憲法択一 統治 憲法訴訟


・憲法判断回避論:訴訟において違憲の争点が適法に提起されている場合でも、裁判所はその争点に触れないで事件を解決することができるのならば、あえて憲法判断をする必要はないし、すべきでもない。

・憲法判断回避の方法として、憲法判断そのものを回避する方法と、法律の違憲判断を回避(合憲限定解釈)する方法の2つが挙げられる。

・被告人の行為は自衛隊法121条の構成要件に該当しないとして無罪とするとともに、その結論に達した以上、もはや、弁護人ら指摘の憲法問題に関し、何らの判断を行う必要がないのみならず、これを行うべきではないとする。(恵庭事件)

・輸入書籍・図画等の税関検査の合憲性が問題となった事案において、表現の自由を規制する立法について合憲限定解釈が許されるのは、その解釈により、規制の対象になるものとそうでないものとが明確に区別され、かつ、合憲的に規制し得るもののみが規制の対象となることが明らかにされる場合であって、しかも一般市民の理解において、具体的場合に当該表現物が規制の対象となるかどうかの判断を可能ならしめるような基準をその基準から読み取ることができるときに限られるとした。→「風俗を害すべき書籍、図画」等とは、わいせつな書籍、図画等を指すものと解すべきであり、この規定は広汎又は不明確ゆえに違憲無効ということはできず、当該規定によるわいせつ表現物の輸入規制が憲法21条1項の規定に違反するものではない。

・法令違憲:争われた法令の規定そのものを違憲と判断する方法。

・運用違憲:法令の一連の適用の在り方に照らして違憲と判断される運用の一環としてなされた処分を違憲と判断する方法。=この手法は、法令の具体的適用の次元ではなく、その前の運用一般の次元で違憲と判断するという点で、適用違憲の手法よりも、法令違憲の手法に近い。

・適用違憲:法令が当該事件に適用される限りで違憲として、その適用を排除する方法をいう。

・17条に違反するかどうかは、当該行為の態様、これによって侵害される法的利益の種類及び侵害の程度、免責又は責任限定の範囲及び程度等に応じ、当該規定の目的の正当性並びに手段として 免責又は責任限定を認めることの合理性及び必要性を総合的に考慮して判断すべきである。(郵便法免責規定違憲判決)

・当事者においてある法令が憲法に適合しない旨を主張した場合に、裁判所が有罪判決の理由中にその法令の適用を挙示したときは、その法令は憲法に適合するものであるとの判断を示したものに他ならない。

・違憲とされた法令は一般に無効になるとする見解←当該事件に限って無効の扱いを受けるとすると法的安定性を害する。憲法98条1項の文言。

・違憲とされた法令は当該事件に限って適用が排除されると解する見解←違憲判決に一般的効力を認めると、裁判所に一種の消極的立法作用を認めることになり、国会以外による実質的意味の立法は憲法の特別の定めがある場合を除いて許されないという国会中心立法(×国会単独立法)の原則に反する。

・付随的違憲審査制説をとった場合でも、法令違憲の判決の効力について、一般的効力説を採ることは可能である。

・個別的効力説を前提とした場合でも、行政機関は最高裁判所が違憲無効と判断した法律を執行することはできないと解することは可能←他の国家機関は、最高裁判所の違憲判決を十分尊重することが要求されるから。

・将来効判決:ほうれいを違憲無効とはするが、その効力の発生は将来の一定時期以降にするという判決方法。(実際に採用した例はない)

・事情判決:判決の中で処分又は裁決が違法だと宣言するが、無効にはしないという判決方法。⇔裁判拒絶と同じだという批判あり。


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