民事訴訟法 基礎演習 独立当事者参加


・+(独立当事者参加)
第47条
1項 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
2項 前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
3項 前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
4項 第40条第1項から第3項までの規定は第一項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第43条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。

+(必要的共同訴訟)
第40条
1項 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる
2項 前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
3項 第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
4項 第32条第1項の規定は、第1項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。

1.制度趣旨
・紛争の統一的な解決自体
・第三者が当事者間の訴訟によって不利益を被ることを避けるための制度
・三者間での矛盾のない紛争の一挙的解決

2.参加の要件

・前段参加
広く詐害的な訴訟の場合に参加を認める方向

・後段参加
請求が両立しない場合

+判例(H6.9.27)
理由
上告代理人藤平芳雄の上告理由第三点について
一 記録によれば、本件訴訟の経過は次のとおりである。
1 上告人は、被上告人河原林孟夫に対し、昭和五〇年五月二二日、売買契約に基づく本件土地(一)、(二)の所有権移転登記手続及び不法行為に基づく損害賠償を求める本訴を提起した。その主張の骨子は、(1) 上告人は、被上告人河原林から、昭和四二年一二月九日、本件土地(一)、(二)及び本件土地(一)の上に存する本件建物を代金合計一七〇万円で買い受けた(以下、この売買を「本件売買契約」という。)、(2) 上告人は、昭和四五年ころ、本件土地(二)の上に建物を建築する目的で三〇〇万円相当の木材を購入したが、被上告人河原林が建築を妨害したため、建築に着手することができず、右木材が朽廃し、三〇〇万円の損害を被った、というものである。

2 第一審裁判所は、本件売買契約の成否などの争点につき審理を遂げた上、昭和六〇年一二月一三日、本件売買契約の成立が認められるとして、本件土地(一)、(二)につき上告人の所有権移転登記手続請求を認容したが、被上告人河原林の建築妨害の事実は認めるに足りないとして、上告人の損害賠償請求を棄却する旨の判決をした。

3 被上告人河原林が控訴の申立てをして、原審係属中の平成二年三月一日、被上告人橋本治郎衛は、被上告人河原林に対し本件土地(一)、(二)につき所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を、上告人に対し右本登記手続の承諾をそれぞれ求めて、民訴法七一条による参加の申出(以下「本件参加の申出」という。)をした。その主張の骨子は、次のとおりである。(1)社寺信用組合は、被上告人河原林に対し、昭和四一年四月五日、五〇〇万円を貸し付け、その担保として本件土地(一)につき代物弁済予約をして、同月一三日、所有権移転請求権保全の仮登記を経由した。(2) 被上告人橋本は、社寺信用組合に対し、昭和五〇年六月二五日、被上告人河原林の残債務相当額を支払って、社寺信用組合から貸金債権及び仮登記担保権の譲渡を受け、同年八月一四日、右仮登記の移転付記登記を経由した。(3) 被上告人橋本は、被上告人河原林との間で、昭和四二年一〇月二六日、本件土地(一)、(二)を代金一六〇万円で買い受けることとする旨の売買の一方の予約をし、同四九年一一月一三日、本件土地(二)につき所有権移転請求権保全の仮登記を経由した。(4) 被上告人橋本は、被上告人河原林に対し、昭和五六年六月二四日、本件土地(一)につき代物弁済の予約完結の意思表示をし、本件土地(二)につき売買の予約完結の意思表示をした。(5) 被上告人橋本は、上告人及び被上告人河原林に対し、平成二年三月二日、本件参加の申出書によって本件土地(一)につき清算金がない旨の通知をした。(6) 上告人は、昭和五一年三月二三日、本件土地(一)、(二)につき処分禁止の仮処分登記を経由した。
4 上告人は、本件参加の申出につき民訴法七一条の要件を欠くものであるとして争い、また、右3の(3)の売買の一方の予約は通謀虚偽表示であるなどとして被上告人橋本の主張事実を争った。

二 原審は、まず、本件参加の申出は民訴法七一条後段の要件を満たすものであるとし、さらに、右一の3の被上告人橋本の主張事実は認めることができ、同4の上告人の通謀虚偽表示の主張事実は認めるに足りないから、被上告人橋本の請求をいずれも認容すべきであるとした上、本件参加の申出は、本件土地(一)、(二)の所有権をめぐる紛争を上告人と被上告人河原林との間及び被上告人橋本と上告人、被上告人河原林との間で同時に矛盾なく解決するためのものであるところ、上告人の被上告人河原林に対する所有権移転登記手続請求は民訴法七一条に基づく参加訴訟の形態及び目的からの制約を受け、被上告人橋本に対して所有権を主張できない立場にある上告人は、被上告人河原林に対しても所有権を前提とする請求をすることができなくなるものと解すべきであるとして、上告人の主張事実について判断するまでもなく、上告人の請求を棄却すべきものであるとした。

三 しかしながら、上告人の被上告人河原林に対する売買契約に基づく所有権移転登記手続を求める本訴につき、被上告人橋本が、被上告人河原林に対し代物弁済の予約又は売買の一方の予約による各予約完結の意思表示をしたことを理由とする所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を求め、かつ、右仮登記後にされた処分禁止の仮処分登記の名義人である上告人に対し右本登記手続の承諾を求めてした本件参加の申出は、民訴法七一条の要件を満たすものと解することはできない。けだし、同条の参加の制度は、同一の権利関係について、原告、被告及び参加人の三者が互いに相争う紛争を一の訴訟手続によって、一挙に矛盾なく解決しようとする訴訟形態であって、一の判決により訴訟の目的となった権利関係を全員につき合一に確定することを目的とするものであるところ(最高裁昭和三九年(オ)第七九七号同四二年九月二七日大法廷判決・民集二一巻七号一九二五頁)、被上告人橋本の本件参加の申出は、本件土地(一)、(二)の所有権の所在の確定を求める申立てを含むものではないので、上告人、被上告人河原林及び被上告人橋本の間において右各所有権の帰属が一の判決によって合一に確定されることはなく、また、他に合一に確定されるべき権利関係が訴訟の目的とはなっていないからである。 

 四 以上の次第で、本件参加の申出は、民訴法七一条の参加の申出ではなく、その実質は新訴の提起と解すべきであるから、原審としては、被上告人橋本の参加請求に係る部分を管轄を有することが明らかな京都地方裁判所に移送し、被上告人河原林の控訴に基づき第一審判決の当否について審理判断すべきであったのである。そうすると、これと異なる原審の前記二の判断には、民訴法七一条の解釈適用を誤った違法及び理由不備の違法があり、右違法が判決に影響することは明らかである。以上の趣旨をいうものとして論旨は理由があり、その余の上告理由について判断するまでもなく、原判決は破棄を免れない。したがって、原判決を破棄した上、原判決中、上告人の本訴請求に係る部分につき本件を大阪高等裁判所に差し戻すこととし、被上告人橋本の参加請求に係る部分につき本件を京都地方裁判所に移送することとする。
よって、民訴法四〇七条一項、四〇八条、三〇条一項に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官尾崎行信 裁判官園部逸夫 裁判官可部恒雄 裁判官大野正男 裁判官千種秀夫)

++解説
《解  説》
一 本件は、不動産の二重譲渡事例において、参加の申出が民訴法七一条の要件を満たすか否かが問題となったものである。
甲は、乙に対し、本件土地(一)、(二)につき昭和四二年一二月九日の売買契約に基づく所有権移転登記手続を求める本訴を提起した。一審判決は甲の右請求を認容した。丙は、控訴審において、乙に対しては本件土地(一)、(二)につき所有権移転請求権保全の仮登記に基づく本登記手続を、甲に対しては右本登記手続の承諾を求めて、民訴法七一条による参加の申出をした。丙の主張の骨子は、(ア)丁は、乙との間で貸金の担保として本件土地(一)につき代物弁済予約をして、昭和四一年四月一三日、所有権移転請求権保全の仮登記を経由したが、丙は、丁に対し乙の残債務を支払い、昭和五〇年八月一四日、右仮登記の移転付記登記を経由した、(イ)丙は、乙との間で、昭和四二年一〇月二六日、本件土地(一)、(二)につき売買の一方の予約をし、昭和四九年一一月一三日、本件土地(二)につき所有権移転請求権保全の仮登記を経由した、(ウ)丙は、乙に対し、昭和五六年六月二四日、本件土地(一)につき代物弁済の、本件土地(二)につき売買の各予約完結の意思表示をした、(エ)甲は、昭和五一年三月二三日、本件土地(一)、(二)につき処分禁止の仮処分登記を経由した、というものである。
本件参加の申出につき、甲は、民訴法七一条の要件を欠くものであると主張して争った。
しかし、原審は、(1)本件参加の申出は、本件土地(一)、(二)の所有権をめぐる紛争を甲と乙との間及び丙と甲・乙との間で同時に矛盾なく解決するためのものであり、民訴法七一条後段の要件を満たすものであるとし、(2)丙の主張事実がいずれも認められるから、丙の甲・乙に対する請求を認容すべきであるとした上、(3)甲の乙に対する本訴請求は民訴法七一条に基づく参加訴訟の形態及び目的からの制約を受け、丙に対して所有権を主張できない立場にある甲は、乙に対しても所有権を前提とする請求をすることができないとして、甲の主張事実について判断するまでもなく、その請求を棄却すべきものと判断した。甲が上告。

二 最高裁は、冒頭掲記の判決要旨のように判示し、本件参加の申出は、民訴法七一条の参加の申出ではなく、その実質は新訴の提起と解すべきであるから、原審としては、丙の参加請求に係る部分を管轄を有する一審裁判所に移送し、乙の控訴に基づき一審判決の当否について審理判断すべきであったとして、原判決を破棄した上、原判決中、甲の本訴請求に係る部分を原審に差し戻し、丙の参加請求に係る部分を管轄一審裁判所に移送した。

三 独立当事者参加訴訟の構造については、本判決の引用する最大判昭42・9・27民集二一巻七号一九二五頁、本誌二一三号九八頁が、「民訴法七一条の参加の制度は、同一の権利関係について、原被告および参加人の三者が互に相争う紛争を一の訴訟手続によって、一挙に矛盾なく解決しようとする訴訟形態であって、右三者を互にてい立、牽制しあう関係に置き、一の判決により訴訟の目的を全員につき合一にのみ確定することを目的とする」旨判示して、三面訴訟説に立つことを宣明して一応の決着をつけたが、なお判例上未解決の個別具体的な問題も多い。不動産の二重譲渡事例における独立当事者参加の許否もそのような問題の一つである。
不動産が二重譲渡された場合に、買主が売主に対し売買契約に基づき所有権移転登記手続を求める本訴に、他の買主が原告に対しては所有権の確認を、被告に対しては売買契約に基づき所有権移転登記手続を求めて独立当事者参加をし得るかについては、見解の対立がある。
二人の買主のいずれもが売主に対する所有権移転登記請求権を取得し、この二個の請求権は論理的に両立するものであり、参加人の原告に対する所有権確認請求は、参加人が未登記権利者であることからして主張自体失当であるから、独立当事者参加は原則として許されないが、参加人が原被告間の所有権移転が実体上無効であると主張する場合には許されるとする少数説(吉野衛「不動産の二重譲渡と独立当事者参加の許否」民事法の諸問題Ⅱ三〇八、三三二―三三三頁)もあるが、多数説は、参加の許否(原告の請求と参加人の請求が両立するか否か)は参加の申出の段階で参加請求の趣旨と原因とによって判断すべきであることを理由に、独立当事者参加を認める(上田=井上(治)編・注釈民事訴訟法(2)一九六頁〔河野正憲〕、斎藤=小室=西村=林屋編・注解民事訴訟法(2)二五七頁〔小室直人・東孝行〕、兼子=松浦=新堂=竹下・条解民事訴訟法一九八頁〔新堂幸司〕など)。
なお、多数説は、民訴法七一条後段の参加の要件について、「参加人の請求と本訴の請求が請求の趣旨において両立しない関係にあることが必要である」又は「参加人の請求及びそれを理由づける権利主張が本訴の請求又はそれを理由づける権利主張と論理的に両立しない関係にあることが必要である」との立場を前提とするものであるところ、右の二重譲渡事例においては、本訴の請求についてみると、(少なくとも参加人との関係における)所有権の帰属が問題になっていないから、その要件論と前記の結論とが厳密な意味で整合しているのかには、疑問がなくはない。その採る結論からすると、多数説は、参加人が原告との間での所有権の確認を求める場合には、当該不動産の所有権の帰属についての紛争があるものと考え、これをもって民訴法七一条後段の参加の要件を満たすものとするのであろう。
類似の二重譲渡事例において独立当事者参加を認めた下級審裁判例として、福岡高判昭30・10・10下民集六巻一〇号二一〇二頁、大阪高判昭43・5・16判時五五四号四七頁、本誌二二三号二〇六頁などがある。

四 右の二重譲渡事例における参加の申出と比較して特徴的なのは、本件参加の申出が所有権の所在の確定を求める申立てを含むものではないことである。そこで、丙の乙に対する登記請求は、その訴訟物をどのように構成しても、甲の乙に対する請求と両立するものであるし、丙の甲に対する承諾請求(その訴訟物は不動産登記法一〇五条が仮登記権利者に付与した承諾請求権である。吉野衛「仮登記の一考察(一)」判評七九号六四、七〇頁)もまた甲の乙に対する請求と両立する関係にある。結局、請求のレベルにおいては甲のそれと丙のそれとは論理的に両立するものである。また、請求を理由づける権利主張のレベルにおいても甲のそれと丙のそれとは論理的に両立するものである。
すなわち、先の二重譲渡事例における参加の申出については、参加人の原告に対する所有権確認請求があったため、所有権の帰属についての紛争があるものとみることもできないではないのであるが、本件においては、所有権の帰属についての紛争があるものとみることはできないのである。本判決は、「甲、乙及び丙の間において所有権の帰属が一の判決によって合一に確定されることはなく、また、他に合一に確定されるべき権利関係が訴訟の目的とはなっていない」と判示する。
既判力をもって確定されるべき訴訟物になっておらず、請求を理由づける主張としても取り上げられていない甲・丙間の所有権の帰属の問題を参加の許否の判断に際して考慮し得ないことは当然であろう。本件においては、先の二重譲渡事例における多数説、少数説のいずれの立場に立っても、本判決と同様の結論になるものと思われる。

五 なお、本判決は、本件参加の申出が民訴法七一条の要件を満たすものではないとしたため、原審の前記一の(3)の判断について直接的に判断を示すことはしていない。原審とほぼ同趣旨の判断をした下級審裁判例に新潟地判昭38・7・9下民集一四巻七号一三五四頁がある。
しかし、手続法の用意した道具によって実体法の内容が変容されることを認めるこのような見解は、通説の立場とは相いれないものと思われる(菊井=村松・全訂民事訴訟法Ⅰ〔追補版〕三九二頁、井上治典「独立当事者参加」新・実務民事訴訟講座3四五、五七頁など)。

3.必要的共同訴訟との違い

4.二当事者間の自白

5.訴訟物を処分する行為
・他の当事者の不利にならない限りこれを認めてもよいのではないかという視点。

6.敗訴当事者の一方からの実の上訴

+判例(S48.7.20)
理由
上告代理人小野実雄の上告理由第一点について。
所論は、要するに、上告人(参加人)岡山宮地弘商事株式会社(以下「参加人」という。)と被上告人(被告)広島駅弁当株式会社(以下「被告」という。)との間の訴訟は一審判決どおり確定しているのであつて、該請求が被上告人(原告)A(以下「原告」という。)の控訴にもとづく控訴審における審判の対象にはならない、というのである。
しかし、本件は、訴訟の目的が原告、被告および参加人の三者間において合一にのみ確定すべき場合(民訴法七一条、六二条)に当たることが明らかであるから、一審判決中参加人の被告に対する請求を認容した部分は、原告のみの控訴によつても確定を遮断され、かつ、控訴審においては、被告の控訴または附帯控訴の有無にかかわらず、合一確定のため必要な限度で一審判決中前記部分を参加人に不利に変更することができると解するのが相当である(最高裁昭和三九年(オ)第七九七号同四二年九月二七日大法廷判決・民集二一巻七号一九二五頁、最高裁昭和三四年(オ)第二一二号同三六年三月一六日第一小法廷判決・民集一五巻三号五二四頁、最高裁昭和四一年(オ)策二八八号同四三年四月一二日第二小法廷判決・民集二二巻四号八七七頁参照)。原判決に所論の違法はなく、所論は、これと異なる独自の見解にたつものであつて採用するをえない。

同第二点ないし第六点について。
所論に関する原審の事実認定は、原判決の挙示する証拠関係に照らし是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものであつて、採用することができない。
同第七点について。
原審はBが代理人として所論の債権譲渡の承諾をしたものと認定しているものであることは、判文に徴して明らかであるところ、債権譲渡の承諾は、観念の通知であるが、意思表示に関する規定が類推適用されるべきであつて、代理に親しむと解するのが相当である(大審院昭和三年(オ)第九四四号同四年二月二三日判決・民集八巻三三七頁参照)から、原判決に所論の違法はない。引用の判例は、本件に適切でなく、論旨は採用することができない。
同第八点について。
債権譲渡の承諾書が作成された後譲受人がその承諾書に確定日付を得た場合であつても、その確定日付の時から所定の対抗力を生じるものと解するのが相当である(大審院大正三年(オ)第三九一号同四年二月九日判決・民録二一輯九二頁参照)。これと同旨の原審判断は相当で、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 村上朝一 裁判官 岡原昌男 裁判官 小川信雄 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田豊)

・債権の二重譲渡の事案でXから債務者Yへの支払請求訴訟にZが独立当事者参加したところ、第1審は対抗問題においてZがXに優先するとしてZ全面勝訴!
これに対してXの実が控訴したのが上記判例。
ではYのみが控訴したらどうなっていたのか?
合一確定の要請but
当事者の利害に着目する方向から行くと、控訴したYに不利益な変更をして、Xに棚ぼた的な利益を与えるような理由はない!
(XY請求はそもそも移審せず確定するという考え方と、Xに附帯控訴の機会を与えるために移審はするという考え方がある)

・+判例(S50.3.13)
理由
本件訴訟において、第一審原告は第一審被告に対し本件溜池の所有権移転登記手続を請求し、第一審参加人は第一審原告に対しては売買を原因とする本件溜池の所有権移転登記手続を、第一審被告に対しては本件溜池の所有権確認を各請求し、第一審被告は第一審原告及び第一審参加人の両名を反訴被告として、本件溜池の所有権確認及び明渡を請求する反訴を提起したものである。そして第一審判決は第一審原告の請求を棄却し、第一審参加人の請求中第一審原告に対する請求を認容したが、第一審被告に対する請求を棄却し、また第一審被告の反訴請求を認容し、この第一審判決に対する控訴審において、原判決は控訴人ら(第一審参加人及び第一審原告)の各控訴を棄却したところ、これに対し、第一審参加人は第一審被告のみを相手方として本件上告を提起した。ところで、民訴法七一条による参加のなされた訴訟においては、原告、被告及び参加人の三者間にそれぞれ対立関係が生じ、かつ、その一人の上訴により全当事者につき移審の効果が生ずるものであるところ、かかる三当事者間の訴訟において、そのうちの一当事者が他の二当事者のうちの一当事者のみを相手方として上訴した場合には、この上訴の提起は同法六二条二項の準用により残る一当事者に対しても効力を生じ、この当事者は被上訴人としての地位に立つものと解するのを相当とする。そしてこの場合、上訴審は、上訴提起の相手方とされなかつた右当事者の上訴又は附帯上訴がなくても、当該訴訟の合一確定に必要な限度においては、その当事者の利益に原審判決を変更することができるものと解すべきであるから(最高裁昭和四八年七月二〇日第二小法廷判決・民集二七巻七号八六三頁参照)、上訴を提起した当事者とその上訴の相手方とされなかつた当事者との利害が実質的に共通である場合であつても、そのことは後者を上訴人として取扱うべきであるとする理由とはならない。したがつて、本件第一審原告は、当審においては被上告人の地位に立つものである(原審は、本件第一審判決に対する控訴を提起しなかつた第一審原告は第一審参加人と実質上利害を同じくするものであるとの理由で同原告を控訴人として取扱い、その控訴を棄却したのであつて、この点において原判決は違法であることを免れないが、この点については当審において不服申立がなく、かつ、後記のとおり上告人(第一審参加人)の本件上告は理由なく、原判決中第一審参加人の控訴を棄却した部分は正当であるから、原判決中第一審原告の控訴を棄却した部分も変更の要なく、これを破棄すべきではない。)。
上告代理人青木永光の上告理由について。
原判決の挙示する証拠関係に照らすときは、本件溜池の所有権は大宮村の成立と同時に同村に帰属したとする原審の認定は、これを首肯しえないものではない。原判決に所論の違法はなく、諭旨は採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岸上康夫 裁判官 藤林益三 裁判官 下田武三 裁判官 岸盛一)

+判例(S45.12.24)
理由
職権をもつて審按するのに、記録によれば、本件訴訟は、第一審原告(以下単に原告という。)が、本件係争土地について自己に所有権のあることを主張し、これに所有権取得登記を有する第一審被告義蔵およびこれに抵当権設定登記を有する第一審被告畑山(以下両名を単に被告らという。)に対し、それぞれ右各登記の抹消登記手続を求めたのに対し、第一審参加人孝一(以下単に参加人という。)が、同様右土地について自己に所有権のあることを主張したうえ、原告および被告らを相手として民訴法七一条に基づく参加を申し立て、右三名に対して所有権の確認を求めるとともに、被告らに対して右各登記の抹消登記手続を求めたものであること、しかして、第一審は、被告ら勝訴、原告および参加人敗訴の判決をしたため、原告および参加人がそれぞれ控訴したが、原告が後に控訴を取り下げたこと、以上の事実が明らかである。
ところで、原審は、右訴訟関係を前提としたうえ、かかる場合は、第一審判決に対して参加人のみが控訴したにすぎないから、原告の請求は控訴審における審判の対象とはなつていない旨判示し、参加人の請求についてのみ判断を加え、原告の本訴請求については判断を加えていない。
しかしながら民訴法七一条による訴訟は、同一の権利関係について、原告、被告および参加人の三者が互に相い争う紛争を一つの訴訟手続によつて一挙に矛盾なく解決する訴訟形態であつて、その申出は、つねに原被告双方を相手方としなければならず、その一方のみを相手とすることは許されないのであり、同条に基づく原告、被告、参加人間の訴訟について本案判決をするときは、右三当事者を判決の名宛人とする一個の終局判決のみが許され、右当事者の一部に関する判決をすることも、また、残余の者に関する追加判決をすることも許されないものであることは、いずれも、当裁判所の判例とするところである(最高裁判所昭和三九年(オ)第七九七号同四二年九月二七日大法廷判決、民集二一巻七号一九二五頁、同四一年(オ)第二八八号同四三年四月一二日第二小法廷判決、民集二二巻四号八七七頁参照。)。この趣旨に照らせば、本件訴訟において、参加人が控訴の申立をしたことにより、参加人、原告、被告ら間の三個の請求は、当然控訴審の審判の対象となるべきものであるから、原審としては、原告の控訴取下の有無にかかわらず、同人の被告らに対する請求についても、同一判決により判断を加えるべきであつたといわなければならない。したがつて、これと異なる見解のもとに、原告の本訴請求について判断を加えなかつた原判決は、民訴法七一条の解釈適用を誤つたものというべきであり、原判決のこの瑕疵は、訴訟要件に準じ、職権をもつて調査すべき事項にあたるものと解すべきことも前掲判例(昭和四三年四月一二第二小法廷判決)の示すところであるから、本訴については、上告代理人の上告理由について審理判断するまでもなく、原判決は破棄を免れず、さらに審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すのが相当である。
よつて、民訴法四〇七条一項を適用し、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。(長部謹吾 入江俊郎 岩田誠 大隅健一郎 藤林益三)

+判例(S36.3.16)
理由
本件は、民訴七三条七一条により同法六二条が準用される場合であるから、上告人の相手方Aに対する上告の申立は原審被控訴人Bのためにも効力を生じ(六二条二項)、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。 
上告人ら代理人弁護士小田成就の上告理由第一点第二点について。
所論はるる論述するが、ひつきょうするに、原審がその専権に基ずいてなした証拠の自由な取捨選択並びに評価及びこれによつてなした自由な事実認定に対し、これと相容れない事実を主張しつつ原審の判断を非難攻撃するに外ならないものであつて、上告適法の理由となすを得ないところのものである。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)


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