受領によって得られる利益を承認し、正当な理由がなく利益を侵害しないという趣旨をも当然包含するものと解するべきであり、承認の趣旨に反し、利益を害することのないようにすべき義務がある。

+判例(S44.3.4)
上告代理人上田明信、同鎌田泰輝の上告理由(一)について。
所論は、訴外東海航空測量株式会社(以下、東海航空測量という。)は昭和三四年一一月下旬北海道開発局函館開発建設部(以下、函館開発建設部という。)に対し、訴外Aに対する代理受領の委任を解除した旨を通知し、右通知によつてAの代理受領の権限は消滅し、被上告人には、函館開発建設部のした本件請負代金の支払によつて侵害されるべき利益はない旨主張する。
しかし、原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)が適法に確定したところによれば、東海航空測量は昭和三四年五、六月頃Aに対して、東海航空測量の函館開発建設部に対する本件請負代金債権の受領の代理権を与えてその受領を委任したというのであるから、右認定にかかる代理権授与の契約は、右委任の契約と一体をなしているものと解すべきである。また一方、原判決によれば、東海航空測量がした右委任契約を解除する旨の意思表示はその効力を生じない旨判示されており、右原判示も正当として是認できるのである。そうすると、所論代理受領の権限は消滅することなくなお存続しているものと解すべきであり、これと同趣旨の原判決は相当である。右代理権は、函館開発建設部に対する解除の通知によつて消滅したという所論の見解には賛成することができず、右見解を前提とする論旨は採用することができない。

同(二)について。
所論は、(イ)函館開発建設部は、代理受領権者であるAに対して本件請負代金の支払をすることを妨げないとともに、東海航空測量に対しても有効に支払ができるのであるから、右支払が被上告人に対する関係で当然に違法になることはない、(ロ)これを違法として不法行為の成立を認めた原判示は矛盾している旨主張する。
しかし、原判決において、原審が挙示の証拠により適法に確定したところによれば、本件請負代金債権は、被上告人の東海航空測量に対する本件手形金債権の担保となつており、函館開発建設部は、本件代理受領の委任状が提出された当時右担保の事実を知つて右代理受領を承認したというのである。そして右事実関係のもとにおいては、被上告人は、Aが同建設部から右請負代金を受領すれば、右手形金債権の満足が得られるという利益を有すると解されるが、また、右承認は、単に代理受領を承認するというにとどまらず、代理受領によつて得られる被上告人の右利益を承認し、正当の理由がなく右利益を侵害しないという趣旨をも当然包含するものと解すべきであり、したがつて、同建設部としては、右承認の趣旨に反し、被上告人の右利益を害することのないようにすべき義務があると解するのが相当である。しかるに、原判決によれば、同建設部長Bは、右義務に違背し、原判示の過失により、右請負代金を東海航空測量に支払い、Aがその支払を受けることができないようにしたというのであるから、右Bの行為は違法なものというべく、したがつて、原審が結局上告人に不法行為責任を認めた判断は正当である。そして函館開発建設部の東海航空測量に対する支払が有効であるとしても、原審が、右支払のされたことのみによつて直ちに原判示の過失を認めたものでないことは、原判文により明らかであるから、原判決に所論の矛盾は存在しない。論旨は採ることができない。


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