民法択一 物権 用益物権 入会権


・入会権の内容である使用収益権は、入会団体の構成員たる資格に基づくものであり、本来、各自が単独で行使できるものであるから、構成員各自が単独で妨害排除請求権を行使できる。

・入会権が「共有の性質を有する入会権」(263条)に当たるか否か
入会権者の権利がその共有に属する地盤を目的とするか、他人の所有に属する地盤を目的とするかによって区別すべき!
+第263条
共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する

入会権は登記なくして第三者に対抗することができる!!!このことは入会権が共有の性質を有するかどうかを問わない!!

・入会権は権利者である一定の村落住民の総有に属する!!ものであるが、村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力なき社団に当たる場合には、当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有する!!!
+判例
入会権は権利者である一定の村落住民の総有に属するものであるが(最高裁昭和三四年(オ)第六五〇号同四一年一一月二五日第二小法廷判決・民集二〇巻九号一九二一頁)、村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である。
けだし、訴訟における当事者適格は、特定の訴訟物について、誰が当事者として訴訟を追行し、また、誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられるべき事柄であるところ、入会権は、村落住民各自が共有におけるような持分権を有するものではなく、村落において形成されてきた慣習等の規律に服する団体的色彩の濃い共同所有の権利形態であることに鑑み、入会権の帰属する村落住民が権利能力のない社団である入会団体を形成している場合には、当該入会団体が当事者として入会権の帰属に関する訴訟を追行し、本案判決を受けることを認めるのが、このような紛争を複雑化、長期化させることなく解決するために適切であるからである。

+権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、当該入会団体の規約等において当該不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要するものと解するのが相当である。
けだし、右の総有権確認請求訴訟についてされた確定判決の効力は構成員全員に対して及ぶものであり、入会団体が敗訴した場合には構成員全員の総有権を失わせる処分をしたのと事実上同じ結果をもたらすことになる上、入会団体の代表者の有する代表権の範囲は、団体ごとに異なり、当然に一切の裁判上又は裁判外の行為に及ぶものとは考えられないからである。

+権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産につきある構成員個人を登記名義人とすることとされた場合には、当該構成員は、入会団体の代表者でなくても、自己の名で右不動産についての登記手続請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である。
けだし、権利能力のない社団である入会団体において右のような措置を採ることが必要になるのは入会団体の名義をもって登記をすることができないためであるが、任期の定めのある代表者を登記名義人として表示し、その交代に伴って所有名義を変更するという手続を採ることなく、別途、当該入会団体において適切であるとされた構成員を所有者として登記簿上表示する場合であっても、そのような登記が公示の機能を果たさないとはいえないのであって、右構成員は構成員全員のために登記名義人になることができるのであり、右のような措置が採られた場合には、右構成員は、入会団体から、登記名義人になることを委ねられるとともに登記手続請求訴訟を追行する権限を授与されたものとみるのが当事者の意思にそうものと解されるから!!!!である。このように解したとしても、民訴法が訴訟代理人を原則として弁護士に限り、信託法一一条が訴訟行為をさせることを主たる目的とする信託を禁止している趣旨を潜脱するものということはできない。!!!!!!
民訴の論点も入ってるね・・・

+権利能力なき社団
民事訴訟法第29条において、権利能力なき社団で「代表者の定め」のあるものは訴訟の当事者となることができる旨が規定されていることから、権利能力なき社団は、「代表者の定め」が有るものと無いものに分類することができる。前者が狭義の「権利能力なき社団」、後者を含めたものが広義の「権利能力なき社団」であって、成立要件が異なる。
代表者の定めが無い場合(広義の「権利能力なき社団」)について、判例は「権利能力なき社団の財産は、実質的には社団を構成する総社員の所謂総有に属するものであるから、総社員の同意をもつて、総有の廃止その他右財産の処分に関する定めのなされない限り、現社員及び元社員は、当然には、右財産に関し、共有の持分権又は分割請求権を有するものではないと解するのが相当である。」(最判 昭和32年11月14日民集 第11巻12号1943頁)としているから、所有財産が総有となる形態を取ることが、最低限の成立要件である。
訴訟の当事者となり得る狭義の「権利能力なき社団」となるためには、「団体としての組織をそなえそこには多数決の原則が行なわれ構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、しかしてその組織によつて代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものでなければならない」

+共同所有の諸形態
共有
「(狭義の)共有」はその共有者に特別な人的つながりはあまりなく、たまたま偶然的に共同で所有している状態に過ぎず、個人主義的な共有形態であり、民法で規定される共有はほとんどこの共有のことを指します。
=ある目的物を共有する限りで偶然的に関係するにすぎず、団体を形成しない(249条)。
●各自の持分・・・有り
●各自の持分の処分・・・自由(他の共有者から独立して処分できる)
●各自の持分の分割請求・・・自由(いつでも分割を請求可)

合有
「合有」はその共有者が共同目的を有し、その目的達成のために一つの団体を作り目的物を所有する形態であり、その共同目的による団体的規制を受けます。ですから、その合有物は様々な制限を受けることになります。
=共同目的達成のため、団体的結合を作っている(667条共同事業)
●各自の持分・・・有り
●各自の持分の処分・・・所有目的により制限される
●各自の持分の分割請求・・・団体存続中は認められない。
●合有の例・・・○○組合の財産など

総有
「総有」は共有者に地縁や血縁等による人的つながりが有る場合で、団体的性格の強い状態であり、その団体的拘束を受けます。その総有物は団体的規制により使用や利用が強く制限され、各自の持分という概念もありません。
=各人は団体に包摂されるが、各人も全面的に独立性を失うわけではない。
●各自の持分・・・無し
●各自の持分の処分・・・認められない
●各自の持分の分割請求・・・認められない
●総有の例・・・入会権や権利能力なき社団の財産など


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