会社法 事例で考える会社法 事例13 紛争の効果的解決


Ⅰ 出題の趣旨

Ⅱ 訴えの選択
1.瑕疵の特定

+(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)
第八百三十条  株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる
2  株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。

(株主総会等の決議の取消しの訴え)
第八百三十一条  次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
一  株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
二  株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三  株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
2  前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。

+(株主に対する通知等)
第百二十六条  株式会社が株主に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該株主の住所(当該株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる
2  前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
3  株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が株主に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。この場合においては、その者を株主とみなして、前二項の規定を適用する。
4  前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が株式の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。
5  前各項の規定は、第二百九十九条第一項(第三百二十五条において準用する場合を含む。)の通知に際して株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、第二項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。

2.訴えの選択

・「不存在」=およそ物理的に決議が存在しない場合のみならず、手続き的瑕疵が著しく、これを不存在として評価すべき場合も含む。

3.具体的な主張

Ⅲ 被告側の反論と結論
1.被告の反論
・全員出席総会
+判例(S60.12.20)
理由
上告人の上告理由について
商法が、二三一条以下の規定により、株主総会を招集するためには招集権者による招集の手続を経ることが必要であるとしている趣旨は、全株主に対し、会議体としての機関である株主総会の開催と会議の目的たる事項を知らせることによつて、これに対する出席の機会を与えるとともにその議事及び議決に参加するための準備の機会を与えることを目的とするものであるから、招集権者による株主総会の招集の手続を欠く場合であつても、株主全員がその開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会において、株主総会の権限に属する事項につき決議をしたときには、右決議は有効に成立するものというべきであり(最高裁昭和四三年(オ)第八二六号同四六年六月二四日第一小法廷判決・民集二五巻四号五九六頁参照)、また、株主の作成にかかる委任状に基づいて選任された代理人が出席することにより株主全員が出席したこととなる右総会において決議がされたときには、右株主が会議の目的たる事項を了知して委任状を作成したものであり、かつ、当該決議が右会議の目的たる事項の範囲内のものである限り、右決議は、有効に成立するものと解すべきである。
本件において、原審の適法に確定したところによれば、(一)被上告会社は、昭和四七年二月三日設立され、上告人が代表取締役に、訴外A外四名が取締役にそれぞれ就任した、(二)昭和四八年二月三日、右取締役六名の任期が満了したが、定款所定の取締役及び代表取締役の員数を欠くに至り、後任者が就職するまで上告人が代表取締役の権利義務を、A外四名が取締役の権利義務をそれぞれ有することとなつた、(三)被上告会社は、昭和五〇年六月、上告人から本件土地建物を賃借し、上告人に対し敷金八〇万円(以下「本件敷金」という。)を交付した、(四)Aは、被上告会社の代表権を有しないにもかかわらず、被上告会社を代表して、昭和五一年六月一日、上告人との間で右賃貸借契約を合意解約(以下「本件合意解約」という。)したうえ、上告人に対し本件土地建物を明け渡し、同年七月二六日ころ上告人に到達の書面をもつて本件敷金を返還すべき旨の催告をした、(五)被上告会社の昭和五六年五月三一日開催の株主総会(以下「本件株主総会」という。)は、これを招集する権限を有しないAが役員選任決議等を会議の目的たる事項と定めて招集したものであるが、右会議の目的たる事項を了知して委任状を作成しこれに基づいて選任された代理人を出席させた株主も含め、被上告会社の株主一〇名全員がその開催に同意して出席し会議が開かれた、(六)本件株主総会において、Aらを取締役に選任する旨の決議がされ、そのころ、右決議によつて選任された取締役により構成された取締役会において、Aを代表取締役に選任する旨の決議がされた、(七)同じく右取締役により構成された昭和五八年三月一九日開催の取締役会において、Aのした本件合意解約及び本件敷金返還の催告を追認する旨の決議がされ、同月二二日被上告会社が上告人に対し右追認の意思表示をした、というのである。
右事実関係のもとにおいては、Aらを取締役に選任する旨の本件株主総会における決議を有効と解すべきものであることは、前記の説示に照らして明らかであり、したがつて、右取締役により構成された取締役会のしたAを代表取締役に選任する旨の決議並びに本件合意解約及び本件敷金返還の催告を追認する旨の決議は、いずれも有効というべきであるから、本件合意解約及び本件敷金返還の催告は、その効力を生ずるに至つたとした原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、いずれも採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 木下忠良 裁判官 大橋進 裁判官 牧圭次 裁判官 島谷六郎 裁判官 藤島昭)

2.訴訟の帰趨

・不存在事由
+判例(S45.8.20)
理由
上告代理人人見利夫、同加藤公敏の上告理由第一点について。
原審の認定するところによれば、被上告会社は親類縁者一〇名をもつて昭和二七年三月設立されたいわゆる同族会社であるが、代表取締役土谷剛治が昭和三四年三月三日死亡したので、取締役であつた土谷太郎(当時の取締役は以上二名の外、河合浩がいた。)が急遽その後任人事を決定するため、同月一五日、電話又は口頭をもつて株主ら(ただし河石鶴子を除く)に通知して臨時総会を招集し、その結果沢英堅(六〇〇株)、西亀耕二(三〇〇株)、河石九二夫(三〇〇株)、土谷太郎(六〇株)、土谷民(六〇株)の各株主のほか、剛治(九〇〇株)(以上かつこ内は各人の持株数)の相続人の資格において、民(上告人)、太郎、崇、章子(ただし相続人のうち二郎は欠席)が出席し、その総会において、取締役として土谷太郎、沢英堅、土谷民、監査役として西亀耕二をそれぞれ選任する旨の決議がなされたというのである。そして右原審の認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして、首肯することができる。
ところで、株主総会の招集は、原則として、代表取締役が取締役会の決議に基づいて行なわなければならないものであるところ、前記総会が被上告会社の代表取締役以外の取締役である土谷太郎によつて招集されたものであることは前述のとおりであり、しかも、前記認定の事実によれば、右総会は取締役会の決議を経ることなしに同取締役の専断によつて招集されたものと推認される。してみれば、右総会は招集権限のない者により招集されたものであつて、法律上の意義における株主総会ということはできず、そこで決議がなされたとしても、株主総会の決議があつたものと解することはできない。したがつて、右決議の無効確認を求める上告人の本訴請求は理由があるというべきであり、論旨は理由がある。原判決は破棄を免れない。
よつて、上告理由中その余の点にいつての判断を省略し、民訴法四〇八条一号、三九六条、三八四条、九六条、八九条に従い、裁判官松田二郎の意見があるほか、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
裁判官松田二郎の意見は次のとおりである。
私は本件の多数意見の結論に賛成であるが、これに関しては、当裁判所昭和四一年(オ)第八二号、同四五年七月九日第一小法廷判決における私の反対意見を引用する。(大隅健一郎 入江俊郎 長部謹吾 松田二郎 岩田誠)

+判例(H2.4.17)
理由 
 一 上告代理人斎藤勉の上告理由第一点及び第二点について 
 1 原審が確定した事実関係は、次のとおりである。 
 (一) 上告人の発行済株式総数は四〇〇〇株であり、これを被上告人とAが各二〇〇〇株保有している。 
 (二) 昭和四九年六月三〇日当時、上告人の取締役には被上告人、A、B及びCの四名が、代表取締役には被上告人が、それぞれ就任していた。 
 (三) 被上告人が昭和四九年七月一日取締役を辞任した旨の辞任届及び上告人の同日付け臨時株主総会においてDをその後任取締役に選任する旨の決議がされ、上告人の同日付け取締役会においてAを代表取締役に選任する旨の決議がされたとする各議事録が存し、同月五日、上告人の商業登記簿に「同月一日付けをもって、被上告人が取締役及び代表取締役を辞任し、Dが取締役に就任し、Aが代表取締役に就任した」旨の登記がされているが、実際には、被上告人が取締役を辞任した事実はなく、また、右株主総会及び取締役会は開催されておらず、右各決議が存在するものということはできない。 
 (四) 上告人の商業登記簿には、昭和五九年一月三一日A、C及びDの三名が取締役に就任し、Aが代表取締役に就任した旨の登記がされている。 
 (五) A及びCは、被上告人が昭和四九年七月一日に上告人の取締役を辞任した事実はなく、同日付けの臨時株主総会及び取締役会における前記各決議も存在しないとする被上告人の主張が本件訴訟において認められた場合に備え、同年六月三〇日当時上告人の取締役に選任されていた者により改めて取締役会を開催した上、被上告人を代表取締役から解任して新たに代表取締役を選任すべく、これを議題とする取締役会の招集を被上告人に請求したところ、被上告人は、これに応じ、昭和六〇年一月二四日A及びCに対し取締役会招集通知を発した。 
 (六) 右通知に基づき、同月三〇日、A、C及び被上告人が参集して上告人の取締役会が開催され、被上告人を上告人の代表取締役から解任し、Aを代表取締役に選任する旨の決議がされた
。 
 2 上告人は、被上告人が上告人の取締役を辞任した事実がなく、前記昭和四九年七月一日付けの各決議が存在しないとしても、昭和六〇年一月三〇日に開催された取締役会において、被上告人を代表取締役から解任し、Aを代表取締役に選任する旨の決議がされたから、被上告人の本件請求のうち、被上告人が上告人の代表取締役の地位にあることの確認及びAが上告人の代表取締役の地位にないことの確認を求める請求は理由がないと主張した。 
 3 原審は、前記事実関係のもとにおいて、昭和六〇年一月三〇日当時における上告人の取締役は、商業登記簿に記載されたA、C及びDの三名であることを理由に、同日に開催されたとする上告人主張の取締役会は、上告人の取締役会ということはできず、右取締役会の決議は存在しないと解すべきであると判断して、上告人の右主張を排斥し、被上告人の右請求を認容した。 
 4 しかしながら、原審の右判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。 
 すなわち、記録中の上告人の定款によると、上告人の取締役の任期は二年、員数は五人以内と定められていることが、また、同じくその商業登記簿によると、昭和四九年六月三〇日当時上告人の取締役又は代表取締役に就任していた者は、いずれも、昭和四七年一二月二五日に選任(重任)されたものであることが窺われるところ、前記事実関係によれば、被上告人が上告人の取締役を辞任した事実はないというのであるから、被上告人はその任期が満了する昭和四九年一二月二五日まで上告人の取締役たる地位を有していたものというべきところ、同日の経過をもって、被上告人のみならず、A、B及びCの三名の任期も満了するから、上告人は商法二五五条に定める取締役の員数を欠くことになり、したがって、同法二五八条一項に基づき、右四名は、新たに選任された取締役が就職するまで、引き続き上告人の取締役としての権利義務を有するものといわなければならず、また、同法二六一条三項、二五八条一項に基づき、被上告人は、同様に、引き続き代表取締役としての権利義務を有するものといわなければならない。 
 もっとも、上告人の商業登記簿上は、昭和五九年一月三一日に新たにA、C及びDの三名が取締役に選任された旨の登記がされていることは原審が確定したところであり、また、記録中の上告人の商業登記簿によると、その前の昭和五三年五月二五日、昭和五六年一月三一日にも新たに取締役が選任された旨の登記がされていることが窺われる。しかし、昭和四九年七月一日付けの株主総会におけるDを取締役に選任する旨の決議が存在するものとはいえないことは前記のとおりであるところ、このように取締役を選任する旨の株主総会の決議が存在するものとはいえない場合においては、当該取締役によって構成される取締役会は正当な取締役会とはいえず、かつ、その取締役会で選任された代表取締役も正当に選任されたものではなく(ちなみに、本件においては、Aを代表取締役に選任する旨の昭和四九年七月一日付けの上告人の取締役会の決議自体存在しないことは、原審が確定しているところである。)、株主総会召集権限を有しないから、このような取締役会の招集決定に基づき、このような代表取締役が招集した株主総会において新たに取締役を選任する旨の決議がされたとしても、その決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り(最高裁昭和五八年の第一五六七号同六〇年一二月二〇日第二小法廷判決・民集三九巻八号一八六九頁参照)、法律上存在しないものといわざるを得ないしたがって、この瑕疵が継続する限り、以後の株主総会において新たに取締役を選任することはできないものと解される。そして、本件においては、このような特段の事情についての主張立証はない。 
 してみると、昭和六〇年一月三〇日当時、被上告人、A、C及びBの四名は、商法二五八条一項に基づき、上告人の取締役としての権利義務を有していたものであり、このうち被上告人、A及びCの三名によって同日開催された取締役会における、被上告人を上告人の代表取締役から解任し、Aを代表取締役に選任する旨の前記決議は、招集通知を欠いたBが出席してもなお決議の結果に影響を及ぼさないと認めるべき特段の事情がある場合には有効と解すべきものである(最高裁昭和四三年(オ)第一一四四号同四四年一二月二日第三小法廷判決・民集二三巻一二号二三九六頁参照)から、この場合にあっては、被上告人は、上告人の取締役としての権利義務は依然として有するものの、代表取締役としての権利義務は消滅し、Aが代表取締役たる地位を取得したものといわなければならないしたがって、昭和六〇年一月三〇日の時点においては被上告人、A、B及びCの四名が上告人の取締役であるとはいえないことを理由に、同日開催された取締役会における前記決議は存在しないものと解し、被上告人が上告人の代表取締役の地位にあることの確認及びAが上告人の代表取締役の地位にないことの確認を求める被上告人の請求を認容すべきものとした原判決には、法令の解釈適用を誤り、ひいては審理不尽の違法があるものというべきであり、右違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。論旨は、以上の趣旨をいうものとして理由があり、原判決中右請求に係る部分は、破棄を免れない。そして、右部分については、昭和六〇年一月三〇日開催の取締役会の決議の効力につき更に審理を尽くさせる必要があるから、これを原審に差し戻すべきである。 
 二 同第三点について 
 被上告人は、商法二五八条一項に基づき、任期満了後も引き続き取締役としての権利義務を有するものと解されることは、前示のとおりである。しかして、記録によれば、被上告人は、右任期満了後に、被上告人が上告人の取締役の地位にあることの確認請求を含む本件訴訟を提起したものであることは明らかであるところ、このような場合には、右請求は、同項に基づく取締役の権利義務を有する者としての地位の確認を求める趣旨のものと解するのが相当であるから、被上告人が任期満了により取締役を退任したものであるか否かについて釈明を求めなかった原審の措置に違法はない。論旨は、採用することができない。 
 三 なお、上告人は、原判決中その余の請求に係る部分については、上告理由を記載した書面を提出しない。 
 四 よって、民訴法四〇七条一項、三九六条、三八四条、三九九条、三九九条の三、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 
 (裁判長裁判官 貞家克己 裁判官 安岡滿彦 裁判官 坂上壽夫 裁判官 園部逸夫) 
+判例(S33.10.3)
理由 
 上告代理人の上告理由第一点について。 
 所論は要するに被上告人らは上告会社の株主でなく原審は商法二〇四条二項の解釈を誤つたと主張する。しかし、所論の如き株式の譲渡がなされた旨の上告人の主張については、原審が証拠上これを排斥していることは判文上明白であるから原審の商法二〇四条二項の判示は結局無用の説示に帰しこの点を攻撃する所論は採用し難い。 
 同第二点について。 
 所論は要するに本件株主総会決議は有効に成立したもので、たとえ手続に暇疵ありとするもそれは決議取消の事由たるに過ぎず、これを決議不存在と解するのは誤りである旨主張する。 
 しかし原審は所論総会当時における上告会社の株主は原判示の如く被上告人、A、B、C、D、E、上告会社代表取締役F、G、Hの九名(総株式数五千株)であること、しかるに右総会については被上告人以下六名(その持株二千百株)に対しては招集の通知が全然なされなかつたこと、G及びHに対したとえ招集の通知があつたとしても、それは単なる口頭の招集にすぎず、しかも右G及びHの両名はいずれもFの実子であることを認定し、所論株主総会の決議は、なんら法律所定の手続によらず単に親子三名によつてなされたことが明白であるから、これをもつて株主総会が成立し、その決議があつたものといえない旨判示しているのであつて、原審のこの判断は相当である。 
 よつて所論は採用し難い。 
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 
 (裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)
Ⅵ おわりに


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